2023年 司法書士試験合格者が語る 合格を掴んだ学習法
2023年度司法書士試験に合格された方々からメッセージを頂きました。
合格者が語る様々な思いを知り、合格を掴む糧にしよう!
高山 研人さん
色々なテキストに手を出さずに決めたものを繰り返すということに限ると思います。また曖昧な知識は百害あって一利なしです。Aランクと言われる知識を完璧にすることを心がけました。全枝をわかる必要がないのでAランク知識を完璧にすれば択一で30問は正解できると思います。また自分の持っている知識の精度が高いものであれば枝を見れば知っている知識のものかすぐに判断がつくので問題を解くスピードもかなり上がり午後の試験においてかなりの助けになりました。
板野 利治さん
試験勉強を再開するに当たって、まず合格目標年度を決めました。いつまでに合格するのか、目標も決めずにただ勉強を続けていたらいつか合格するだろうなどと甘く考えていたことが以前の失敗の原因だと考えたからです。
また、勉強方法も変えることにしました。以前は講義を聞いてテキストを読み込む勉強を中心にしていました。もう一度どこかの受験指導校の入門講座を受講しようかとも考えたのですが、可処分時間を考えると講義と復習だけで1年ちかくかかってしまい、合格目標年度に間に合わない。
そこで、問題演習を通じて合格に必要な知識をインプットする勉強方法に変えてみることにしました。
佐藤 敦子さん
一週間単位で時間割の見直しをして、修正しながら自分の理解度と進捗状況を照らし合わせながら勉強を進めました。
寝る前の時間はひな形を繰り返しました。就寝前には暗記物が良いと聞いたので。
テキストの表を覚えるのは苦手。表で学習するなら自分で作ると良いです。債権の比較の表、組織再編、自分で迷いがちなところをピックアップして表にしました。少しの時間があるときに見るものとしてその表を活用。苦手なところは少しで良いからできるだけ毎日やるようにしました。苦手な人でも毎日挨拶していれば仲良くなれると思います。
一年目は他校で入門講座を受講。配信後ノートを作ってしまい無駄でした。テキストにまとめていったほうが効率的でした。
森 公昭さん
フルタイムで仕事をしていましたが、勤務先の理解を得られたので、業務の合間にも勉強させてもらえるという恵まれた環境にいました。それでも、専業受験生と比べて勉強にさける可処分時間は限られていたので、基本的に過去問・答練・模試等で正解した問題は2・3回見直すだけにして、間違えた問題をストックしておきました。そして、ストックした問題をまとまった時間で何周も回す工夫をしていました。これを繰り返すことにより、正解する問題が増えていくので、だんだんストックした問題は減っていき、弱点をピンポイントで復習できました。
黒田 匠さん
たくさんの合格者や講師が口を揃えて言っているとは思いますが、教材は絞るべきです。魅力的な講座がたくさんありますが、人間にはできる限界があります。ひとつの教材を徹底的にやりこんで、このテキストについては誰にも負けないぞ、と言える精度まで高めれば、それだけで合格に必要な知識は全て備わっていると思います。
私は会社まで車通勤でしたので、通勤中の車内でBluetoothを通じて講義を1.2倍速で聞いていました。聞いたことのある講義を流すようにしていましたので、復習に非常に役立ちました。通勤、通学の時間は非常に活用しやすいと思いますのでおすすめです。
思い返してみてこれは間違いだったなと思ったのは、やる気の出ているときにスケジューリングをすることです。勉強自体とは関係ないところですが、やる気のある時にするスケジューリングは到底達成できません。少なくとも私はそうでした。予定通りに勉強や講義が進まないことで勉強のモチベーションが下がり、予定がどんどん遅れるといった悪循環に陥る可能性が高いです。今過去に戻って勉強するなら、思い切ってスケジューリングなどしないぐらいだと思います。ただ、伊藤塾はカウンセリングで勉強スケジュールに関する相談もできたと思うので、スケジュールで不安な受講生はカウンセリングを利用することも考えてみるとよいかもしれません。
野原 悠さん
月並みですが、テキスト、過去問とで偏りなく学習し、基礎を固めていくのが第一だと思います。具体的には、些事にこだわらないでまず通読。過去問を通じて理解を深めたら、テキストの文章を要約して記入します。さらに回数を重ねて、要約した文章に修整を加えていく、というのが私の学習法です。
基礎を固めた後は、テキストと記述式の問題の往復を重視していたように思います。択一式の問題をテキストと照らし合わす、ということもしたのですが、なにぶん問題数が多いので全部を確認していると日が暮れてしまい、印象にも残りづらいという欠点がありました。
それに引き換え、記述式は論点が凝縮されている上に、具体的かつ失敗したときのダメージが大きいため、より効率的に頭に入れることができます。
もちろん、記述式は解くだけでも時間がかかるではないか、という意見もあると思います。しかし、答案構成のみに限って言えば15分程度、解答を埋めても省略して書けばそれほど時間はかかりません。さらに言えば、記述せずとも迅速かつ正確に処理できるよう、意識して自分を追いこむことができるという点で、効果的であったと思います。
中村 翔太郎さん
自分だけがやっていた特別な方法は特に思いつきません。山村講師のおっしゃっていたことを参考に、とにかくテキストと過去問を地道に繰り返しました。強いて言えば、基本テキスト、厳選過去問集、答練(改正部分のみ)に絞り込み、この内容を完璧に仕上げるように取り組みました。
また、近くにスマホを置いておくと、気づいたらYouTubeやネットフリックスを観ているので、布団の中などに隠していました。
書いていて、普通のことしか書いていないなと感じましたが、普通に一生懸命頑張るのが一番だと思います。
佐々木 英里さん
映像講義は、2周目からは家事をしながらやお風呂に入りながら、ベッドで目を瞑りながら聞くことが多かったです。
夜ごはんの後すぐに勉強できるように、いつも近くに過去問を山積みにしていました。
山田 友佳さん
Exceedテキストは年内に2回、年明けから7回、トータルで9回回しました。左のページの演習問題も並行して解きました。間違えた問題はフリクションの蛍光ペンでチェックを入れ、3回転目までは全問解きました。4回転目から7回転目はチェックの入っている問題のみを解き、もう大丈夫と思った肢のチェックを消していきました。8回転目は「記憶のドーナツ現象」(←高橋講師のYouTube配信でこれを知りました!)の対策として再度全問総当たりで解きました。解いてみるとチェックを消したはずの肢を再度間違えていたりノーマークだった問題を間違えていたり、この「最後から2回転目」が私にとってはとても有効だったと思います。
答練など他の講座で得た知識や表は全てエクシードのテキストに書き込み・貼り付けしました。エクシード1冊で完結できるように、自分なりのテキストに仕上がったと思います。
ちょっと気になることが出てきたときは入門コースのテキストに戻りました。山村講師がおっしゃったことをメモしていたので、当時山村講師が「今はわからなくていいです。後になって効いてきますから」とおっしゃっていたのはこういうことだったのか、と思ったことが何度もありました。
暗記が苦手だったので、壁中に重要項目や特殊な雛形を書いた紙を貼りました。キッチン、洗面所、トイレはもちろん、目の届くところに貼っていたので一日一回は無意識に目にしていました。本試験の記述(不登法)第4欄はそのおかげで全問回答することができました。
中村 純代さん
子どもたちが小学校、中学校、高校と、それぞれ別の学校に行っている時期で、授業参観やPTA行事などがバラバラに入り、ママ友関係も3校3様で別にあり、主婦ですがわりとスケジュールの密な日常でした。午後3時ころからは子どもたちのそれぞれの習いことの送迎で平日は毎日3時間ほど車に乗りっぱなしの毎日でした。(住んでいるところが長野県で、どこに行くにも車です。車で片道40分の体育館での習いことは週5でありました。)
夏休み冬休み春休みなどの長期休業中は、子どもたち最優先で過ごしたかったので、勉強は後回しになりました。
独りの時間である平日の午前中が主な勉強時間でした。
今振り返ると、家庭を優先で勉強は無理せずできるときにしていたと思います。独りの時間に勉強することが普通のことであり、特別なことではありませんでした。
花輪 和世さん
私の場合、文字の羅列からのインプットがどうしても苦手なので、まとめノートをエクセルで作りました。できる限り要点を絞り箇条書きにしたり、類似論点との比較表を作ったり、大事な要件は色分けしたり、と視覚的に理解しやすい工夫をしました。1教科あたりB5用紙両面で10~30ページほどでしたが、直前期には何度も間違えたところは書き込みをし、模試や本番にも持っていきました。最後は「これさえあれば大丈夫」な虎の巻のようなものとなり、本番直前の見直しに役立ちました。(ただし、このやり方は合う合わないがあると思いますし、それなりに時間がかかりますので、ご自身でご判断いただければと思います。)
塚本 祐枝さん
とにかく空き時間は勉強に費やすことにし、トイレにもキッチンにも洗面台にも覚えることを書いた紙を貼りました。子どもの行事で学校へ行くときも講義をヘッドホンで聴きながら学校まで歩き、寝る時も講義を聴きながら寝ました。
子ども達が幼稚園や学校に行っている時が勉強のゴールデンタイムなので休憩はほとんどとらず、お昼ご飯もテキストを見ながら食べたりしました。
子ども達が帰ってきてからは習い事に連れて行ったり、勉強を見たりなるべく家族との時間を大切にしてメリハリをつけるように気をつけました。土日は土曜日は家族の日とし、日曜日は夫が子ども達と遊んでくれたので一日勉強できました。
北山 朋子さん
学習開始から4年間は「家事や通勤時に講義を聞き続ける」、「ひたすら過去問を繰り返す」今思えば何ともやみくもな学習をしていました。マイナー科目はこの学習方法で十分な力がつき、早い時期から高得点をとれる状態になっていました。
しかし、主要4科目は頭の中にはバラバラの過去問知識と音で覚えた法律用語が蓄積されたものの、「これやったことある」、「この文言見たな」という程度の記憶なので、問われ方が少し違う角度からだったり、似た文言のもの同士を混同してしまったりしていました。安定して正解を導くためには、問題の基となっている条文の趣旨や制度を理解して、頭の中で体系的に整理しておくことが必要だと思います。
そのことに気が付いた5年目からは過去問は学習すべき場所、抑えるべき個所を示す指標ととらえ、過去問を「解く」ことよりも過去問で「問われている知識」が正しく理解できているか、ちゃんと頭に入っているかに重点をおいて勉強するようになりました。具体的な学習方法は下記のようなものです。
・正解が導き出せても問われていることの全体像がぼんやりしていたり、知らないことが書いてある肢があればテキストで調べる。
・関連個所で宇津木講師が講義で指定したマーカー部分、パワーポイントも合わせて読んで必要なことはその場で覚える
暗記には苦手意識があり「何度もやればそのうち覚えるだろう」と避けていましたが、やはり「意識的に」覚えようとしなければ、何度やっても自然に暗記するというのは難しいと感じています。ありきたりですが、暗記の手段として下記のようなことをしていました。
・覚えるべきことを書き写すのではなく、自分の頭からひねり出して書く。
・書けないところはテキストを見て頭の中で関連付けをしたうえで、再び書く。
・書けるようになったら声に出して言えるようにする。
・声に出せない電車などでは、スマホに打ち込んでみる
もちろん、一度覚えても忘れます(笑)。それでも、繰り返し理解を伴う暗記をしようと努力をすることで点数は確実に伸びていきました。
講義も、ながら学習で聞き流していては何度も聞いても内容をきちんと理解することができず、あまり頭に残らなかったように思います。模試の解説ならば家事や通勤時にザーッと聞き流して必要な情報のみを拾う聞き方は効率的ですが、講義は、まず1回、きちんと机に向かってテキストを開きペンをもって、目と耳と手と頭をフル稼働して聴くことをおすすめします。一度そのような聞き方をしていれば2回目以降は聞き流していてもきちんと理解して講義についていけるので、必要な知識がちゃんと頭に入ってくる感じがありました。
使うテキストは基本的には各科目1冊とし、そこに情報を集約するのが効果的でした。勉強していると「これと似たやつあったな」とか「あの表どの本に書いてあったっけ?」と思うことがよくあったのですが、記憶頼みだとそれを探すのにとても時間がかかったり、時には探せないままとなってしまったりしていました。ひっかかる都度、テキストを開いて該当箇所に参照すべき教材の名称とページ、過去問の番号をメモしたり、自分で書いた整理表をはさんだりしていくようにしたら、何かあればテキストに戻れば調べられるようになりました。情報が集約されているので「よくテキストを開く」→「同じものを何度も見る」→「視覚的にも覚えやすくなる」という好循環が生まれ、本試験直前はテキストを開く前に「あのページのあの辺に書いてあった」と調べたい場所が頭に浮かぶ状態になっていました。
佐々木 亜咲さん
なるべく早めに授業動画は視聴して、問題演習や登記申請書のひな形を覚える方に時間を割きました。大学生活ではオンライン方式の授業も多く、コロナ禍でサークル活動や友達と遊ぶような時期ではなかったので、単位取得の勉強以外の時間は司法書士試験の勉強にあてることができました。
対面授業が始まってからも、空いている時間は図書館で過去問を解いたり、ひな形を書いて覚えたりしました。苦手な箇所や覚えにくい箇所はルーズリーフに書いて、マスキングテープで壁に貼り、なるべく視界に入るように工夫していました。なるべく午前と午後で試験科目を分けて勉強していました。
佐藤 逸子さん
私が勉強をはじめたころは、子どもが3歳と1歳でした。可処分時間をどのように作るか、それが私の課題でした。当時は3時に起床し、子どもが起きるまで講義を聞く。仕事へはテキストを持参し、隙間時間に復習する。何度読んでも記憶に残らないワードは別ノートに一覧にし、事あるごとに繰り返し眺めるなど、隙間時間をフル活用していました。それはイコール余裕のない生活になっているということでした。5回目の受験の時にはじめてこの追い込み方が自分にプレッシャーをかけすぎ、試験時に過度な緊張につなげていることに気づきました。合格する年の1年間は追い込まない範囲での学習に変更し、これまであきらめていた習いことはじめ、勉強ばかりの生活から離れてみました。勉強方法は人それぞれなので、自分に合ったやり方を見つけることが一番の近道だと思います。
井倉 佑貴さん
勉強法は、とにかくいろいろ試すことでした。以下、実際に試したりしていた勉強法です。
1. 暗記は書いて覚える(非効率ですね)。
2. 信号待ちの時、○×問題を1問でも解く。
3. テキストの音読を録音し、車で聞く。
4. ノートの罫線に合わせた「アイウエオ」のゴム印を作り、択一問題を複数科目にまたぎ解きまくる。
5. 間違いノートを作成
6. 会社機関の設置義務を「監公委」(取締役会)「取会」(監査役)「大委」(会計監査人)「公かつ大」(監査役会)、会社設立の登記事項を「商本公目発発資株」などロゴ合せ的なものを自分なりに作成。
「3」については、音声が結構外に漏れているので、恥ずかしい以外効果的でした。
あと、学習法ではないにせよ、「ゴールからの逆算」をしました。
もちろん司法書士試験合格がゴールではありません。合格後の「自分や家族、周りの友人を幸せにしたい」をゴール設定し、学習を継続してきました。
余談ですが、ゴールからの逆算で、令和4年度の本試験を受けるまえに、勝手に「私の合格体験談」を作成していました。
池田 和裕さん
合格できた23年は髙橋講師のプラクティカルコースを受講しており、この講座が私には非常にあっていました。
趣旨の理解に軸足を置いているプラクティカルのテキストからとにかく離れず、どのタイミングでも講義での教えである「だって、なぜなら」をなるべく意識することを心がけてテキストに向き合いました。
工夫とまではいきませんが、日課として昼休憩時に散歩をしていて、テキストをもって出かけて、なかなか抑えられない箇所があったときは立ち止まって読んでみたりしていました。場所が変わると意識が変わる気もしましたし、適度を運動になっていることもあるのか頭に入ってきやすい気はしました。
武石 佳華さん
まずは講義が配信されるペースから遅れないことを心がけました。フルタイムで働きながら勉強していたので、少しでも溜めてしまうと後々リカバリーができなくなると思ったからです。1回の講義を全て見る時間は確保できなくても、朝の出勤前に20分だけ見て残りは仕事の休憩時間と帰宅後に見る、1.5倍速で見るなど、配信であることのメリットを活かしていました。
2つ目は手を広げすぎないことです。1人で勉強していると、他の受験生はもっと細かい知識を持っているのではないかと不安になりますが、この試験で重要なのは、数は少なくても正確な知識を持っていることです。そのためには各講義の中で指摘される「ここは条文だけでなく事例への当てはめができるようにする」、「合格者はここまでしっかりやっている」、「ここは細かいから余力があれば一読で構わない」という講師の方々の指示にしっかりと従うことが大切です。正確な知識だけを持っていれば、試験でいわゆる「捨て問」が出題されても、自分が持っている知識が曖昧だから解けないのか、細かすぎる知識が問われているから解けないのか、自信を持って判断することができ、心の余裕にもつながります。
3つ目は情報の一元化です。テキスト、条文、過去問を行き来しながら勉強するので、テキストに関連する条文番号を書き込んだり、過去問の余白に似た知識が問われている過去問のページを書き込んだりして情報を探す時間の短縮化を図りました。何度も見ている条文や繰り返し解いても間違える問題にはマーカーで色を付け、自分が苦手な分野を可視化することも、超直前期に復習の優先度を決めるうえで役立ちました。
大井 英里さん
子育てと並行して受験勉強をしていたため、勉強時間の確保が最大の課題でした。
朝、子どもが起きる前、幼稚園に行っている間に勉強することはもちろんですが、習いことの間など、とにかく隙間時間を見つけて少しでも勉強できるよう心がけました。
部屋やトイレに暗記すべきことが書かれた紙を貼って、いつでも見て覚えられるような環境を作っていました。
また、暗記すべき項目をスマホで写真に撮って、スーパーのレジ待ちの時など少しの時間も無駄にしないようにしていました。
坂本 尚輝さん
私は働きながら合格を目指していましたが仕事柄完全な肉体労働ではなかったのですが体力が必要な仕事で終業後はあまり勉強ができませんでしたので、早く寝て朝に学習を進めていました。他には隙間時間を徹底的に利用して学習量の確保に努めていました。一例を挙げると仕事中の休憩時間、トイレ、入浴時といった感じです。特にオススメな隙間時間の活用法としましては入浴時です。私はこの時に厳選過去問集の学習を行っていました。通常通り進めていたり、間違った問題だけを集めて解いたりしていました。
鈴木 春彦さん
私は受験回数が多いため、以下、合格した年(以下、「合格年」)について記載したいと思います。私からはあえて、合格するためのマインドや環境の設定などを中心にお話しします。(主に長期受験生のために書きます。)
合格するために大切なのはまずは自分を「凡人」と認識することです。何度も不合格になっている時点で「凡人」です。そこから全てが始まります。悔しいですが認めましょう。プライドは捨てましょう。私は、合格した年は明らかにここが違うと思っています。凡人である以上、頭の良い人が遊んだり休んだりしているときに勉強をする、そこで差を付ける、それしかこの試験に勝つ方法はないと考え、夜型から苦手だった朝型にシフトし、自分の趣味や好きなこと、無駄な時間を極限まで削減しました。具体的には朝は5時半に起床、7時15分まで勉強。朝食や出勤の支度をしてから8時から8時38分(通勤ギリギリ)まで勉強、というように分刻みで勉強時間を確保、夜は平日休日問わず必ず22時半に布団に入りました。睡眠時間は勉強や仕事の効率が下がるため、必ず7時間を確保しました。
私は4年目以降は基準点には行くものの記述や総合点の不足で何回も落ち「負け癖」が付いていました。模試でも毎年上位の成績でした。不合格になるのは何故なのか、自分なりに分析したとき考えたのは「自分の学習の質や量にブレがある」ということでした。そこで、まずは平日、休日に分けて勉強時間のリズム(枠)を決めることにし、このブレをなくそうと考えたのです。
「仕事をするように勉強をする」「嫌でもこの時間は勉強をすることになっている」という環境を強制的に作る。そして、「枠からはみ出るようなことはしない」。不必要な教材を買わない、選定しない、自分にとって気持ちの良くない勉強はしない、場所ごとに教材を選定する、時間(小・中・大)ごとにやる教材を定めておく、通勤、昼休み、寝る前、早朝等、局面ごとに何をするかを決める等「枠」を作り、それを守ることを徹底して意識しました。最初の2ヶ月位は違和感がありましたが、次第にそうしないと気持ち悪くなってきました。試験日から逆算して年内を準備期、1~3月を実力アップ期、4~6月を直前期と3つに区分し、それぞれ、記述式基本論点を潰して苦手意識をなくす、全教科を60%にする、全教科を80%以上にすると目標設定し、本試験での点数配分を科目ごとに設定しました。(結果的に目標点数に5点差で合格しました。)
私は特に記述式に苦手意識があり、年内は市販の基本的なひな形兼演習問題集を毎日1問、30分程度で解くことを日課とし、年明け1~2月は宇津木講師の「記述式ケーススタディ講座」(2020年合格目標)を復習していました。これにより結果的に、記述式の苦手意識が払拭され、年明け以降は択一(特に主要4科目)に注力できました。すると自然にマイナー科目にも意識が向けられるようになり、4~5月はマイナー科目を含め、択一を全体的に底上げできました。結果、本試験では午前33問、午後30問となり記述式でミスをしましたが、択一逃げ切り型で合格できました。私の感覚では「択一を伸ばしたいなら、まずは記述を得意にしろ」ということです。記述式に苦手意識があるとその意識のまま直前期まで行ってしまうと思います。それが本試験前日まで嫌~な感じで尾を引きます。なので、苦手なのであれば年内(遅くとも2月まで)に基礎を潰す。苦手な分野、科目を早い段階で手当てすることが精神衛生上とても重要だと思います。自分で決めた学習計画、時間、その枠でできることはなにか、選ぶべき教材は何かが自然と分かって来くると思います。勉強時間ノルマは一応課しましたが、疲れたり、眠かったりしたら勉強しないようにしました。ノルマ以上は無理して詰め込まないことも敢えて意識しました。計画を立ててあくまでもそれが達成できたらその日は終わりにします。とにかく自分の学習リズムを作ること。それを繰り返すこと。他人とは状況が違うのですから、他人と比べても全く意味がありません。SNSなどには惑わされないでください。自分なりに「これだ」と決めた学習リズムを継続することで自然に自信が構築されていきます。それを見て周りも応援してくれ、自然と周りの人のためにも合格したいと思えるようになります。合格して今、思うのは、不合格だった年はどこか勉強を「無理に」していたということです。やると決めたこと「だけ」を、やると決めた量と時間でやる、それでできない量ならばそもそもの設定や自分の実力を見誤っている。そのように思います。
橋本 貴法さん
まず、私は補助者としてフルタイム兼業での受験生活でした。
【工夫したこと】
他の受験生との決定的な違いは、合格した年には、職場から徒歩5分圏内に引っ越しをし、とにかく学習にあてられる時間を確保したことかと思います。
私はペットを飼育しており、一日のうち2時間ないくらいはペットの世話にあてる時間となっておりましたが、それでも平日は朝夜合わせて5~6時間の学習時間を確保できたと思います。
【失敗したこと】
やったつもりになっている学習ほど最悪なことはない
ながら勉強がいい!と最近言われておりますが、集中できない状況での講義はやった気になるが身にはつかない最悪な勉強法だとおもっています。何度移動中に集中できていない状態でしていた勉強を繰り返したかわかりません。範囲を進める初見の分野は、多少忙しくてもきちんと座ってとりかかったほうがいいと思います。問題を解くなどの、アウトプットは電車やバスでもできると思いますが、インプットをながらで行うのは危険です。
原子 奈津美さん
勉強をはじめた当初は、暗記したいものや、まとめの図表などをノートに書き写したり付箋に書いて目につくところに貼ったりしていましたが、それは時間の無駄だったと思います。
なるべく書くことはせず、テキストに戻り毎回同じ文章や図表を目にすることで記憶に残り、本試験が近づく頃には問題を解くときに図表が頭に浮かんできたり、テキストのあのあたりに載っていたなと知識を引き出すことができるようになっていました。勉強時間をスマホアプリを使って管理したことも、モチベーションの維持に役立ちました。
十時 礼和さん
ア 伊藤塾で言われたことを遂行する
受験勉強中に勉強方法に関する悩みはありませんでした。それは、自分のオリジナリティを出すのではなく、講義の中で教えていただいた勉強方法を完全に遂行することを意識していたからです。特に、暗記、過去問反復練習、間違いノートの作成は有効でした。
しかし、勉強が進み問題演習をしていくと、どうしても教えて頂いたことだけでは対応しきれない部分が出てきました。そのときは、自分の主観に合う図や表を作成したり、苦手知識とその関連知識をまとめたノートを作成し、それを常に持ち歩いていました。
イ 自分の弱点を知り克服する
択一式では、記述式の解答時間を確保するために、軸肢検討の方法が必須です。しかし、全肢を検討しないことによる不安感をなかなか払拭できませんでした。この点については、正確な知識を身につけることが重要なので、テキストの内容や、条文、判例の知識を暗記レベルまで高めました。また、過去問演習のやり方も全肢検討から軸肢検討の方法に切り替えました。そして、軸肢検討の方法を用いても模試で得点できるようになったときに、自分の回答に自信が持てるようになりました。
記述式では、問われている法律知識はあるのに、事例形式で問われると的確に回答できないという壁がありました。そこで記述式の対策では、他校が出版している問題集も使い、多くの事例に触れるという対策をしました。
また、解答時間が足りないという課題もありました。この点については、問題演習をする際に、最小限の答案構成で解答するという練習をしました。具体的には、事例中の登記に関わる部分で、かつ記憶していられない事項を見極めて答案構成する練習を行いました。
(2) 失敗した勉強方法
得意なところも含めて何度も復習してしまい勉強時間を使ってしまったことが失敗でした。過去問を解いて何度も正解できる問題や、テキストの内容がすぐに思い出せる箇所については試験前の総復習に回して、苦手なことを克服するようにした方が効率的だったと思います。