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ネガティブ腐女子ワーホリ~ワーホリとの出会い~

その日私は十年振りに中学時代の同級生と会っていた。

「いとなちゃんってワーホリとか行ってそうだよね!」

間違いなく、この瞬間人生の転機が訪れたと何年も経った今でも思う。

その友人に会ったきっかけは、電車の中での十年振りの再会がきっかけで、「今度ご飯行こうよ!」なんて在り来たりな約束を交わした。
半月後に約束通り私達は地元のファミレスでお互いの近状やこの十年なにをしていたかをひたすら語った。
当時私は同人活動に励んでいたが、もちろんその子には伏せていた。なんなら私が腐女子であることも彼女は知らない。

そんな時、ふとした友人からの一言に私はまず頭に?を浮かべた。

「え?なにワーホリって?」
「なんかあるじゃん。若い人だけ行けるビザが出ててさあ~知ってる?」
「えーまじかあ。そんなのあるんだ。知らなかった」

多分そんなやり取りのあと、私はすぐにGoogleの検索を開いた。

『ワーホリ』

すると出てくる出てくる。溢れんばかりの色んな情報。

・31歳まで使える制度
・対象の国に一年間滞在出来る
・滞在中は仕事も出来るし、語学学校にも行くことが出来る

ざっくりとそんな情報を拾い集めた私の最初の感想は「ふうん。いいじゃん!」だった。

元々海外には行ってみたいと思っていたし、英語にも興味があった。
そんな私にぴったりじゃないか。こんな素晴らしい制度の存在どうして知らなかったのだろう?世界は広いし、いろんな情報は知っておくべきだなと思った瞬間でもあった。

へえ、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドもある。あ、イギリスとか最高じゃん。

次々とネットに溢れる情報に心惹かれるのに時間はかからなかった。

友人とのワーホリの話はすぐに違う話に移り変わっていったが、その日を境に私はワーホリのことが頭から離れなくなった。

当時の私は転職したいと考えていた。人間関係は悪くなかったが、このまま今の仕事をずっと続けられるかと考えた時に「嫌だな」とずっと思っていた。
そんな私にとってワーキングホリデーという制度は強く刺さった。

憧れの海外に一年滞在出来るし、語学学校で英語も学べる。帰って来たら英語はペラペラになっているだろうから英語関係の仕事に就けばいい。
安易な考えからの妄想は膨らむばかりで、SNSに載っているキラキラしたワーホリ情報を一晩中眺めていた。

行きたいな。そんな思いは確実に大きくなりまだ見ぬ世界に胸を膨らませていた。

そしてその勢いのまま私はエージェントを探し始めた。
夢のようなビザ、ワーキングホリデーには一体幾らかかるのだろうか?
何事にもまずは聞いてみないと分からない。
ネットで色々調べた結果2つのエージェントに相談することにしてみた。

まだ行くかも決めてないワーホリに胸を躍らせエージェントのカウンセリングに向かった私はワーホリに行く為にどれだけお金がかかるのかの現実に直面することになる。

次回、ネガティブ腐女子ワーホリの現実を知る。

いとな

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