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せつない話 男爵イモの話

せつない話

せつない話を1つ。お話ししますね。

男爵イモの話しです。

男爵イモには、せつない物語がありました。

覚えている範囲で書きますね。

※記憶が曖昧で、少し間違ったところも
あるかもしれませんが、知っている方は、
ここはそうじゃないという連絡を下さいね。

では、男爵イモの話しをします。

実話です。

一人の日本人の青年がいました。

彼はイギリスに留学して、そこで女性に恋をします。
ものすごい恋をします。

彼は、その女性が働いている店に通いました。

たしか・・

花屋さんだったかな・・・

※今、調べると、NHKで男爵イモの特集を
していたみたいですね。

そこには、花屋ではなく、本屋になっていました。

続きをかきます。

彼は、彼女の居る本屋に毎日通い、
毎日、ラブレターを渡しました。

彼はいつもその本屋に行って、彼女にラブレターを渡しました。

一目ぼれで、何回も通い、

通うたびにラブレターを渡し・・

彼女も彼に熱心さ、真面目さに惚れて、

お互いが常にラブレターの交換をしました。

会話はしないで、デートもしない。

ラブレターばかりの交換。^^;

2人とも、初恋状態で純真でした。

手紙は、直接、手渡しです。

たまに、彼女が休みの日にデートをしました。

いつも、イモ畑のある白いベンチで、

腰掛けてデートしていました。

いつも、イモ畑の白いベンチで、2人で会っていました。

そして、白いベンチに腰掛けて

一面に広がるイモの花を見ながら、

2人でいつも何時間も語り合っていました。

でも、彼女はクリスチャンでした。

神を信じていました。

そして、彼を、しきりに教会へ誘いますが
彼はいつも断っていました。

当時の日本はキリストが禁止、また、彼は身分も高い藩士。

禁止かどうかは、わかりませんが、
キリスト教を信仰できない状態でした。

彼女は、何度も何度も、彼を教会に誘いましたが

彼は、常に、彼女の教会の誘いを断りました。

「クリスチャンにだけは、どうしてもなれない・・」

と言いました。

それでも2人は恋をして、ラブレターも何回も交換して

イモ畑でデートしました。

白いベンチに座り、何時間も会話をしました。

深く、深く、お互いが恋をしました。

会うのは、いつも、イモ畑のベンチでした。

そして、彼女は、自分の思いを書いた手紙を彼へ渡しました。

その手紙には・・・こう書かれていました。

「私は、あなたの為に生きたいと・・」

教会もやめて、全てを捨てて、

あなたに着いて行きたいと・・

身も心も全てを、あなたに捧げたい。

一生、あなたに尽くして生きたい。

そういう手紙を彼に渡しました。

そして・・

あなたの住む日本へ行き、

あなたに身も心も捧げたいと・・

あなたの側で、あなたを一生、

支えて生きたいと・・・

そういう手紙も彼に渡しました。

彼も結婚を誓いました。

彼も「僕には、この女性しかいない・・」

そう思いました。

そして、彼は日本へ帰り、親に彼女の話しをしますが、
親に反対されて彼は藩士の息子で、家柄の良い女性で
ないとダメだと言われて反対されました。

当時の日本は武家同士の戦略的結婚が普通でした。

恋愛が許されない状態でした。

結局は彼は、お見合いで勧められた家柄の良い
女性と結婚して日本で人生を終わります。

その後、彼女とは連絡を一切、とらず・・

彼女が、どうなったかもわかりません。

その後、イギリスにも行っていません。

彼は、日本では、世の中に名前を残すほど
成功しました。

家族も大切にしました。仕事も成功して、

家族も大切にして、地位も名誉も手に入れました。

そして、年齢も、80歳を超えていました・・

90歳に近づいてから・・

妻にも、先立たれ・・彼は、すごい老人になりました・・

もう、イギリスの彼女も死んでいるかもしれません・・。

ある日、何かの用事で彼は北海道へ行きました。

彼は、元々、男爵という身分で更にビジネスも成功して
偉い人になったので、あちこちから招待されました。

それで、北海道へ招待されて・・

その時は、彼は、実業家で、

偉い人で、大金持ちで・・

仕事なんかしなくても、お金は、いっぱいありました。

その彼が、北海道の景色を見て

北海道の光景を見ていきなり、

農業をやりだしました。

身分も、名誉も、お金も投げ出して・・

農業を始めました。

広大な土地に財産をつぎ込みました。

まわりの人は彼を見て、彼は気がふれた?

と思いました。

なぜ、いきなり農業をするのかが、理解できませんでした。

しかも、彼は、農業はシロウトでした・・・

でも、大きな土地に、イギリスで見た男爵イモを植えたのです。

いつもイギリスにいた初恋の女性と会っていた場所が男爵イモの畑でした。

男爵イモの永遠に続く光景を見ながら、ベンチに座り彼女と語り合っていました。

自分のイモ畑には、ベンチも設置しました。

それは、白いベンチでした。

イギリスにいた光景と、そっくりそのままに北海道で再現しました。

イギリスの彼女とは、1度も会っていません。

連絡さえ取っていません。

別れて、60年後の話しです。

奥さんも亡くなり、彼の年齢も90歳を超えていました。

そして、彼は、老人になって、92歳になってから初めて教会へ行きました。

そこで、洗礼を受けてクリスチャンになりました。

好きな人と結ばれず彼女に対しての罪滅ぼしなのか?

最後は、その好きな人のいた場所を、光景を思い出し

その光景を再現するために、イモを植えた・・

永遠に広がる芋の花を彼女と一緒に見ていた
風景を再現して・・

そして、彼女に勧めれられていたクリスチャンになり洗礼を受けて

その3年後、彼は亡くなったそうです。

95歳で、生涯を終えました。

この事実が解ったのは、彼の金庫からイギリス女性の手紙が出たからです。

彼が亡くなるまで、その事実は誰も、家族さえも知りませんでした。

金庫から出た手紙は、彼女からの約90通ほどの手紙でした。

それを誰にも言わず、彼はずっと保管していたのです。

せつない話しでした・・

地位も名誉も、お金も、成功も、家柄もよく美人の奥さんと、子供も手に入れても

たった1つだけ

愛する人だけは、手に入れられなかった・・。

財産を投げ出し、広大な土地を買い、そこへイモを植え

白いベンチまで、作り・・

90歳超えてから教会に通い、洗礼まで受けて・・

彼の一番の楽しみは・・

その白いベンチに一人、腰掛けること。

愛した彼女の面影を思い出しながら・・・

人が見ると、彼は、いつも、そのベンチに一人、腰掛けていたそうです。

人は、本当に、せつない。

でも、せつないから、人に優しくなれると思う。

せつない体験をするから人と、一緒に泣いたり、
悲しみも、喜びも分かち合えるかもしれないですね。

この話しを聞いて、アホじゃない?と思う人もいると思う。

悲しくて、涙を流す人もいると思う。

涙が流れる人は、

それだけでも、人の気持ちが解る優しい自分になったんだなって、そう思う。

優しくなれた人だから、涙が出ると思う。

人生には、せつないこと、辛いことが多い。

でも、だから、優しくなれると思う。

そして、同じ気持ちになれる

人と一緒に生きるのが本当の幸せだと思う。

だから、辛いことを乗り越えて苦しいことも、乗り越えて行けば

いつか、相手も、一緒に泣ける関係になっていると思います。

その時に初めて辛さに感謝できると思う。

苦しかったことに感謝できると思います。

がんばりましょうね。

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