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満たされぬ壺と最後の問い

「クイズの時間だ。」

教授はそう言って、大きな壺を取り出し教壇の上に置いた。

その壺に、彼は一つ一つ岩を詰めた。

壺がいっぱいになるまで岩を詰めて、彼は学生に聞いた。

「この壺は満杯か?」

教室中の学生が「はい」と答えた。

「本当に?」

そう言いながら教授は、教壇の下からバケツいっぱいの砂利を取り出した。

その砂利を壺の中に流し込み、壺を揺すりながら、岩と岩の間を砂利で埋めていく。

そして、もう一度聞いた。

「この壺は満杯か?」

学生は答えられない。

1人の生徒が「たぶん違うだろう」と答えた。

教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。

それを岩と砂利の隙間に流し込んだ後、3度目の質問を投げかけた。

「この壺はこれでいっぱいになったか?」

学生は声を揃えて、「いや」と答えた。

教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと注いだ。

彼は学生に最後の質問を投げかける。

「僕が何を言いたいのか分かるだろうか」

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