美しい顔 北条裕子
この小説が話題になっていたことがある。
芥川賞候補策になったが、雑誌発表時に参考文献の記載漏れ、さらには文章の盗用があるとして批判されていた。
そんな中で出版社は中身を評価してもらうため、小説を全文公開していた。それをディスプレイで読んだ感想。
震災をそのまま題材とした小説。
序盤は自意識過剰で、かやの外から惨事を見ている人が、自分の興味に任せて思い描きそうな、人のいやらしさに粘着するような文書。
人のいやらしさにスポットライトをあてて、見てこれ、といっているような文書が気になる。
だけど途中から、女の子の葛藤、なにより幼い弟のけなげに母を捜す姿に圧倒され、感動する。
この幼いこのピュアなところはどうしてこうも心を打つのか。
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