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日々2(2012年7月11日)
ほんの昼間。
粟津潔氏の展示を観た。
氏のことは本屋で見かけるくらいで、ほぼ無知だったのだが、
かなりぞくぞくした。紙が多かったからだ。
ポスターや映像、写真や下書きがレイアウトされた
かなりカラフルな展示の中で、自分が特に惹かれたのは、
モノクロのスナップ写真だった。
青森の風景も写っていた。黒石だ。何十年前だろう。
ただ、看板の文字がなくても、その地域だとわかっただろうか。
わからなかったと思う。
今も以前も、違いといったら、都会か地方かくらいのことだろう。
空気や気候はもちろん違うものの、
ニュースのトップにするほどの違いなんて、本当はない。
差がほしいのだ。
粟津氏の作品は、日本の空気を大切にしながら、どこか日本を皮肉っているようにも感じた。
「どうしたって、ここは日本だ。いくら格好つけたって、今立っているこの土は、日本だろうが」と。