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道の駅和田浦WA・Oで思い出した事
沿岸小型捕鯨基地のある千葉県南房総市和田浦。
捕鯨の町ということで道の駅には鯨の骨格標本、資料館があります。
捕鯨砲もありました。
捕鯨船に取り付けられ、火薬の爆発力で銛を鯨に打ち込み捕獲する道具ですね。
突然ですがクイズです。
あなたは捕鯨砲の砲手です。
前方にお父さん鯨、お母さん鯨、子供鯨の三頭の鯨の親子を発見しました。
どの順番で銛を撃ち込んだら良いでしょうか?
まず最悪は、子供鯨を最初に撃つことでしょうね。
子供鯨を撃たれたお父さん鯨、お母さん鯨は怒り狂って、2頭で暴れて攻撃してくるでしょう。
こうなると漁にならないどころか、場合によっては鯨の体当たりを受け捕鯨船破損沈没の恐れも出てくるでしょう。
では、お母さん鯨から撃つのはどうでしょうか。
お母さん鯨がやられるとお父さん鯨、子供鯨は悲しみのあまりかお母さん鯨の側から離れずいつまでもじっとお母さん鯨に寄り添っているそうです。
そうなればお父さん鯨、子供鯨も捕獲することが容易で、一気に3頭獲るチャンスです。
ただ、悲しみに暮れている鯨を撃つというのは残酷で、砲手に後味の悪さが残ります。
では最後の選択肢、お父さん鯨から撃つというは?
お父さん鯨が死ぬと、母子の鯨は悲しむのかなと思いきや、お父さん鯨がどうなろうとお構いなしに父を見捨てて一目散に逃げ去るらしいです。
なんと薄情な母子鯨…です。お父さん鯨を何だと思っているのでしょうか?
父親の威厳が無いのは鯨の世界でも同じなのでしょうか?
ただ、考え方によっては、母子の鯨が確実に生き残ります。
お父さん鯨も無念でしょうが、母子が生き残れば父親としての責任は立派に果たしたことになります。
こう考えれば、砲手の心情として罪悪感はあまりないかもしれません。
しかしながら、1頭しか獲れません。
どの選択が果たして一番良いのか?
以上は、昔、捕鯨船の乗組員で南氷洋で捕鯨に従事していた叔父の話ですが、捕鯨砲をみて、何十年振りに思い出しました。
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