田舎の小さな鉄工所が日本最大級の異業種交流展示会のブースにプロレスのリングを置いちゃった話
まず初めに二番目に書いた記事「プロレスのリングを作る話」が本日の注目記事に選んでいただいてありがたい事に沢山の方にみていただけててありがたい話です。
てなことでそれはそれで置いといて、本日は昨年の秋に開催された日本最大級の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2023」というイベントにて自社ブースにプロレスのリングを置かせていただいて界隈をざわめかせました(笑)
そこに至った過程やらを書いてみようと思います。
あっさりお断りからの心変わり
昨年の5月くらいに津島市の商工会議所から連絡があり
商「秋にメッセナゴヤという異業種交流展示会をポートメッセなごやでやるんですが津島市の枠でキャンセルが出てしまったので伊藤製罐さん出ていただけませんか?!」
ワイ「え?うち別に展示会出すような商品ありませんよ!なんで他当たってくださーい!」
そんな感じで軽く断っちゃいました(笑)
しかしその直後にワールド女子プロレスディアナさんへのリングの納品があったりでプロレスのリング製作熱が高まっていたところだったので、ふと
「ああ、前断っちゃったけどああいう真面目な大規模展示会みたいなところにプロレスのリング置けたら面白いよなあ。でも規制も厳しそうだし無理かなあ。いや、ダメ元で聞いてみるか?!」っと考えまして。
思ったら即行動!
ワイ「あのー、以前断ったと思うんですが枠ってまだ空いてます?!」
商「空いてますよー!!」
ワイ「あの、、、言いにくいんですがプロレスのリングって置くことっで出来ます?!自社製品で、試合したりはもちろんしないのでもし置けるんだったら出てみてもいいかなあって」(上から目線気味すんまへん笑)
商「わかりました、確認してみます」
数日後、、
商「基本的には大丈夫ですが、寸法やら写真やらの情報は欲しいのでその提出物を見ての判断だそうです」
ワイ「わかりました、すぐに用意します。」
ということで、写真と図面を提出。
しばらくして本部から正式な許可がおりましてメッセナゴヤへの参加が決まりました。
展示会ならではの規制との闘い
さて決まったのですが実際にそのリングを現状で保持しているわけではないので1から作るという事なのですがなんせ展示会でのスペースは「3mX3m」
これはスペースの最大値なのでこういう展示会の鉄則でスペースからのはみだしは絶対NGなのでそれより小さくしなくてはいけない。
それはリング上の外寸ではなくコーナーポストの土台分も含まなくてはいけないのでそうなるとリング上の外寸がどう見積もっても2.7m以下でないといけない。
となると、実質的なスペースになるロープ内寸法は1.8mくらいになるのでこれは展示会用で試合はしないとはいえそもそも展示物として成り立つのか?まずはそこが心配でした。
※通常のリングは6m×6mで弊社最小製作実績はサイズは4m×4m。
ただ、完成すればおそらく「世界で一番小さいプロレスのリング!」と謡えるかなということでまあ四の五の考えずにやってみるか!の精神で図面をミニリング用に寸法計算しなおしました。これは以前のnoteにも書きましたがリング製作を完全に弊社のオリジナルスタイルに落とし込んであるので基本的な構造物の作り方は全く同じ(コーナーポスト4本とセンターパイプ、外枠のセンターにある4本のパイプ)で橋渡しする角パイプ系の鉄骨の寸法だけ調整すればどのサイズにも対応できるようにしてあるので計算自体は楽でしたが数字を出してみるとやはり思った以上に小さい(笑)
でも行くっきゃない!(結局こればっかりなやつ)
っということで制作開始。
既に何台も作ってるので作業自体は手慣れたもので順調に進み、その間にロープ、リングマット、ウレタン、木材の手配などもかけまして案外順調にことが進んで無事に完成。
ロープ他の手配かけてたものはギリギリながら届いたので搬入日前日に弊社で念のためのお試し組み立てをしてみたらここで事件が発生してしまうのです。
ロープの長さが!!からの奇跡の綱渡り対応
いつも通り組み立て、木を乗せ、ウレタンを敷き、マットを張る。そして最後にロープを張って完成!っというところで、、あれ?ロープがめっちゃダランとする!
これも以前のnoteにも書きましたが一番最初にリングを作った際にも発生した事案なのですがその際は完全にこちらの計算ミスでの発注での不手際だったのですが、それ以降はそのミスが無いように計算もしっかり確認を何度もしてから発注してるので間違える事あるかな?と思いながらすぐに発注書を確認。
やっぱり計算間違ってないぞ!っとなり納品書を見てみると、、発注した寸法より長いものになってた!
すぐに業者さんに電話して事情を話して謝罪は受けたもののさすがに翌日にすぐ交換品をというわけにはいかず、補修するにも業者さんが大阪の会社なので即座に動けずでこれは大ピンチだ、、っと途方にくれてた際にその業者さんから再び電話。
名古屋の方で対応してくれる会社さんを探しましたので申し訳ないですがそこに持って行ってもらいませんか?!っとなったのですがその日はもう営業終了で遅くて持っていけなかったので搬入日当日朝一に持っていくことになりました。
ただその時点で補修にどれくらい時間がかかるか、そもそも補修がしっかり出来るものなのかは答えてもらえてなかったので本当に搬入日内に設置完了まで至れるのか、、不安は多大にありましたが、場所を調べてみたら奇跡的にポートメッセの近くだったのでこれならギリギリまでの待つ対応は出来る!っとなったので色んな想定を考えて工程を組みました。
段取りとしてはロープを使うのは組み立ての最終段階なのでそれも不幸中の幸いでした。
迎えた搬入日
朝一で全てを乗せたトラックで名古屋市港区のロープ屋さんに向かう。
当然初対面でしたがなんか雰囲気も良さげで無理難題ではあるけどなんとか早めにできるように頑張ってみますと言われたのでロープを託してポートメッセなごやへ。
いざスペースをみてみるとやはり狭い!けど無事に搬入をすませて、実際に組み立てを開始してみたらなんとかなりそうな感じ。
プロレスラーの方々にもお手伝いに来てもらい順調にこなしてたら思ったよりも全然早い時間帯にロープ屋さんから「出来ました!」との電話!
すぐに別動隊に引き取りに行ってもらい1時間後には到着したのですぐに張ってみたら見事にジャストサイズ!!!このロープ屋さんの対応も立地も両方が良かったおかげでなんとか無事に搬入日内に全ての準備が整うことが出来ました!!!
リングは生き物なので合わせてみないと何が起こるかわからないというのは過去の経験からの沁みついている教訓なのですがさすがに慣れてきて大ごとはおこらないだろうという驕りが少しあったかもしれません。発注先のミスというのは完全に想定外でいたがそれを含めてもっと余裕を持った確認を出来るように製作するっというのが改めての教訓となりましたね。
この綱渡りはほんとに心臓に悪かったです(笑)
”お客さん自ら”足を止めてもらう大切さをミニリングから学ぶ
ということで迎えた3日間ある展示会の初日。
周りを見渡せたお隣は三井住友海上さんに東京海上さん、裏は名鉄協商さんなど有名な企業さんに囲まれて大人数体制でいわゆるよく見る正当な展示会な雰囲気が漂う中、ワタクシとお手伝いさん2人で臨む弊社のリングがあるブースはまあそれはそれは異質な空間。
しかし反応は上々で初日の展示会開始前から出展者の方々からも熱視線、そして声を何人かに掛けられて撮影をして名刺交換していました。
展示会出展は初めてだったんですがまず決めてたことがあって、この展示会のためにクリアファイルや付箋、ボールペンなどのノベルティーと3つ折りのパンフレットを作ったんですがこういう展示会でよくある「無差別に配る」っということはしない事。数撃てばの精神も否定はしませんがなんか個人的にはそれじゃあなという風に思ってるので声がけで止まってもらってリングや弊社に興味を示してくれた人にのみノベルティーを渡して話を聞いてもらおうってことを心がけました。
そして本番が始まりました。
目論見通り、リングはめっちゃ目を引いて開始早々色んな方が興味津々に近づいてきてくれました。
「リングは触り放題、ゴングも鳴らし放題、なんならリングにのぼって撮影してってください!」を謳い文句に足を止めてくださるくださる。
プロレスに興味ある人は1割もいない程度。しかしこの空間に異質なものがあるという事でプロレス関係なく面白そうな会社だという事でこれだけの方々が足を止めてくださるという事、自分の好きなものでこれだけの興味が引けてると確証できたのは嬉しかったですね。
自分がお客さんだったらどう思うかもよく考えて、足も止めてないのにむりやりこられたら逆に話聞きたくなくなっちゃうなというおもいが強いという事もあって、たとえどんだけ凄いものをアピールしようともやっぱりこちらが無理やり足止めする感じにしては言葉の1割も響かないけど、お客様側から自ら足止めてくださる方なら最低限5割くらいは響いてくれるだろうし、闇雲のやるよりお互いが嫌な思いもしないウインウインになれるかなという勝手な推測をして臨みましたが、足止め効果にこれほど目を引くものはないなと。
そこにプロレスに興味あるなしはあまり関係なかったので推測からから確証変わるのに時間はさほどいらなかったですね。
ミニリングから色んな事を学べました。
もはやビッグリングですよ、これは(笑)
思わぬ追撃効果を発揮した誤字脱字クリアファイル
ここでリング以外にも効果を発揮したのがオリジナルのクリアファイル。
前面は名古屋のレトロ画家の安楽先生に描いていただいた弊社の看板絵。
愛知をアピールするために金のしゃちほこに溶接をしてるメイン画に津島市の名物である神社やまきわら船、藤や山車などを描いてもらった評判が高い絵です。
そして裏面は敢えてめちゃくちゃ文字をぎゅんぎゅんに詰めた感じの弊社の紹介文にしました。どうせ半端に書いても読んでももらえないのがノベルティーの悲しさ。なので半端はやめて前面との対照性を出すために文字で埋めたんですが、狙ったわけもなくガチでなのですが1000枚発注したにもかかわらずこの長文の中に誤字脱字が2つあったのです。
それを発見した時のポストhttps://x.com/110seikan/status/1715339523088138695?s=19
しかし1000枚刷った後。
時間もなくやり直しするには厳しい。
っと、いう事で逆に自虐ネタにしてしまおう!!!となり
➀リングで足止め。撮影やお触りを促す
↓
②機を見てパンフレット入りクリアファイルを渡す
↓
③表の絵を自慢してから裏の文を見せる
↓
④読みたくないですよねこんなの~っと自虐
↓
⑤でもこれ1000枚刷ったのに誤植が2か所あるんです~っとアピる
↓
⑥読んでもらいながら会社アピール(実はプロレスの会社じゃなくて溶接の~)
↓
⑦見つけた方には正解賞としてボールペンと付箋をプレゼント
↓
⑧名刺でも交換しますか?!で名刺や情報を交換。
この方法が確立されました(笑)
自虐を入れることでなごんで話を聞いてくれる率が一気に高まったと思います。1組当たりに使う時間はかかるけど無差別攻撃より的確で自分のスタイル的にも合っててとても良かったです。
リングが繋いでくれた縁。そして今年も、、
そして開催3日間、とにかくひっきりなしで対応し続けたので最終日の午後とかはこんな感じになってました。
最終的には効率悪いやり方にも関わらず300枚以上の名刺をいただけて話もたくさんで聞いていただけたので出展した甲斐はあったんじゃないでしょうか?!
それからしばらくはひっきり無しに電話かかってきたりで大変でしたがこれがきっかけで今も交流持ててる会社さんもおります。
まさにリングが繋いでくれた縁です(笑)
そして今年2024年も迷いに迷いましたが出展する事となっております。
当然リングも設置します!!!
2024年10月30から11月1日までの3日間。
ポートメッセなごやでのメッセナゴヤ2024。
初めての5000字超えになっちゃいましたがこれを読んで興味が湧きましたら是非お越しください!よろしくお願いいたします!
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