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無自覚な行動、それは。

ハトはいつからか、アイスコーヒーなどのグラスの下にペーパーナプキンをコースターのように敷いてしまう。なぜこの行動をしてしまうのか長年謎だった。

ある時、父が全く同じことをしているのを目撃して笑撃を受ける。
永らく発見出来なかったのは、父は常にホットコーヒー派で(昭和の人だから、“ホット”と言う)、氷入りの飲み物を滅多に飲まなかったからだ。
それを発見したのは父が亡くなるほんの1年前の夏だった。

知らぬうちに身に付いている、親と同じ振る舞い。

ペーパーナプキンをコースターのように使うことはマナーとして良いのか悪いのかはわからない。だが、グラスを持ち上げた時テーブルの上がびちゃびちゃしないのは良いと思う。

そんな“センス”さえ、知らないうちに親から学び取っていたのだ。

父は厳しい人だった。
ハト的には怖かった。
子供らしい甘えは許されず、モノゴトをいいかげんにやったり、苦し紛れのウソには鉄拳がとんできた。
HSS型HSP的に集中出来ないでいる時も容赦なかった。

こうして書くとハトが父には対して何か思うところがありそうだが、
そんな時期はお陰様で乗り越えた。

近年になってやっとネガティブなこととセットになっているポジティブなことを発見できるようになったら、
父を一個人として見ることができるようになってきた。

そうすると
ペーパーナプキンのことなどは、
なんだかかわいい感じもしたり、
そんなことが“教え”として自身に根付いていることが微笑ましい感じもする。

だからアイスコーヒーとペーパーナプキンのことだけじゃなく、他の行動もよく観察すると
もっと発見してしまうのかもしれない。

もっとも相手は既にものが言えないから、ハトの言いたい放題なのだ。
「俺の伝えたいことは、そんなことじゃ無い」
と怒っているかもしれない。

お互い一方通行なコミュニケーションだが、
悪くないと思う。


ハトは親と困難な関係だったが、
信じられないくらいたくさんのことを良い面と悪い面とセットで学びとっている。
その教えや振る舞いは自分の人生で通用しないものもたくさんあり、“生きづらさ”なども生み出す。
けれども
困難があってもハトが生き延びていられるところを見ると決して“悪くはない道”だったのだと思う。

そう思えるまでたくさんの時間はかかったな。



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