The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第二部(2)百合の後継者
Ⅱ. 百合の後継者 フォン・シュタインの陰謀が始動する以前に頓挫した事によって、ラサールは再び潜伏し、続く六年間、彼の活動史はまたも空白期間となっている。次に彼が浮上したのは、王政回復直後のパリだった。
フランスの王政復古、あるいはそれを可能にしたナポレオンの失脚については、枝葉末節を取り払って観察して見ると、その「建築主事」というべき役割を果たしたのが、男爵ハインリヒ・フリードリヒ・カール・フォン・ウント・ツム・シュタインであった事に気づかされる。彼は己に向けられた激怒