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「あれ、ここも?」街に美容室が多すぎる理由

操作イトウです。今回は、何故こんなに美容室は多いのか?について。

街を歩けば美容室だらけ、どこもかしこも美容室。なにしろ日本全国のコンビニや信号より多いそうです。廃業する美容室も多いけれど、どうしてそんなに美容室だらけなのか?

髪を切る需要は無限

当たり前過ぎるかもしれませんが、髪の毛は生涯伸び続けます。

根元のプリンや白髪も絶えず生え続け、かけたパーマは段々とよれてしまう。髪の毛は1ヶ月に1cmほど伸びていて、現状、美容師が技術や薬剤を駆使して頑張っても、2〜3ヶ月後のヘアスタイルは別のものになってしまいます。

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これを「賞“美”期限」と呼ぶ美容師さんもいます。髪の毛を切る需要は万人に繰り返し訪れ、かつ無くなる事がありません。

昨年の緊急事態宣言時には、「美容室や床屋は“不要不急ではない”」との発言があり、エッセンシャンワーカーの側面(「お洒落すること」ではなく「衛生面」で)もあることが証明されました。

個人店が多いのはなぜ?

街に溢れる美容室には、大きな特徴があります。それは「チェーン店」よりも「個人店」が圧倒的に多いことです。駅前や繁華街には「大手のコンビニ」や「いつもの牛丼屋」より、地域密着の美容室がとにかく多い。この形は「ラーメン屋さん」にとても似ています。

ラーメン界が売りにするのは「ウチでしか食べられない“味”」です。たとえ店主がツンケンした接客でもお構いなし。「上手いラーメン」を食べるためなら、ファンは独自のルールを遵守してでも食べに行きます。

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そんな人気のラーメン屋さんでも賛否両論なのが「暖簾分け」。つまり「チェーン展開」です。より多くの人に上手いラーメンを提供できるようになる反面、新店舗での“こだわり”の再現は簡単ではありません。

ファンからすると、暖簾分けされた店舗に行っても「味が落ちた」「やっぱり“本店”じゃないとダメだ」「あの店は商売に走った」と言われてしまうこともしばしば。

街に数多ある美容室もまた、お客様から選ばれるために他のお店とは違う“味”を売りにした「差別化」が必要です。そして、お客様に指名されることで売上を上げる美容師もまた、他の美容師には無い「個性」を売りに頑張っています。

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ですが「マスに届けるチェーン展開」をする美容室は、大きな組織であることから「没個性」の傾向が強く、業界人へのウケが良くありません。それ故、働くなら「こだわりの個人店」がいい、と考える美容師さんの方が多いのです。

そのため美容室の「こだわりの個人店」と「マスに届けるチェーン展開」には相反するイメージが根強く、今も個人店が開業され続けているのです。

“理想の城”を構えたいのが美容師の性

10年前までの美容業界には、「美容室を開業する」ことが一人前の証のようにありました。従業員として勤める美容師には必ず、“理想”と“現実”を擦り合わせて仕事をしている部分があります。

「あんな風に出来た方が、お客様に喜んでもらえる」「理想のお洒落な空間で働きたい」そんな理想は、美容師にとって「個性」を引き出せる“最高の舞台”です。僕も若い頃は「いつか自分の理想のお店を開きたい」と“理想の城”を夢描いていたものです。

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駅近や人気の地域などに美容室が多いのは、利便性が重要視されるから。家賃が高くても、駅近なテナントを選ぶ必要があるのです。それでも「小さくても自分のお店を!」と1〜3人ほどの少人数での開業が多くなったこともあり、小さなテナントに美容室が入っている姿も多く見られるようになりました。

自身のキャリアアップを考えたり、理想を叶えるための環境作りを実現しようとすると、美容室を開業することになりやすい。

これが、美容室が増えた理由です。

「シェアサロン」でゲームチェンジが起こりつつある

僕自身、繰り返し触れている部分ですが、フリーランスになる美容師が増えています。フリーランス美容師を受け入れる美容室は「シェアサロン」と呼ばれます。

シェアサロンは“理想の城”とはいかないまでも、多様化したライフスタイルに合わせた仕事ができます。現場の“仕事の仕方”や“ルール”においても、他のフリーランス美容師さんにとって迷惑でなければ、自由です。

近年、シェアサロンという受け入れる“箱”も増え、裾野は広がっています。抱える不安要素はあるにせよ、美容師としての選択の幅は広がっています。

「開業ではない独立」の形ができるようになった「美容界のゲームチェンジ」に、今後も期待しています。



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ではまた。


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