【あおもり紀行】第14話。日の出時刻No.1選手権!階上町は県内で一番早く朝日が昇る!?
東海岸と西海岸、どっちがいい?
津軽はいつも太陽が沈む。
南部はいつも太陽が昇る。
三戸城跡を撮った後、八戸市の二郎系で野菜マシマシを食べていると突然ひらめいた。
せっかく南部にいるのだから水平線から昇る日の出を撮りにいこう!
水平線から昇る日の出は、東側に海がないと撮れない。だから、津軽では水平線から昇る日の出は絶対に撮れない。逆に、南部では水平線に沈む夕日は撮れない。
これは東海岸と西海岸のどちらがいいかという世界共通の問題。
ニューヨーク VS ロサンゼルス
階上町 VS 深浦町
エーゲ海 VS アドリア海
種差海岸 VS 七里長浜
みたいな。
夕日が沈むより、朝日が昇る方が前向きな感じがするが、朝早く起きるのは辛い。無理せず夕日を見られる方がいいのかも?
とはいえ、これは水平線上のことであってどちらも朝日は昇るし、夕日は沈む。自分で書いといてなんだけど、考えるだけ時間の無駄だべな。
撮影はいつも車中泊
青森県の最東端&最南端の階上町。そのまた最東端の小舟渡海岸に夜10時頃に到着。ここには階上町のシンボル、階上灯台がある。
撮影時はいつも車中泊。撮影は日の出前から日の入り後まで何かしら撮っているから、夏だと午前3時頃から夜8時頃まで動いている。時には星空も撮るから宿に泊まってもチェックインして数時間寝るだけでチェックアウトになってしまう。午前3時にチェックアウトするなんて、なんて迷惑な客だ。
飯はどうしているかというと、宿の夕食の時間は一番撮りたい時間、マジックアワーだ。また、朝食をつけると日の出を撮った後に戻らないといけなくなってしまう。時間に縛られて自由に動けないので、車中泊+冷えたコンビニ飯というのが、わぁのスタイル。時々、冷えたコンビニ飯を車のダッシュボードに置いて日光で温めることもアリ。けっこう暖まるんだな、これが。
小舟渡海岸に着いて、ボツボツ寝るかと思いつつ闇の中の海を見ていた。
何も見えない。
潮風は冷たく寒い。
ただ波の音だけが聞こえる。
そのうち津波がきたらどうしようかと怖くなってきた。震災後、海に行くと必ず頭をよぎるようになってしまった。気になって寝られそうにないから、わんつか離れているけど道の駅に移動した。
三陸海岸ってどこからどこまで?
階上町の海は三陸海岸の一部なんだばって、そういえば三陸海岸って、どこからどこまでを指すんだべ?調べてみたら3つのパターンがあるらしい。
1.青森県東通村の尻屋崎〜宮城県岩沼市の阿武隈川河口
文字通り「三陸」の海岸。「三陸」とは「陸奥」「陸中」「陸前」のことで、青森県と岩手県と宮城県の昔の名前。宮城県と福島県の県境とは微妙にズレているばって、ほぼ3県すべての海岸だ。天気予報で「三陸沖」っていうときはこの範囲なんだど。
2.青森県八戸市の鮫角(さめかど)から宮城県石巻市の万石浦(まんごくうら)
普通に三陸海岸って言ったらこの範囲のこと。北上山地が太平洋と接する海岸線の範囲なんだど。
3.青森県八戸市の鮫角から宮城県石巻市の金華山
万石浦までは入らずに金華山でおしまいっていう範囲。万石浦を入れると牡鹿半島を回り込む形になるから、あくまで東海岸だけっていう考え方なんだべな。wikiによると「海岸地形や人文地理学的な共通性を根拠にしている」だそうだ。
日の出の撮影は5分前行動?
この日の、日の出の時刻は06時10分。
学校で叩き込まれた5分前行動。6時5分に行くと日の出の写真は撮れる。But!ばって!それではおいしいところを全部味わえない。コース料理でメインしか食べないようなもの。せっかくだから前菜も食べたいじゃない?太陽が昇る1時間前からドラマは始まっているのだよ、キミ。
どーでもいいことだけど、わぁは5分前行動に疑問を持っている。わざわざ自発的に早く集まれなんていうより、集合時間を5分前に指定すればいいんでないか?
日の出前の空の色は変化が大きくて楽しい。夜の闇にうっすらと光が感じられるようになり、空は黒から青へ変わっていく。
時間が経つにつれ、空は青からオレンジ色へときれいなグラデーションを描く。
そこに太陽が昇るとグラデーションの中に白いスポット光ができる。
というのが日の出のプログラムなのだが、その日の気象条件によって、空の色が変わったり、雲が邪魔したりするから同じ状況は二度とない。
写真は一期一会だ。
日の出時刻No.1選手権!青森県一はどこだ?
階上町公式ページによると、階上町は青森県で最も早く日が昇るんだど。東西だったら時差があるから東の方が早いのは分かるばって、南北で違いはあるもんだべが。人の言うことを素直に信じない性格の悪い私。本当かどうか調べてみた。
比較対象:東海岸の6市町村
比較するもの:各季節の日の出時刻(2022年)
階上町~東通村の距離:95㎞(直線距離)
並び順:南から
春分の日(3月21日)
階上町:05:35:29
八戸市:05:36:00
おいらせ町:05:36:22
三沢市:05:36:28
六ヶ所村:05:36:25
東通村:05:36:34
日の出が最も早い日(6月14日)
階上町:04:02:31
八戸市:04:02:51
おいらせ町:04:02:56
三沢市:04:02:46
六ヶ所村:04:01:47
東通村:04:00:55
夏至(6月21日)
階上町:04:03:03
八戸市:04:03:35
おいらせ町:04:03:40
三沢市:04:03:30
六ヶ所村:04:02:31
東通村:04:01:38
秋分の日(9月23日)
階上町:05:21:46
八戸市:05:22:18
おいらせ町:05:22:39
三沢市:05:22:46
六ヶ所村:05:22:43
東通村:05:22:53
冬至(12月22日)
階上町:06:53:27
八戸市:06:54:10
おいらせ町:06:54:48
三沢市:06:55:11
六ヶ所村:06:56:03
東通村:06:57:14
日の出が最も遅い日(1月04日)
階上町:06:56:48
八戸市:06:57:31
おいらせ町:06:58:08
三沢市:06:58:30
六ヶ所村:06:59:21
東通村:07:00:29
おろ~。違うもんだ。
夏至は日照時間が長くて、冬至は短いのは知っていたばって、日の出の時刻が一番早い、遅いわけではないんだな。
決勝戦!最北端東通村vs最南端階上町
階上町が1位かと思いきや、夏至は東通村の方が早い。地球の傾きによるだろうから、どこかにターニングポイントがありそうだ。せっかくだからもうちょっと突っ込んで調べてみるか。
というわけで、結果発表!
それぞれのターニングポイントはここでした。
4月17日
階上町:04:52:15
東通村:04:52:17
4月18日
階上町:04:50:46
東通村:04:50:45
8月25日
階上町:04:53:49
東通村:04:53:48
8月26日
階上町:04:54:47
東通村:04:54:49
というわけで結論は、
8月26日~4月17日までは階上町が早い
4月18日~8月25日までは東通村が早い
でした。