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娘のおかげ。

今朝は歩いて登園した。  
 
厳密に言うと、ほとんど私が娘を抱っこして、歩いて登園した。 
 
さらに厳密に言うと、家を出るギリのギリのギリギリまで現在どハマり中の『みいつけた』を観ている娘をなんとか説得してそーれ自転車に乗って保育園だ!と言った瞬間に娘が「あるいていくのぉ」と言ったから「えー!しょうがないなー!!」となって家を出たものの出発してまもなく「だっこぉ」となって、結果、ほとんど私が娘を抱っこして、歩いて登園した。 
  
 
 
娘を抱っこしながら、やばいやばい時間やばいと歩いていると、途中、近所に住むおじいさんに会った。 
 
昨日だか一昨日もあった、とても上品な雰囲気の漂うおじいさん。 
 
70代くらいだろうか、ライトベージュのコートを着て、綺麗に整えられた白髪頭に、腰を軽く曲げながら、自分のペースでゆっくりお散歩している様子だった。 
 
私たちの前を歩いていたおじいさんがふとこちらを振り向いて目が合ったので、お互い同じようなタイミングで「おはようございます」と言い合った。  
 
おじいさんは挨拶をしながら娘に向かって軽く手を振ってくれて、娘も手を振り返していた。 
 
私は、おじいさんを追い越す際に再び軽く会釈をして、保育園までの道を急いだ。 
 
一歩一歩ゆっくりと進むおじいさんと、スタスタと足早に進む私たちの距離はだんだん離れていったのだけど、 
 
娘は私の肩越しにおじいさんのことが見えていたようで、後方にいるおじいさんにニコニコと手を振り続けていた。 
 
ちらっと後方を見ると、手を振っているおじいさんの姿が見えた。
 
きっとおじいさんから見た私たちの姿はこのようなかんじ。  
 
 

 
 
娘と歩いていると、特に高齢の方がすれ違い際に笑顔を向けてくださる。 
 
とてもやさしい微笑み。 
 
マスクをつけてるけれど、目元でわかる。 
 
ほんの数ヶ月前まで娘はかなりの人見知りで、やさしく微笑んでくださる方がいても笑顔を返すことなんてほとんどなかった。 
 
けれどもだんだんと慣れてきたようで、手を振り返したり、控えめだけれど、でもたしかに「こんにちは」と返したりすることが多くなった。  
 
時間にしたらたった数秒で終わってしまうような出来事なのだけど、そういう場面に出くわすたびに、私の心はあたたかくなるのだ。  
 
  
  
こういうあたたかさ、娘が生まれる前はなかなか体験できなかったなぁ。 
 
娘のおかげだね。 
 
娘のおかげで、今日も、先へ先へと急ぐ私の心の中に、あたたかくて、やさしい気持ちになれる余裕ができた。 
 
ありがとう。 
       
     

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