不得意分野をやらせることの損失
あるエンジニアの知り合いが海外出張をしたくないと言っていた。
その人は英語があまり得意ではないの、それが理由なのかと思っていたのだが、詳しく聞くとどうやら違うようだった。
英語はあまり得意ではないが、それ自体はそこまで問題ではないそうだ。仕事上の話であれば技術用語で事足りるし、なによりも彼が優秀なこともあり、相手が英語力ではなく技術力に期待した対応をしてくれるからだそうだ。
そのため、少し英語が変だったりしてもそんなことは関係なく仕事ができるらしい。
では、なんで海外出張が嫌なのかを聞くと、どうやら航空券やホテルの手配、経費の申請処理などが大変すぎるからだそうだ。
彼からするとそれらの事は不得意分野で細かいことは覚えていられなかったり、やっていると混乱してくるそうだ。
ネット上ではときどき「好きなことをやっているのであれば給料は安くていいだろう」というような考えを目にすることがある。
漫画家やイラストレーターもそうだし、技術系の人間も言われている事がある。
「好きなことをやれているのだから、それだけで満足だろう」「毎日がたのしいのだから給料は低くていいだろう」という事なのだろうか。
好きなことをやっている人が給料が安くていいのかというのは別問題として、そもそも漫画家やイラストレーターや技術系の人が本当に好きなことだけをできているのだろうか。
少なくとも、知り合いのエンジニアを見ている限りはそんなことはなさそうだ。
なんで人間が分業をするかというとその方が効率が良いからだとろう。一人一人が個別にやるよりも、ある人は野菜を作り、ある人は服を作り、と分業をしたほうが作業もしやすいし、材料も無駄なく使える。
だからこそできるだけ個々の人的資源は得意な分野に投入した方がいいのだと思う。
社内のルールだからという理由によって、不得意な分野までやらせてしまうのは、会社という共同体を作って、わざわざ分業している意味が薄まってしまうのではないかと思う。
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