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IT業界の闇。多重下請け構造

IT業界の構造

皆さんが普段利用しているIT製品はどのようにして出来ているでしょうか?
例えば毎日利用する鉄道会社に着目しましょう。。JRのモバイルsuicaや電車の自動走行、改札いろいろなものがあります。
これらはJRが作っているんじゃないの?と思うかもしれません。
半分正解で半分間違いです。
まず発注元の会社をJRとしましょう。JRの部署のIT部門、またはJRのITの子会社このあたりが開発を統括します。これらが元請けです。(部門の場合は発注元かな)
しかし実際のプログラムは彼らではなく下請けの会社が作ります。
2次請けの会社は割と大きめのソフトウェア開発を専門とするIT企業です。
彼らはチームを組織し実際にJRのIT子会社のエンジニアの指示の元仕事をします。
しかしその2次請けのチームのメンバの多くがさらに下請けでかついろいろな会社から派遣されます。
3次請け企業くらいになってくるともはやあまり聞いたことのない会社です。
3次請け企業はその会社に在籍していますが、みんなバラバラの現場に派遣のように飛ばされ2次請けになるような大きなIT企業で働きます。
これが多重下請け構造です。

なんでこうなるの?

なぜJRの子会社が全部作らないのか疑問に思いませんか?
それはお金の問題です。
例えば改札機を作ると今まで切符を切っていた人が不要になり人件費が浮きます。
「人件費 - 開発費」 が年数を重ねることでプラスになっていきます。これがIT導入による利益です。
しかし開発費も毎年かかったらどうでしょう?つまり仕事が終わった後もエンジニアを雇用し続けたら利益が出ないどころかマイナスです。
そのためエンジニアはいつでも解雇したいのが企業の本音です。
しかし解雇規制があるので出来ない。なので外注に頼るのです。
外注企業はいろんな会社に技術者を送るのでプロジェクトが終わっても次のプロジェクトに参入しやすいのです。
これは小さい企業になればなるほど、身動きがとりやすいのです。

IT企業の分類

先ほど説明した改札機の例を言うとJRのIT子会社はユーザ系IT企業といいます。
自分たちが導入したいシステムを作るのでユーザです。
それ以外のIT専門企業を独立系といいます。
このほかにもメーカ系というものがあります。立ち位置としてはユーザ系と同じ元請けです。皆さんが使っている電子機器などの販売元の事です。
エアコンだったら富士通などが作っていますよね。しかし中で使われているプログラムは下請けの独立系企業が作っていたりします。
この関係は元請けがユーザであろうがメーカであろうが変わりません。

お金の流れ

ユーザ系の売上はシステム導入による経費の削減です。
メーカ系の売上は単純に製品が売れた数です。
独立系企業はどのようにして稼ぐかというと「1人エンジニアが20日働くと70万円」というような尺度があり、何人を貸したかで売り上げが上がります。
70万というのは仮ですが、新人からベテランまで50万~120万程度の額が付きます。先ほどの例だと「1人月70万円の案件」などといいます。
メーカやユーザはそのシステムを作るのに何人のエンジニアが必要なのかどれくらいの期間が必要なのかを推測し予算を決めるわけです。
多重下請け構造だと元請けは1人月100万円でエンジニアを貸し出してもらってもその2次請けは1人月80万円で3次請けの企業から人を貸してもらい20万円中抜きします。
つまり下請けになればなるほど労働者の給料が減っていくのです。

末端の3次受けになるようなIT企業は人をたくさん雇って沢山派遣すれば売り上げが上がるのです。
なので需要のある現代ではIT業界の参画は比較的容易なのです。
2次請けはエンジニアというよりは現場の指揮をとるマネージャー業が出来る人を沢山雇い、3次請けから人をたくさん入れれば沢山中抜き出来るのです。

いい事もあるよ末端企業社員

3次請け企業はお金だけ見ると確かに中抜きされまくったかわいそうな立ち位置に見えます。
このような派遣のような働き方はSESと言われています。
正社員として3次請け企業に雇われていながら実態は派遣です。
派遣のいいところは「なんか合わないな」っていう現場は変えてもらえるのです。あまり注文が多いと査定に響きますが、働く環境を変えにくい2次請けや元請けに比べるとメリットになります。
また2次請けからすると3次請けの人たちに離れられると中抜きできなくなってしまうのと新しく人を交代するとまた1から引継ぎを行わないといけない事になるので結構面倒になるのです。
そのため気を使いながら仕事をする場面が多いです。

どんどん転職しよう

2次請け企業からするとある程度現場経験を積み人を扱える人材が欲しいです。
その人材は3次請け企業で場数を踏んだ人たちの中にいます。
元請けも同じです。何人も人を扱ったことがありもちろん本人も開発経験があるエンジニアが欲しいです。
それも下請け企業にいっぱいいます。
つまりエンジニアは一つの企業にずっと務める総合職的な働き方よりどんどん転職して川上に登っていくのがセオリーです。

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