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2024 錦秋の京都・重森三玲のお庭をまだまだ見たい旅・6 東福寺塔頭一華院

2024年11月の京都旅の後半日程の続きである。
いつものようにちんたらと記事を綴っているうちに2025年になってしまった。
今年も重森三玲を始め、美しいお庭を味わってゆきたいと思う。

さて。
11/21は京都に到着して最初に桂離宮を参観した。
当日申し込みにしたところ、時間は11:00からになったが、問題ない。
桂離宮を堪能し、中村軒の麦手餅を味わったのち、いよいよ東福寺方面に向かう。

東福寺にて拝観したい塔頭は一華院と龍吟庵。
龍吟庵は昨年、noteつながりでmakilinさんと観に行った。こちらの東庭(不離の庭)が好きすぎてもう一度観たいため。
一華院はお初である。こちらは重森三玲ではないが、三玲のお孫さんの重森千青作のお庭がある。以前訪れた松尾大社に千青氏が手がけた部分があったような…

それに今回は一華院にてnote繋がりの“ひばりん”さんと合流するのだ。
本当は23日にmakilinさんとひばりんさんと別の場所を拝観、という計画だったのだけど、色々あってこうなった。

約束の14:00。
ハトが一華院門前に着くとひばりんさんはすでに到着していた。
初めましての挨拶もそこそこに、さっそく門を潜る。
ハトもひばりんさんも写真を撮りたいので、それぞれがマイペースで拝観していく。

門を潜って
お約束のアレ(獅子口)
庫裏の屋根の隅には獅子が。桃ではないのだ…
ここの部分が“東庭 青龍”
中央の松が東の守護を司る青龍に見立てている
前庭でもあるのかも。知らないと通り過ぎてしまうところ


拝観料は500円。
一華院ではお茶席も開かれているのだが、“四神の庭”を眺めながら、ではないので、ハトもひばりんさんもパス。お茶席付きは1300円。一華院さんのお茶席は生菓子。写真では秋の色合いのお花のきんとんだった。

玄関入ってすぐ。
一華院の由来的な禅の言葉らしい。
一華五葉、一つの花が五枚の花弁を開き、やがて自ら実を結ぶように、自分の心の華を開くという教え。禅宗の祖、達磨大師が遺した「伝法偈(でんぽうげ)」の一節より。五枚の花弁とは「ありのままを受け入れる心、純粋な心、分け隔てのない心、人を想う心、全てはお陰様といただける心」


“南庭 朱雀”

御本尊、“白衣観音坐像”へまずはご挨拶するものの、
秒速でお庭へ向かう、ハト。
まずは目に飛び込んできた眺めを。
この松の木が朱雀を表しているのだと。
優雅に空を横切る鳥。
後方の大刈込みは朱雀の背後に聳える山々なのだそう。
欄間の小窓がかわいい
このお庭の本当の名前は“依稀松(いきまつ)の庭”。
 朱雀に見立てている松の木が“依稀松”
作庭は全住職で1981年。と、パンフにあった。


南庭の奥の端っこ
後からわかったのだが、白っぽい3個の石と長細めの石は西庭の続きで、
 対岸に渡った虎と小虎なのだそう
右端にある門のあたりから南庭全体の写真を撮りたいと思った。
上の写真をとった位置から
朱雀がふわりと飛ぶ姿はどこか手塚治虫の火の鳥を思い起こされた。


“西庭 白虎”

西庭も本当の名前がある。“虎靠山(ここうざん)の庭”
石は白い京都産のチャートだそう
2018年作庭ということで、新しいお庭
うまく全体的撮ることができない…
“虎の子渡し”なのだ。
左側の3個の小さい石が小虎、大きい石で組まれたのは親虎
対岸に渡った姿は先に上げた南庭の隅っこの写真
お庭などにはご本人の解説文がある。
雑な撮り方しているので、後に読めないところもあることに気づくがもう遅い


“北庭 玄武”

わあ。
このお庭の名前は“彷彿石(ほうふつせき)の庭”
 蓬莱神仙思想に基づいているとか。
一番奥は「蓬莱島」黒系の石で州浜、表面の植物はフッキソウ。遠くの山並みを表す。
 石は京都産のチャートだそう。
中間は「鶴・亀の島」。
真ん中の3石は青石で鶴である。両側は京都産チャートで亀である
手前は「玄武・亀島」左が頭だそう。
視線を高くして
奥に見えるのは東福寺塔頭同聚院
視線を低くして
ズーーーーム
奥に向かってなだらかに上がっている
縁側?にスマホを置いて
このずっと向こうには霊雲院があるはず。
竹の垣根は特別な名前は無さそう
 生垣の向こうは墓地
黄色っぽい細かい石は意図的に使われているのだな。
区切るための細長い切石が不規則に設置されている…
右端にある手水鉢は鎌倉時代のものだそう。
お庭の中で水源地的な役割らしい
時間が経って、日差しが変わってきた。
先ほどより砂紋がはっきり見える
ほとんど他の拝観者さんと出会わなかった。
静かな時間だけが過ぎていく
北庭へはこんな通路で
お庭をゆっくり見れるように縁側がある。
ハトお気に入りの石。
玄武の頭なのだけど、
単体では水族館で芸をしているオットセイに見えてかわいい
北庭見納めの図


存分に北庭を堪能した、ハトとひばりんさん。
そろそろ移動しましょうかということに。

本堂と北庭の間には廊下のようなところがあって、
そこでは一華院コレクションが展示されていた。
書とか絵とか襖絵など
本堂の床
違棚には北庭の写真
現代風の絵も本堂内に飾られていた。
御朱印帳もこの柄だったような…

01/04追記:絵は“だるま商店”さんによるもの。
 ハトはだるま商店さんのことは初めて知った。
 随心院さんの襖絵“極彩色梅匂小町絵図”←ガイドブックにも出ているピンク色の極彩色の襖絵、その作者さん(ユニットらしいが)だった。


お暇する前に再び南庭を。
重森三玲ではなくても素敵なお庭だ。
ハトは柔らかい感じを受けた。
それにしても朱雀全体を捉えるのは難しい
尻尾いや、尾羽の先。
強風で揺さぶられないようにしているのだろうか
そのもっと幹側は支えがあり。
ズーーーーム
後ろの大刈り込みの赤くなっているところがハートっぽいのは気のせいか?


半鐘。
叩くときに使うハンマーが新しいところがいつも打っている感がある
南庭の手前の端の方
飛石を目線で辿ると奥には低い石橋が。
朱雀ばかり気にしていたから、気づかなかった。


最初の方に登場した写真。
玄関を入れて撮り直したもの。
左の掛け軸にも“心華 照十方”とある
東庭。
龍の頭部
左斜め上への上昇ラインが目につくが、右水平方向に伸びている枝もなかなか。
(朱雀の半分くらいかもだが)
一華院の門、内側から。
獅子口はもちろん、四隅はお花の瓦。
あと、つのみたいに四隅に伸びている瓦は何というのだろうか。
ちなみに、門の正面は撮り忘れた(笑)


一華院、今まで何度も前を通っていたのに、こんなに素敵なところだったなんて。
もっともハトはテーマとして重森三玲のお庭が見いたくて、優先的に回っているから仕方ないのだ。
重森家だけじゃなくても素敵なお庭がたくさんあるのはわかってきたし、
見るだけより、細かいことも調べてみるとより楽しめることもわかってきた。

それでも前知識なしでまずは見たいと思う。
こうしてnoteを書いているときに気になったことを調べることがとても楽しい。
お庭がある寺社そのものだけでなく、お庭にある石や植えられている木にもストーリーがあって、無限に楽しめる。
で、調べたら調べたでまた見たくなってしまうのだ。

超満足のうちに一華院をお暇する、ハト。と、ひばりんさん。
時刻は15:05。
風がやや冷たくなってきているが、お次は龍吟庵だ。

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