今年三度目、同じ贋作が、また、持ち込まれた!?

私は、斎藤清の版画を扱っているGALLERYを運営しているが、今年、早々に斎藤清作品の、全く同じ贋作を二度見た事があった。この時、RED CARDを出し、退場させたと思っていたが、この度、又同作品が持ち込まれた。以前、真贋を確かめ、作品NUMBERを控えていた。「只見川 会津柳津(3) 1980 21/80」であった。時を同じく、YAHOO AUCTIONにもこの「21/80」が出品され、贋作との書き込みもあり、騒がれていたし、私に、意見を求める電話等もあった。持ち込んだ人には、その旨を話し、経緯の説明を求めたが、今は、言えないと言う。このまま放置しておくことが出来ないし、私には、noteやBLOGにその顛末を書いて報告する義務がある。AUCTIONとの関連を含めはっきりしたら、出来るだけ速やかに連絡をするよう求めたのが7月23日のことだった。
前回の出所は南東北と北東北、今回は東北の中心部である。氷山の一角かも知れないし、今や東北全体に及んでいると考えられる。全国に波及する恐れがあるし、もう既に、皆さんのCOLLECTIONの中に潜んでいるかもしれない。皆で注意を喚起しあい、断じて、贋作を横行させてはならない。今回、私が、贋作と断じると、直ちにAUCTION SITEから、作品の掲載を取り止めたのは、言うまでもない。

今回の事件のあらましを聞いたCOLLECTORの一人が、「今だに、贋作が出るということは、斎藤清の作品の価値があり、人気もあるということですね。」と宣った。慰めにもなりはしないし、不愉快になった。例えにするには、適当でないと思うが、偽札が横行することにより、悪貨が良貨を駆逐し、社会不安を引き起こし、計り知れない影響をおよぼすことだろう。贋作が出回れば、作品の価値が損なわれ、ひいては信用されなくなり、絵画市場から、消えてしまうことにもなる。一部の人を除いて、喜ぶ人は誰もいない。最早、斎藤清の作品は、骨董の世界に入り込んでいるのが現状かもしれない。骨董の世界では、納品側が自己責任を負うのは当たり前のはずだが、どちらかというとそのへんが曖昧になり、購入側に自己責任を負わせるのは、如何なものだろうか。

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