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<BACK NUMBER>第83回 苦手克服研究所 民法「転貸借契約」

みなさん、こんにちは。
 
伊藤塾行政書士試験科講師の藤田です。
 
それでは、今回も一問一答をやっていきましょう!
 
 
今回取り扱うテーマは、
民法の「転貸借契約」です。
 
 
題材としては、「令和元年度 問題32 記述ウ」を扱っていきます。
 
 
まず、「令和元年度 問題32 記述ウ」を以下に示します。
 
 
ウ 賃貸人の承諾がある転貸であっても、これにより賃貸人と転借人間に賃貸借契約が成立するわけではないので、賃貸人は、転借人に直接に賃料の支払を請求することはできない。
 
 
 
 
……
 
 
 
 
いかがでしょうか?
 
 
 
 
結論からいうと、記述ウは誤りです。
 
 
以下、理由を解説していきます。
 
 
本問は、転貸借契約に関する知識を問う問題です。
 
 
まず、民法613条1項前段を以下に示します。
 
 
民法613条1項前段は、「賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。」と規定しています。

そして、同条項における「義務」には、賃料支払債務が含まれると解されています。

したがって、賃貸人は、転借人に対して直接に賃料の支払を請求することができます。
 
 
賃貸借契約は、民法において非常に出題蓋然性の高い分野であるにもかかわらず、転貸借契約を苦手としている受験生は多いです。
 
 
過去問で問われている程度の知識で構わないので、試験日までには押さえておきましょう!
 
 
今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく
予定ですので、日々の勉強の息抜きに
ご活用ください。
 
 
では!