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【離島発!対話型会議のススメ①】~定数と変数を見極めることから始めよう~


 日々、東京の島々で事業をしたり、理事会に参加したり、地域活動をしたりしていて、もどかしい気持ちを持つことがあります。それはというと、“前提の共有がなされていない”状態で議論が進んでしまって、末端の事象に対する善悪でぶつかってしまい、本質的な議論にたどり着かないことが多いということです。
 それでも、個別に話せばほとんどの方が愛や熱を持って取り組んでいることがわかります。みんな島を好きなはずなのに、なぜか集団になるとぶつかり合ってしまう。この構図は、一つの島だけではなく、どこの島でも少なからず起こっている現象でした。
 この“もったいない“を解消するにはどうしたらいいのかを考えました。そして、これはどうやら「会議の方法(つまりシステム)に問題があるのでは」という仮説に至りました。私は、この仮説検証のために、独自に学びと実践を繰り返してきました。地域における会議をアップデートし、地域の方々の力をより本質的に地域に活かし、人々の可処分時間を守るために重要となる考え方やノウハウをお伝えしていきたいと思います。

 第一弾は、『定数と変数を見極めることから始めよう』です。

用語の定義を整理

 定数と変数、数学に出てきそうな用語ですよね。はい、実際にそうです。でも計算は必要ありません。簡単なことで、
定数は「自分が努力しても変えることができない数字」
変数は「自分が努力すれば変えられる数字」
「関心の輪(定数)」「影響の輪(変数)」と言われることもあります。定数を把握した上で、どれだけ変数にアプローチができるかが、私たちに与えられた限られた時間とお金を最大限活かす方法だと思います。

なぜ、定数と変数を見極めての会議が大切?

 例えば、地域観光の次の政策を、限られた予算の中で打ち出すための議論をする会議があったとします。その時に、「予算がもっとあれば」「風さえ吹かなければ」「物価の上昇をどうにかしたい」のような私たちがどう頑張っても変えられないことへの議論を深めても、時間がもったいないです。さらに、自分たちがどう頑張っても影響できない範囲への議論となりますから、どうしても悲観的な雰囲気に流れていってしまいます。
 人口減少の最先端をいく離島では、動ける人材の数は限られてきます。そして動ける人ばかりボランティアベースの役割は増え、どこの会議も大体同じメンバーなんてこともザラにあります。地域の人材の時間は有限でとても貴重です。動ける人ほど、役割や会議の多さに疲弊して潰れていく姿を見てきて悔しい思いもしてきました。地域の人材の可処分時間を守るためにも、より本質的な行動へつながる会議にするためにも、会議のアップデートが必要だと思います。それでは、定数と変数を見極めて議論を進めていくために役立つ方法を考えていきたいと思います。

ステップ①定数の可視化

 定数についての議論という沼にのめり込んでしまうことのロスはお伝えしましたが、まずは会議に関わる定数(自分が努力しても変えることができない数字)を可視化すること自体はとてもオススメのことなのです。これは会議の冒頭に、参加しているみんなで「定数」の定義を確認した上で、ブレストしてホワイトボードの端などに可視化しておくのも良いでしょう。または、事務局やファシリテーターがある程度リストアップしておいて、会議メンバーと確認してから始めるのも有効な手段だと思います。

いつでも立ち戻れるように隅に可視化しておくことが大切

ステップ②変数へのアプローチ

 定数の確認をすることができたら、その会議が一体何を決めるべき時間なのかの目標を今一度確認して、その枠の中での変数(自分が努力すれば変えられる数字)にアプローチをしていきましょう。途中、定数の議論に流れていってしまうこともあります。そんな時にこそ、改めてホワイトボードに可視化した定数の確認を促しましょう。どんな大御所で頑固な方々でも、自分の決めた(合意した)ルールを破るのは心理的ハードルが高いものです。可視化した定数を紋所にして、場の軌道を修正しましょう。

まとめ

 今回は第一弾ということで、まず押さえておくべき「定数と変数」の考え方と会議での活かし方をお伝えしました。会議のグランドデザイン自体は、また別のnoteで書いていきたいと思います。
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