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成長的マインドセットと教師の関わり

 レッテルというとマイナスイメージをもつ。では「頭が良いというレッテル」とは何か。
 褒めるときには結果でなく過程を褒めるというのは教師の世界のみならず,よく言われていることである。しかし,大人は(私は)意識せずに結果を褒めてしまうことがある。それが絶対にダメということではなく,それだけになってしまってはダメということだ。

 「頭いいね」と褒められた子供は,その「レッテル」がはがされないように難しいことに挑戦しなくなるというのだ。

 確かに,この子ならできると思って挑戦させようとしたが,「できません。」「いや,自信ないです」「私には無理です」等といって断る子供がいる。その時は「もったいない。君ならできるのに」としか思っていなかったが,もしかしたら彼らは「頭が良いというレッテル」がはがされるのを恐れていたのかもしれない。

 このようなことは子供に限ったことではない。大人でも仕事をふられたときに自信のなさから断るケースがあると思う。そんな時に,自分には「頭がよいというレッテル」はないか振り返ってみるのもいいかもしれない。

 過程をもめる以外にも,具体的に褒めるというのも重要になってくる。「最高!」「いいね!」等は具体性に欠け,子供にはほとんど残らないという。

 例えば,「頭が良いね」→「いろいろと方法を試して素晴らしい!」
     「絵が上手ね」→「君の気持が伝わる絵に仕上がったね」 等

 たくさんの情報をすぐに集められる時代。知識豊富な子供たちを「知識の活用」ができる子供たちにするために,答えをみつけることと新たな疑問をもつことの両方ができるオーセンティックな学びを提供できなければならない。

【参考文献】
『マインドセット学級経営-子供の成長を力づける1年にするー』
アニー・ブロック/ヘザー・ハンドレー 著
佐伯葉子 訳
2019年4月25日 発行
株式会社東洋館出版社

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