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父のためと思った退職祝いが、自分のためだった話

明けましておめでとうございます。
2025年が始まりましたね。

私はインドで去年も一昨年も年越していたので、3年ぶりの日本での年越しだったのですが、クリスマスくらいからソワソワしていました。

日本の年越しってなんかそんな雰囲気ありますよね。
みんなが浮き足立つような…でもそれも嫌いじゃないみたいな。

しかし私のソワソワはそれだけじゃなかった。
実は父がですね、去年の夏頃に

「今年いっぱいで会社やめようと思うねん」

と、結構突然(実家でお酒飲んでた時かな)言ってきたんです。

父・伊達博彦、56歳、くいだおれ人形感がある。
やっぱり似てる。

私の父はよく
「アパレル会社のスタッフさん?」
「わかった、お笑い芸人さんや!」
と言われるほど、洋服が好きで社交的。

しかし意外にも、
大手企業に高卒で就職し、会社一筋。

そしてなんと、今年で勤続38年!
(これは大卒の人が定年まで働いた年数と同じ)

そんな真面目な一面も持つ父が突如、会社を早期退職するというのです。

「これは盛大に祝わないと!!!!」

カラオケで肩組むタイプの家族

私の実家では誕生日や就職などライフイベントを祝うタイプで、子供の頃から家族にお祝いしてもらった記憶がたくさんあります。幸せ者です。

しかし、父のライフイベントが誕生日と父の日くらいしかなく、しかもそれも毎年のことなので年々手抜きに…

そんな背景もあり、退職を告げられた時には、祝いたいスイッチがONに。

そこから時々、思い出しては「父 早期退職 祝い」と調べるのですが、 ”名前入りの日本酒” ”家族の飲み会にぴったりな個室居酒屋”など、出てきてもどれもしっくりこない。

それもそのはず。

父は人のおもてなしとホスピタリティがとても好きで、行列のできる人気店に朝から並んで手土産を買いに行ったり、おもてなしの素敵なお店の常連だったり、、

そんな父に合うお店を探す方が難しい!
会社の方もたくさん送別会をしてくださってるみたいだし、、

と気づいたらすっかり12月に。

そこで私のブレイン、杉川さんを召喚しました。

私の夫で、イトバナシ副代表の杉川さん。料理がめっちゃ得意!


「父の退職祝いのお店やプレゼント選びが難しい。どうしよ?」

「お父さんなぁ〜。みんなの得意なことで、思い出をプレゼントするのがいいんじゃない?」

思い出をプレゼント!!!

その手があった!
というわけで、参加者である家族の得意を活かす作戦に切り替え。

料理の得意な夫と母、プレゼント選びにセンスのある弟1、お笑い担当の弟2、、、

家族で居酒屋や!!!

居酒屋らしさとは考えた結果、看板とおすすめメニュー手書き

目的が決まると早く、杉川さんと仕事用のSlackで連絡を取り合い、
Airbnbで料理のできる宿を探し、
杉川さんは居酒屋メニュー、私は当日の進行と居酒屋の装飾準備と数日であっという間に準備完了。

無事に当日を迎えました。

Tシャツはペンキで前日深夜に書き上げました
開店前の、声出し練習中の母と弟2
居酒屋伊達家開店!「お世話になりまーす」と入ってきた父
弟1は久保田の萬寿という貴重なお酒をプレゼント!さすが
気づいたらみんな「大将!」と呼んでいた夫
メニューはそんな大将のデザイン
弟2は(大将の指導のもと)得意料理をプレゼント
母からは手作りおでん(途中から注文してないのに、これも食べて!と無限に出てきた)
すっかり居酒屋でした
無事にメッセージと花束も贈呈!飲みすぎた父の目がうつろに…
居酒屋終了後の会場…閉店後の飲食店で寝てるおじさんだ!!!これぞ居酒屋。


父が居酒屋中ずっと
「これはほんまに最高の思い出や〜」
「人に自慢したい!」
と言っていて、

思い出作りの目的を達成して、にんまり。
次の日も思い出して、ニヤニヤ。
次の次の日に、杉川さんと振り返り。

テーマ「なぜこんなにも楽しかったのか?」

楽しかった理由には、結構いろんなヒントが詰まっています。

例えば、まず「思い出をプレゼントする」ことに目的を置いたのが良かった。家族それぞれの得意を活かすという道順も見えて、宿泊できる場所での手作り料理やメッセージなど、会社の送別会との差別化も良かったのかも。

と色々考えた結果、
でも結局は…

お金じゃない利益がやりがいになってる
ことに気づきました。

そしてこれは普段の仕事でも同じで、社員もいる会社なので続けていくための数字の利益はもちろん考えますが、特に私はそうじゃないもののために働いているのかもと。

平たくいうと「関わるすべての人が、関わる前よりも豊かになること」にやりがいを感じます。

イトバナシで目指す「豊かさ」とは経済の指標、だけじゃなく、暮らしの中に思い出してニンマリするような幸せな瞬間が増えること、や、会いたいな行きたいなと思える場所が増えること、なども含んでいます。

お客様もスタッフも、イトバナシに関わってくれたことで、前より少し幸せだと本人が感じる瞬間が増えている、ことを目指しているんだと。

それができれば、それぞれの得意や好きなことが生かされた状態の上で成り立っていれば、なお良いな。

そんなことに気づけた、父の退職祝い企画となりました。

「自分は何のために働いているのか」という問いに対する自分なりの答え、というお金じゃない利益が自分のところにもやってきました。

いろんなことに気づけた居酒屋企画!
楽しかったので、またやりたいなぁと思っています。

それではみなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。

ちなみに、無職の父はこれからもしかしたら雑貨屋さんを始めるかもとのことで、そちらもお楽しみに!

今回お世話になったAirbnbの宿
https://www.airbnb.jp/rooms/16782208?source_impression_id=p3_1736044607_P3ezRh6TwNjUBsE2


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