令和6年度認定考査結果発表と令和7年度に向けて
先日、令和6年度認定考査の結果発表がありました。
結果は以下の通り。
昨年の認定率から15ポイントも下落し、268名が不合格となるインパクトのある結果となりました。
直近5年の認定率を見直してみますと、ここ数年は認定率がかなり変動していることが分ります。前年が高い認定率であるからといって、油断できない試験となっています。
今年の問題は初出題となる「虚偽表示」の論点が含まれており、難易度が高い内容でした。そのため、昨年より認定率が下がると予想していましたが、結果は予想を大きく上回る下落となりました。
第2問と第3問は非常に解きやすい問題だったため、ここまで認定率が下がるとは想定外でした。しかし、多くの受験者が第2問と第3問の対策を十分に行えていなかった可能性が考えられます。
認定考査では「要件事実」だけでなく、「倫理」や「業務範囲」も毎回必ず問われます。
これらでしっかり点を取らなければ、合格するのは難しいため、私の講座では早い段階から「倫理」や「業務範囲」の対策を重視するよう指導しています。
しかし、「要件事実」の勉強に集中しすぎるあまり、この視点が抜けてしまう方が少なくないのかもしれません。
また、第1問の「要件事実」を中心とする問題についても、過去問の焼き直しが多い中で、未出の論点が出題されると一気に認定率が下がる傾向があります。
認定考査は暗記だけでは乗り切れない試験であり、未出の論点にも柔軟に対応し、答えを導く法的思考力を身につける必要があります。
そのためには十分な勉強時間を確保し、要件事実の理解を深め、習熟していくことが不可欠です。
しかし、研修や実務に追われて勉強時間を確保できないことも、認定率が上がらない一因と言えるでしょう。早めにスタートを切り、細切れの勉強を積み上げていく必要があります。
来年の対策として、ぜひ意識していただきたいのは次の3点です。
今年、残念ながら認定考査を突破できなかった方は、気持ちを新たに、来年こそ認定を受けられるように頑張りましょう!
また、今年司法書士試験に合格し、来年初めて認定考査を受験される皆さんは、今年の結果を踏まえ、「油断すると落ちる試験だ」という意識を持ち、緊張感を持って取り組んでいただきたいと思います。
一緒に頑張りましょう!
伊藤塾 司法書士試験科 講師 坂本龍治