エンジニア採用がうまくいかない会社の3つの特徴
「エンジニアがなかなか採用できない!」
「求めている像のエンジニアからの応募が全然来ない!」
そう嘆いている経営者や人事の方は多くいるでしょう。
2020年は私たちの生活様式や就業スタイルなど、色々な側面において変化がありました。
しかし、2020年もそして2021年もエンジニア採用という文脈においては、最新の転職マーケットにおける転職有効倍率が7.29倍となるなど、企業側の採用ニーズが増加傾向にある事に変化はありません。
さて、こちらの記事が初めてのnoteになるので簡単に自己紹介をさせてください。
私は、ワミィ株式会社というエンジニア採用に特化した採用コンサルティングの会社で代表をしています。会社は現在4期目になり、様々な企業のエンジニア採用を支援してきた中で、採用できる会社とできない会社の特徴があることが分かりました。
今日は、エンジニア採用業務という観点からみたときの「エンジニア採用がうまくいかない会社の3つの特徴」を書いていきます。
エンジニア採用がうまくいかない会社の3つの特徴
1.エンジニアが採用プロセスに関与していない
2.雇用の入口がフルタイムの正社員しかない
3.技術アウトプットができていない
番外編:そもそも採用業務の凡事徹底ができていない
1.エンジニアが採用プロセスに関与していない
先日こんなツイートをみかけました。技術に明るくない人事がエンジニアと相談せず採用を行うと大事故が起こるというツイートに対して沢山のいいねやリツイートがされています。
私の知る限り、多くの企業ではエンジニア職の採用であっても、人事部門が求人票を書いたり、採用全体のオペレーション設計や運用、エージェント対応など採用の仕事の大部分を担っています。
面接についても一次面接など前半部分の面接は人事のみで行い、最終面接の段階でエンジニア部門の責任者に「最後やってください」とお願いすることはよく見られる光景です。
「採用プロセスの中で、技術スキルや過去の技術的な課題解決についての評価 / 見極めが行われることがない企業をエンジニアは否定的に捉える」というのはエンジニア採用の業務フローを設計する上で、もっとも考慮しなくてはならない重要なポイントです。
それが考慮されていないということは、例えばコミュニケーション能力など、技術力とは無関係な部分で採用の判断を行っているということであり、入社後もエンジニア自身の仕事を正しく評価してもらえない可能性が高いとみなされてしまいます。
エンジニアやエンジニアの責任者が採用プロセスに関与した方が良かったり、カジュアル面談や一次面接を人事だけでやって足切りすることを控えたほうがいいのは、この理由からです。
もちろん、技術力があればコミュニケーション能力が低くて良い、ということではありませんが、コミュニケーション能力だけの評価になると、表面上のインタフェースが良いことがだけが重要となり、深い思考力があるか、それを正確に他者に伝えられるか、など開発文脈でのコミュニケーション能力を重視した評価をすることができない・・・という風にエンジニアには捉えられてしまうでしょう。
2.雇用の入口がフルタイムの正社員しかない
昨年、Yahoo!が「ギグパートナー」と称し副業人材の募集をはじめたニュースは大きな反響がありました。
現在では、テクノロジースペシャリストをはじめとしたいくつかの募集を継続しているようです。
全体的な傾向としても、フリーランスや副業人材の人口が増加していたり、地方人材の積極的な活用も進んでいます。
しかしながら、企業の大小や有名無名を問わずエンジニア採用に苦戦している企業は、雇用の入口を正社員かつフルタイムしか想定していないので、「いまは他社で働いているけど実は優秀かもしれない副業エンジニア」や「ゆくゆくは正社員としてジョインしてくれる可能性があるかもしれないフリーランス人材」の獲得のチャンスを逃している事があります。
最近の事例でも、最初は副業で縁のあったエンジニアが最終的には正社員として入社したり、技術顧問として月一回だけ関わりがあったエンジニアがCTOに就任したりという事はあり、当初はパートタイムでの参画→正規雇用という流れは優秀な人材獲得のための重要ルートのひとつになっています。
長期的なスパンで自社の採用を考えたときに、最初の関わり方を柔軟にする事によって優秀なエンジニアに参画してもらえる事はあるので、雇用形態をフレキシブルに、間口を広げて考えてみるのが良さそうです。
3.技術アウトプットができていない
90年代後半以降インターネットビジネスが発展し始めてから、エンジニアという職種自体がまだ歴史が浅く、目指すべきキャリアの定義やロールモデルがあまり明確ではない中で、テクノロジーのトレンドは日々変化しています。
もしかしたら5年前に最新とされていたソフトウェアの開発手法やテストのやり方、プログラミング言語、フレームワークなどが今日現在では陳腐化されていることもあるかもしれません。
20年でソフトウェア開発の景色はどのぐらい変わったのか?については下記の記事が参考になりますので是非見てください。
そんなめまぐるしい市況の中で、エンジニア自身がさらに高みを目指すには、どの環境に身を置くか(=どの会社に所属するか)はもっとも重視すべき事柄のひとつです。
「採用されている技術スタックの情報」「開発手法はどんなものが取り入れられているか」「CTOの経歴や考え方は?」など、入社前に知っておきたい情報は多くあります。
そのような「技術に関する情報のアウトプット」がないと、そもそも自社が欲しいと思っているエンジニア層には届かなく、採用には到底至らないでしょう。
こちらにまとめられている通り、多くの企業ではテックブログを運用し、技術面での自社の魅力の発信につとめています。
メルカリのように個別にページを作成して、技術スタックを公開する取り組みもあります。
テックブログ以外でも、例えば下記のような技術アウトプットをする事によって、採用活動の一翼を担うだけでなく、自社のエンジニアの発信力の強化にも繋がっていきます。
・QiitaやGitHubの公開
・アドベントカレンダーの実施
・YouTubeなどの動画配信
・ウェビナーの主催
・採用ピッチ資料の公開
番外編:そもそも採用業務の凡事徹底ができていない
3つの特徴と書きましたが番外編です!
数年前から「Twitter採用」という言葉をよく耳にするようになり、企業の人事や採用関連の仕事をしている方々が実名でTwitterで発信する場面が増えたように思います。
採用担当者やCTOがSNSで広報活動をしていたり、イベントで登壇していたり、採用の仕事=キラキラしている仕事のイメージがあるかもしれませんが、実は採用業務でいちばんキモなのは「オペレーションを止めない」という所なのではないかと思っています。
以前自分のTwitterにこんな事を書きました。
採用が上手く言っている会社は「書類選考のジャッジが激早」
ここでは例として書類選考に関わるスピードについて書きましたが、初速は本当に重要です。
他にも、候補者との日程調整や面接結果の戻しが滞留していないか、エージェントへの連絡はこまめにできているか等、外には見えづらいけれども止めてはならない採用オペレーションができてないと、いくらテックブログで発信したり、採用フローにエンジニアを巻き込んだとしても、エンジニア採用以前にそもそもスムーズな採用活動はできないでしょう。
難易度の高いエンジニア採用を成功させるには、これだけやってればいいというような法則や魔法の杖はありません。全社をあげての総力戦で、採用戦略を考えたり、オペレーションを回したり、広報したり、全方位での実行が必要となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
エンジニア×人事×テクノロジーの文脈でTwitterもやっています
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