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トンカツの反復 【日記の練習 #02】

10月15日(火)

生まれて初めて自分でトンカツを揚げた。

近所のスーパーの創業祭でロース3枚400円で売っていた。勢いで買ってしまった。あとから思えば一人暮らしで3枚は多い。最近は料理もいろいろとチャレンジしたい気持ちが盛り上がっている。めんどくさがって避けていた揚げ物にもそろそろ挑戦したいと思っていた。

帰宅し、早速肉を冷蔵庫から出す。上からラップを被せ、コップの底で叩いて広げた。油を幅の小さい深めの鍋に注いて着火。続いて、肉に塩胡椒を振って、次は小麦粉を、と言うところで気づいた。小麦粉を買い忘れた。

今家にある粉は片栗粉とホットケーキパウダーだけ。ホットケーキパウダーの主成分は小麦粉だけれど、成分表を見ると水あめとかベーキングパウダーとか色々入っている。甘くなってしまうのだろうか。片栗粉でも代用できるのか、と検索すると、大丈夫そう。むしろさっぱりとした仕上げになるらしい。とりあえず片栗粉をまぶした。

お次は卵、と冷蔵庫開けると、卵も使い切っていて無い。さすがに卵の代用は無理か、コンビニに行くか。と思いつつ、一応検索してみた。なんとこちらも片栗粉(水溶き)で代用できるらしい。そんな粉まみれで良いのか。まあ要するに最後のパン粉がくっつけば良いんだろう。半信半疑ながら、ロース肉に水溶き片栗粉を塗り、最後にパン粉をまぶした。(これは事前に買ってあった。むしろ、パン粉があるんだぞという自信が先走りして色々忘れてしまっていた)

さて油の温度はどうだろう。鍋が深くて温度計を入れるのが怖い。何とか菜箸に挟み込んで測ろうとしたが、140℃くらいまで温度上昇が見えたところで、油の中に落としてしまった。はあ。不器用。慌てて取り出して、めんどくさくなって、もう肉を投入しちゃえ。事前に見ていたレシピでは、まず170度で裏表が茶色くなるまで揚げ、一度取り出してから油を切り、180度まで温度を上げてから再度裏表を揚げて完成、とのこと。

ここまでの時点で自分の中ではもう「とんかつを作る」と言うリワードは達成していた。すでに温度をきっちり測ることも諦めてしまっていたので、時間も、タイマーには頼らず色合いで判断することにした。典型的なミスするやつの思考法。

ジュー

さて、揚げ始めたときにうっすら嫌な予感はしていたが、冷蔵庫を開くとやはり、ソースも無い。仕方がないので味噌ダレのレシピを調べた。別の鍋を用意して、味噌とみりんと酒と砂糖と水を適量入れ、とろみがつくまで火にかけた。完璧な味ととろみになった。店で食べるより美味しく感じる。仕上げにごまも入れておく。

とんかつの方は良い色合いに揚がった。いったん油を切り(ザルで代用)、少し火を強めて温度が上がるのを待つ。この時点で十分美味しそう。もっかい揚げる必要あるのかな。でも火が通っていないよりは少々固くなるほうがマシ、と思って再度投入。
果たしてカツはジューシーな見た目に仕上がった。よし!

見栄え的にやっぱりキャベツが欲しい。1/4サイズで買ってあったものを取り出してピーラーみたいなやつで削る。細さはイメージ通りだが、長さが3センチになった。これは千切りと言えるのか、シュレッダーみたいな…。とりあえず視力をぼんやりさせて食べれば色合いは問題ない。
さて、全ての調理が終わった。皿にキャベツとトンカツを盛り付け、味噌ダレをかけた。レンジで温めておいた作り置きのカレーとご飯も盛り付ける。

なかなか豪勢な食卓になった。いただきます。人生初の自作トンカツは、ちゃんと美味い。少し硬いが充分美味しい。しっかり中まで火が通っている。ひとまず安心。味噌ダレも濃すぎず、カレーとも合う。懸念だったキャベツも、カツとひとまとめに口に入れれば、カツの美味しさを引き上げてくれている。味噌汁も作れば完璧だったが、それは頑張りすぎというもの。
途中苦しくなりながらも完食。さすがにお腹が重たい。

自分でも揚げ物出来るやん!という自信と、いろいろ代用したわりに美味しくなるもんだなと楽観性を得られた。
こういう新しいチャレンジをする時間と心の余裕を保っていたいな。


10月16日(水)

昨日に引き続き、もう一枚のロース肉もトンカツにすることにした。反復は大事。
昨日の反省を生かして、卵も買ってきた。小麦粉は、行きつけのスーパーには大容量のものしかなかったのでまた今度。今日も片栗粉にお世話になる。
昨日と同じ工程で始め、水溶き片栗粉の変わりに、満を持して卵を塗り付ける。パン粉も入念にまぶして油の中へ。(以下同)

こういうのでいいんだよ定食

完璧な仕上がり。
今日は味噌汁も作り、キャベツもサボらず包丁で切った。
卵のおかげか、食感はかなり柔らかくなった。香りも心なしか豊か。大満足で今日も完食した。かったが、2日連続の揚げ物は流石に胃に応えて、ふた切れ残した。
明日の弁当にでも入れよう。

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