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noteを更新しようとするけど岸田奈美さんを読んでしまって全然進まない話

最近すごく楽しい出張に行ってきたので、今日はその話を書くぞ〜!と息込んでいます。

と思い始めて、はや6時間。

全然書いてない。

出張の時の写真を眺めて(選んでもない)、全然進んでない。


それもこれも岸田奈美さんの書く記事が面白いせいなんです。

今日はこちらを読んでて、吹いてしまった。

天井から汚水て!!!
そんな漫画みたいな話、ある?
なんで岸田さんの人生は、文章は、こんなに面白いんやろう。

悔しいので、岸田さんの「面白さの理由探し」をしてみます。

その前に、なぜ岸田さんなのか。


「学ぶ」ことは「真似る」ことから始まる


私はなんでもまず、上手な人の真似をするのが好きです。

学生時代は、ビジネスコンテストという自分の起業プランをプレゼンする場で優勝するために、「プレゼン 感動」で調べて出てきた、 e-Education の三輪さんのプレゼンに感動して、そして同時になんでこんな上手いんやーと悔しくて、構成などをめっちゃ真似させてもらいました。

そして優勝して無事に賞金もらいました。三輪さん、このプレゼンを世に出してくれた主催のカタパルトさん、本当にありがとうございます。

アツくて素敵なプレゼンなので、興味のある方、ぜひ見てみてください。

お次は起業したての頃、マザーハウスの山口絵里子さんの「裸でも生きる」という著書を食い入るように読んでました。

ちょうど本を書いたときの山口さんと同じ、25歳の時に読んだこともあって、今から自分がやっていくことを頑張って真似できる部分がないか、本から抜き出したり、講演会に行って質問したりしていました。

いろんなラッキーが重なって、マザーハウス副社長の山﨑さんに起業後1年目くらいの時に事業の相談に行って、「服は好き嫌いもあるし、難しいだろうからやめたら?」(実際はもう少し丁寧だったと思われますが、私の記憶ではこれくらいバッサリと)言われて悔しくなって、今も服を作ってます。

山﨑さん、あの時はバッサリ言ってくださってありがとうございます。

そんなこんなで、
真似することで成功体験を積んできた、だて。

もう少し細かくいうと、
真似したいと思うくらい情熱的に何かに取り組んでいる人を見つけて、その凄さに悔しくなって、まずは真似してみるところから始めてきました。

これまで一度も就職したことがないので、上司や仕事の先輩がいたことが人生で一度もなく、真似する対象は常に違う業種や違う地位にいる人ばかり。

いつも、すごいなと思う感情と、悔しいなと思う感情が入り混じって、感情の起伏が忙しい、そんな20代でした。


話を岸田さんに戻します。

岸田奈美さんは、『もうあかんわ日記』はじめ、ご家族の話を中心にしたエッセイで有名な方。

何かのきっかけで「もうあかんわ日記」を知り、その文章が最高によくって、私の中ですっかり、noteの文章が上手い人=岸田奈美さん=真似したい、という単細胞な式が完成しています。

ここで一つ名言を。

能で有名な「観阿弥」(かんあみ)、世阿弥(ぜあみ)親子のことを書いた白洲さんの文章を見つけて、私は小躍りしました。

「世阿弥を育てたのは、まったくこの物真似の精神に他なりません。独創ばやりの世の中では、真似とか模倣とかいうことは、えらく落ちぶれてしまいましたが、本来それは学ぶから出た言葉で、まなぶ、まねる、まね、という風に変わって行ったと聞きます。だから、「物学」という字を当てて、ものまねと読ませているのですが、近頃、独創がしきりに叫ばれているのも、本気で学ぶ気持を失った為か、と勘ぐれないこともありません。(中略)
模倣も極まれば独創を生むことを、身をもって示す結果となりました。 

『世阿弥―花と幽玄の世界』(白洲正子 講談社)

模倣から独創は生まれ、、るはず!!!

今一番真似したい文章を書いている人、それが岸田さんだった。


面白いと思った理由を探そう

岸田さんの文章は、まず、人を傷つけない・不快にさせない。

例えば、このケーキ屋知りませんか?と声をかけてくる人たちについても、

急にそんな話がはじまったので、これはなんか売られる!と思って身構えたら、普通にためになる話だった!!!!!!!!!!

岸田奈美「歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた」より


いやまぁそうだとしても!!!
と思わず突っ込んでしまいました。

次に、テンポが良い。

100文字で済むことを2000文字で書く。

岸田奈美さんのnoteの自己紹介文

と書いてある通り、1つの物事についてすんごい丁寧に、いろんな言葉やギャグを、時折ラップのように韻を踏みながら巧みに操っていて、笑ったり泣いたりしながら読めます。

いつか、どういう調子で文章を考えているのか聞いてみたいです。

面白い要素は、まだまだあります。

みんな心のどこかで一度は思ったり感じたりしたことがあることが丁寧に書かれている、
なんだか気持ちが救われたような気がして心地いい、
気づいたら笑ったり泣いたりこっちまで励まされる、、
うんぬんかんぬん。

そうなんです、
一度も岸田奈美さんに会ったことないのに、なんか隣に座って、「私こんな人生なんですけど、あなたはどんな感じ?大丈夫?」って声をかけてもらってるような感じでずっと読めるんです。

書いてる人の顔が見えて、しかもその人がめちゃくちゃ人間らしくて、目の前のことをちょっとよくしようとしてる、ってこんないいものなのか〜と思わせてくれます。
(岸田さんがそういう意図で書いてらっしゃるかはわかんないです。あくまで一個人の感想とちょっと乱暴な見解です。)


よりよく、とは

イトバナシのミッションとして、「顔が見えるものづくり」を掲げています。
服作るなら糸の生産者さんに会いにいくし、チョコ作るならカカオ豆から作っているのはそういう背景からなんですが、
最近は「あるものをよりよく使う」という言葉もスローガンのように大事にしています。

”よりよく”というのが味噌なんですね。

ものや情報が溢れる今の世の中で、「よい」状態はすでに溢れています。
特に日本では、住みよい環境、着やすい服、買いやすい物、などにすぐにアクセスできます。

SDGsも叫ばれる昨今、環境にいいもの、人権に配慮したもの、も多くなっています。

ただ、よりよくって結構難しい。

まず今の状態を"よい"として素直に受け止める姿勢も必要なのと同時に、それでももう少しこうしたら”よりよい”かも、ってポジティブに次の状態を考えていくことってなかなかできないですよね。

だから、スローガンにして、何度も何度も反芻しているのかもしれません。

面白いと思った理由を探りながら、それを真似して学んで、自分も会社も関わる人も、"よりよく"なっていったらいいなと思います。


よーし、次こそは出張の話を書くぞ。



岸田奈美さんについて初めて知ってくださった方はとりあえず、【無料】よく読まれる記事をぜひ読んでみてください。


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