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制作者が語る択一実戦力養成答練 —法改正対策の視点から

今年も択一実戦力養成答練の時期がやってきました。「実」際の本試験現場で「戦」いぬく「力」を養成する本講座は、➀出題分野を幅広くカバーした本試験レベルの新作演習問題と、➁合格に必要十分な知識をトピックごとにまとめた図表が2大コンテンツとなっており、択一式演習の決定版ともいえます。

以前にもNote記事でお伝えしたことがありますが、本講座をフル活用するために制作者としてぜひおススメしたいのは、「完全網羅ではなくメリハリ活用」という考え方です。演習と解説講義を通して教材の全体を一通り網羅した後は、全てを復習しようとするのではなく、自分のニーズに合ったものを“バイキング”形式で選んで消化していく…そこにしっかりとメリハリを利かせることが、この講座の特長を生かすカギになると考えています。

今回は、特に法改正対策の視点からの「メリハリ活用」について、お伝えしたいと思います。

過去問演習は非常に大切ですが、それに加えて答練の受講をおススメする大きな理由の一つが、答練では最新の法改正情報や新しい先例を演習問題の形式で確認できるという点にあります。最近の本試験では、改正点や直近の先例が積極的に出題される傾向があるので、この点はとても重要です。それで、本講座では、毎年積極的に法改正情報を教材に取り入れるようにしています。

不動産登記に関していえば、所有者不明土地問題に関係する一連の改正の影響で、今年は不動産登記法や規則等の改正に加えて多くの新しい通達が発出されました。膨大な新しい情報量の中から試験対策として必要と思われる知識を厳選して整理したものが、今年の択一実戦力養成答練のテキストに含まれています。改正点が関係する部分は、見分けやすいようにテキスト内の【出題の傾向と対策】のコメントに書いてありますし、解説講義でも言及されることと思います。

「既に厳選された知識が載せられているのならば、改正情報がまとめられている図表などは完全網羅を目指した方が良いのではないか」と感じるかもしれませんが、そうとも言い切れません。ここでもやはり、メリハリ活用を意識していただきたいと思います。掲載されている改正情報の中でも特に重要な「ここだけは押さえておいてほしい」という部分は解説講義でも強調されるはずですので、そうした情報とご自身のキャパシティをふまえて、インプット量を判断してください。

もう一つ、メリハリ付けの助けとなる情報として、改正情報の中から制作者が試験対策に必要な知識をどうやって厳選するか…という点もお伝えします。知識そのものの重要度を考慮するのはもちろんのことですが、制作者観点では「この知識は択一式での出題に馴染むだろうか?」という部分を比較的強く意識します。実務的に重要な知識であっても、択一式のような短い一文で問うことが困難な「出題しにくい」知識というのもあり…そうした知識は、本試験でも出題しにくいだろうという結論になる場合もあります。そういう意味では、今回の教材の中で「演習問題に出題されている改正情報」は、択一式で問いやすい知識であると判断して採用していますので、そういう問題は復習の優先度を高い位置に置くようにすると良いかと思います。

最後に、昨年度から配点変更があった記述式とのバランスについても触れたいと思います。記述式の点数が各科目35点満点から70点満点に変更になったことの影響は、現状ではそこまで大きくはないと考えられるものの、まだ未知数のところがあります。こうした状況を考えると、記述式で得点を稼ぐという考え方にはやはりリスクがあり、択一式での得点力の安定性は引き続き重要であるといえます。

豊富な教材を消化しやすい仕方で提供している本講座の“バイキング”から、自分のニーズに合ったものをメリハリをつけて吸収し、安定した得点につながる「実戦力」を鍛えていきましょう。

伊藤塾 司法書士試験科 不動産登記法 制作担当 高野いづみ


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