蝶と水没

今日も今日とてチョコレートの勉強をしています。一番面白いのはカカオを誰が見つけたかというところです。私たちと同じモンゴロイドが見つけたのがきっかけで、カカオというものははじめに食べられるように(正確にいえば飲まれるように)なったのだそうです。へー。

最近は読書に精を出していて、チョコレートの本はもちろん、随筆も読むようになりました。最近読んでいるのは二階堂奥歯の「八本脚の蝶」。文庫本としてはかなりの分厚さです。値段も結構します。よく行っているお店のバーテンダーの方にお勧めされていて、ずっと読みたかった本。見つけた時はかなり嬉しかったのを覚えています。

ただこの本は、自殺願望がある方にはお勧めできない終わり方をするので、個人的には「読んだ方がいいですよ」と言いづらいのです。私自身にもかつては自殺願望があり、何度か未遂をしています(多分十数回は行っていますが全部未遂です)。ある意味そんな時期にこの本に出会わなくてよかった。今出会えてよかったと思っています。俯瞰で見られるからこそ楽しめることってあるものです。

ネタバレ、というほどでもないのですが、この本は最後に筆者が自分の意思で飛び降り自殺を図る(本の本人著の文章の最後にそう書いてあり、それが事実ならばそうなのでしょう)のですが、私は元恋人の家で溺死しようとしたことをなぜか思い出しました。今思えばなんで死のうとしていたのかわかりません。
この本の中には自死を連想させる言葉が散りばめられているので、この筆者の言う「文脈」故に、筆者は死を選んだのかもしれません。でもそれは、読み手の私たちが勝手に解釈していることだけかもしれません。死ぬことそのものにはそもそも、理由なんてないのかもしれません。終わるから終わる、それだけのお話だったのかもなぁと思います。あくまで推測の域を出ませんが。

水に沈みゆく私にも理由なんてなかったと、いつか心からそう思える日が来ると良いなと思います。

これから新しい仕事の面接に向かいます。受かっても、受からなくても大丈夫かな。コーヒーってやっぱり諦められなくて。すいません。でも頑張ります。

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伊藤三時
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