思い出す錆びた自販機
わたしは殺風景な田舎で育った。田舎といっても自然豊かな場所ではなく、街でもなく、過疎化が進んでいて、取り立てて話せるようなことが何もない、何の特徴もない町。
中学まで地元の学校へ通っていたけれど、とても閉鎖的な人間関係で息が詰まる場所だった。誰かを傷つけるような発言でなくても、思っていることを口にすれば性格が悪いと言われ、可愛い服を着れば、自信過剰といわれてのけ者にされる。人とうまくやるには心に嘘をつき、四六時中体操着だけ着ていると、去った人たちが戻ってくるくだらなさがあった