【あおもり紀行】第17話。秋に観光客を増やしたければ、紅葉の名所を作ってしまえ!
青森県内の紅葉を探し、巡っているうちに紅葉の名所にはいくつかの決まったパターンがあることに気が付いた。
ということは、このパターンを満たすように紅葉の名所を人工的に作ると、毎年たくさんの観光客が訪れ賑わうのではないか。
観光客を増やしたい自治体では検討してみてはいかがだろうか。
紅葉の名所には人工度で3つのパターンがある
青森県の紅葉の名所は、だいたいこんな感じ。
酸ヶ湯、城ヶ倉大橋、八甲田連峰、岩木山、弘前公園、中野もみじ山、奥入瀬渓流、蔦沼、薬研渓流、川内川渓谷、赤石渓流、十二湖、白神山地、屏風岩
これらは、どのくらい人の手が加わるかで3つのパターンに分けられる。
①人工度:高
弘前公園、盛美園など、人工的に作られた庭園
②人工度:中
中野紅葉山、奥入瀬渓流、蔦沼、十二湖、薬研渓流など、自然の中に、遊歩道や散策コースが整備された場所
③人工度:低
城ヶ倉大橋、八甲田連峰、岩木山など、自然のスケールを楽しむ場所
青森県はどこに行っても山全部がカラフルに色づく。だからどこでもきれいな紅葉を見ることはできる。しかし、そこに人は集まらない。
つまり、人はカラフルな山を求めている訳ではなく、別の「何か」を求めているというわけだ。
観光客が求めているのは「体験」
その「何か」とは何か?
それは「紅葉の中に身を置く体験」だ。
モミジの葉っぱを見て「わぁ、きれい!」と言ったり、写真を撮ったり、お茶をしたり、食事をしたりする。そういう体験をできる場所が「紅葉の名所」で、人が集まる場所だ。
「紅葉」というエンターテインメントを求めているというわけだ。
①の「人工度が高い庭園」は多額の費用がかかる。
③の「スケールを楽しむ」のは、ごく一部の場所に限られる。
②の「自然の中に、遊歩道や散策コースが整備された場所」が、紅葉の名所の中で最も数が多い。つまり、紅葉の名所は人工的に作れるということだ。そして、作るにあたってこの条件を満たせばいい。
数時間の散策ができる
その散策散策道には、カエデなどの紅葉する木がまんべんなく植わっている
駐車場は必須
とてもいい例が黒石市の中野紅葉山で、人工的に作られた名所だ。江戸時代にモミジが植えられ、100年以上経つ今も毎年、大勢の観光客が訪れている。屋台が出たり、周辺のお宅が駐車場を貸したり、あの角のローソンがいっぱいだったりと賑わっている。
その他にカフェや食事処、屋台など飲食できるポイントがあればなおよし。さらに、紅葉する木は、ブルーベリーやナツハゼ、ヤマボウシなどの実をつける木を植えると、それもまた活用できるかもしれない。
各郡に紅葉の名所を!
また知名度では、全国から観光客が集まるところと、主に県内の観光客が集まるところの2つのパターンがある。
全国は奥入瀬渓流や蔦沼、京都の嵐山といった超メジャーな観光地。県内は中野紅葉山や城ヶ倉大橋、薬研渓流などで、県内からの観光客が大勢訪れる。
これはどちらも必要で、良い悪いではなく役割分担だと思っている。新幹線とローカル線、人体で例えるのなら大動脈と毛細血管みたいな。
メジャーなスポットはどうしても目立つし、集客力も多いけれども、人が多過ぎて観光公害を引き起こしたりもするから、一概に良いとは言い切れない。
わぁは、青森県の各郡にそれぞれ県内レベルの名所があればいいと思っている。そうすればあちこち行けて楽しめる。
日帰りできる、ほどよい距離にあり、
おいしいランチやカフェもあり、
帰りに湯っコさ入って帰れる、
それがベストでないかな。
旧中里町の大沢内溜池を紅葉の名所にしよう!
津軽半島に紅葉の名所がほしい!
いいと思っている場所があって、旧中里町の大沢内溜池だ。ここは、すでに散策コースが整備されているし、平成の名水百選にも選ばれた「湧つぼ」もある。
あとはモミジを100本も植えれば、数10年、数100年と観光効果が期待できるし、金多豆蔵もいるし、津軽鉄道の利用客の増加にも一役買えるはず。
中泊町長さん、いかがでしょうか。予算を組んでモミジを植えませんか?
紅葉の名所は歩く!
紅葉の名所は、いずれにしても歩く。
そう!紅葉の名所は歩くのだ!
東京のミシュラン三ツ星の高尾山には、時々、ハイヒールで昇る女性がいるという。ハイヒールが可能なのは、①の人工的に作り出された場所だけなのに。
〆