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電線を譜面と考えて、雲はなんの音になるのか

「まどろむ」という言葉が好きで、漢字で書くと「微睡む」。最近は自分の身の回りでこの微睡みを感じることが多くなってきた。

暖かい季節に移る中で、この微睡みは必要不可欠だ。そしてこの言葉が持つ柔らかなイメージを纏う人になりたいとも思う。

中学1年生の頃に母子家庭になり、母は朝早くから夜遅くまで毎日働いていた。妹は当時小学5年生で、わたしたちは夜まで2人で留守番することも少なくなかった。

そんな時に2人でよく観た金曜ロードショーで、チャーリーとチョコレート工場を放送していた際、リスが女の子を穴に落とすシーンで2人とも息ができなくなるくらい笑ったり( 今考えても本当に謎。なんで? )、夏休みで暇してる昼間、午後のロードショーをチューペットアイスを吸い寝っ転がりながら鑑賞したり。思い出すのはいつも映画がそばにあったことばかりだ。

本当に辛かったことの記憶は忘れてしまう、というのを聞いたことがある。わたしは中学生の頃に過ごした記憶は全部曖昧で、専門学校1年生の頃の記憶はほぼない。慣れない環境で課題に追われ、人付き合いも苦手でとにかく苦労した19歳は、周りに迷惑ばかりかけていたはずなのに当人は全く覚えていない。本当に失礼な人間だと思う、すみません元クラスメイトの皆さん…。

学生だった頃も、学生という身分を卒業した今も、1人で映画館に行って映画を鑑賞し、帰りに書店に立ち寄り本を買って、スタバに寄って1時間だけ読書して、飲みきれなかったコーヒーを片手に帰路につく。こんな1日をわたしは幸せと呼んだ。それがひとつの建物で叶ってしまうのがkino cinema横浜みなとみらい。わたしの休日はそこに篭って全て解決する。機会がなく距離もあるため、まだ1回しか行ったことないけど感動した。

ゆったりとした時間、曖昧な時間、夕暮れ時、朝日が部屋に差し込んだ時、偶然早起きできて支度をゆっくりしてる時、寝る時に雨が降ってたらラッキーって思うこと、特に目標もない散歩、犬を撫でてる時、など。わたしは大変微睡みを感じる。その瞬間を切り取って大切にしていきたい。

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