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読了本

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記事一覧

よしもとばなな 花のベッドでひるねして #読了

スピリチュアルな感じ。父が亡くなった時に書いたとのこと。全体的にふわっとしているけど地に足つけて穏やかに生きていくとは? ということに対して書いているのだろうか。最初の出だしも好きだけど、よしもとばななさん独特の表現が面白くて、するする読めた。ああ、こんなふうに物事を捉える人がいるんだ、という感じ。

李琴峰 『五つ数えれば三日月が』 #読了

 読みながら、自分の育った土地と違うところにいることとは? というのを、頭の裏でずっと考えていた。中国、台湾、日本の名前を見て、日本名が一番しっくりくるというエピソードがあって、自分の中でどう消化していいのか分からずにうっかり狼狽てしまった。
 言語とか文化の違いみたいなところも苦労するところではあるけど、確固たる所属感が薄い(おそらくいろんな土地を転々としている人もそうだろうと予測する。)とか、

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室橋裕和 『ルポ コロナ禍の移民たち』 #読了

 2020〜から日本にいる移民の方々を取材したルポ。今の時点で読んでもグッとくる内容だった。給付金の10万円が難民の人は受け取れないとかいうことも知らなかったし、やっぱりちょっと見て見ぬふりをしてしまってたなぁという印象。本の中で、コロナの比較対象として、リーマンショックやバブルが挙げられていて、それよりも酷かった、良かったというのは人それぞれだったけれど、そういう緊急事態の時に一番最初に割を食う

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三木那由多 『会話を哲学する』 #読了

普段、お話を書いたりする時に、会話を考えるのは好きだったのですが、それがどういうパターンがあり、なにをすると話が、登場人物のコミュニケーションが複雑になり深まるのか……! ということを考える上で目から鱗な本だった。

斜線堂友紀『回樹』  #読了

ゲンロンSF講座のゲスト講師として来られており、お話を聞いてから本を読み終えました。授業内でお話しされていた戦略的な面白さが随所に散りばめられていたところも含め、とても面白かった。
短編集のテーマは愛と死と墓について、と勝手に解釈しているのですが、それぞれ違うアイデアとの組み合わせで書かれていて、別個(一つ目と最後の短編は繋がってますが)の話としてバラエティがあってすごい。アイデアは尽きないという

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辻村深月『この夏の星を見る』 #読了

一冊前に、『私たちの世代は』と言う瀬尾まいこさんの本を読み、期せずしてコロナに絡めた話を読む。一番最初に読んだコロナを絡めた小説(あれは、コロナ初期段階の頃に出版されていた、、)があまり好きではなく今まで少し少し遠巻きに見ていたトピックだけど、良かった。

中学、高校生がコロナの中、スターキャッチコンテストと称していろんな地域から星を観測するスピードを競うという青春劇。天文部や科学部が舞台になって

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