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随想録

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日記とはまた違った形で。 回想録であったり、決意を残すためであったり。
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#随筆

私にとって 私らしく生きるということ

毎日大粒の雨が降っている。 でもなんでかな、この音が心地よくてたまらない。 雨の中にいると、 細胞ひとつひとつがフカフカの布団に横たわっているように 喜んでいるのがわかる。 気持ちよくて、 いつまでも聴いていたくなる。 7月、 ひとつの区切りがまたやってくる。 何かが終わる時、 嬉しさと同じくらい怖さもでる。 その2つは、常にセットだと思う。 どっちに視点が置かれるか、 どっちへ意識を置くか、 ただそれだけの違い。 無意識に コントロールされてしまうときもあるけれど、

日常は遥かに大きくて

月が青白く感じる日は、 初めて飼った猫を思い出す。 すると、お腹のあたりにぽっかりと穴が現れ、 触れた感触が体に甦る。 猫が世界から突然いなくなった日、 わたしの日常を死が初めてノックした。 わたしは、4つで、 猫も同じくらいの年だった。 毛の短い真っ白な猫で、青い目、きれいな雄猫だった。 母はいつも「本当にお利口ね」と猫に言っていた。 それは、多くの飼い主がペットに向かって言うセリフのひとつで。 賢さというものを当時のわたしには未だ分かってなかったけど、 彼の利口さとは何