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糸と魚と川vol.15・開催レポート①/初の3日連続開催!防災を体験し学び考える

糸と魚と川 vol.15は、初めて3日間の連続開催を実施しました。
24年1月元旦に発災した能登沖地震、震源地から近い糸魚川市も津波被害などがあり住民が避難しました。改めて震災の恐ろしさを感じた、いまこそ考える必要がある「いざ、そのときになったらどうするのか?」を参加者のみなさんと一緒に体験し、考えていきました。


vol.15のテーマは「防災」

副題に「その時、どうする? 糸魚川 防災スタディケーション」として、災害発生時には何をするのか?避難所での生活になったときどうやって衣食住をどう確保するのか?などを体験したり、実際の被災者や支援者の方からのリアルなお話を聞きました。
糸魚川市民との交流、ワーケーション体験、そして「わが家の防災対策」をワークショップ形式で考えていきます。災害の多い日本に住む私たち、改めて防災を見直すきっかけになった有意義な3日間でした。

3日間のスケジュールと概要

本イベントは、以下のようなスケジュールで行われました。

  • 1日目 3月21日(木)
    第一部:避難先で衣食住をどうする!?
    第二部:関係者が語る被災のリアル

  • 2日目 3月22日(金)
    市民交流会

  • 3日目 3月23日(土)
    私/家族の防災対策

初日・第一部/避難先で衣食住をどうする!?

初日の第一部は、実際に糸魚川市内の避難所指定されている場所の一つ、クラブハウス美山で、参加者のみなさん自身を、そこに避難してきた被災者と見立て、仮に被災したときに衣食住をどう確保するか?をテーマに体験を行いました。まずは食の体験。水を確保し、濾過、湯沸かしして持参したカップラーメンを食べようと試みます。

まずは湧水地で水を汲む

会場となったのは糸魚川市のクラブハウス美山というワーケション施設。1月1日には実際に多くの市民が避難してきた場所でもあります。施設の近くには湧水地があるので、そこまでみんなで水を汲みに向かいます。

この年は雪が少なく、開催された3月21日は例年と比較して糸魚川市内に雪は残っていませんでした。会場となったクラブハウス美山は、市内よりも小高い山方面にある場所でしたが、市内と同じく残雪はありません。しかし、この日はイベントが始まると突然雪がふり始めました!気温も下がってきて足早に水源を目指します。

水のろ過装置などを入れた防災バッグを担いで水源を目指す一行。林道には雪がうっすらと積もり、気温がみるみる下がってきて、逸れるとリアルに遭難しそうな気配でした。

今回はあくまで体験会なので、水源地はあらかじめわかっています。
しかし、自然の湧水地など普段の生活で知る機会はないでしょう。もし本当に被災した状況であれば、悪天候下での行動は遭難のリスクがあるので注意が必要です。たとえ土地勘があったとしても、道の開けていない山に入るのは無謀と言えます。無事に水を汲み、途中火の元となる小枝など拾いながら会場に戻ります。

水を沸かす、そのためには火を起こします。が…?

そして実際に水をろ過し、火起こしに挑戦しますが、なんと悪天候で火元が湿気っており、ぜんぜん火がつかない!予定した時間を超過しても6つあったポットでまともに湯が湧いたのは半分以下でした。あらためて、湯沸かしだけでもまともに出来ないという現実に打ちのめされる一同。

着火ナイフ(ファイアスターター)もあるのに、全然火がつかない。杉の葉や松は通常よい着火剤になるのですが、この日は煙ばかり…

水確保の移動時間を引いても、最初に湯が湧くまでなんと1時間。事前に別日に火起こしをした経験がある人もいましたが、天候や湿度の影響で想定以上に困難な作業でした。途中、火付けを諦めるメンバーも出ましたが、なんとか無事に6本すべて沸騰させ、各々持参したカップラーメンを食べることができましたが、なんと2.5時間超。寒さの影響もあり、お湯を沸かすだけで参加者全員ぐったりしてしまいました。

なんとかラーメンたべられてよかったね笑

当初の予定では、身近なものを使って暖を確保するか(衣)、避難所の中でどうやってプライベートを確保するか(住)、の体験が続くはずだったのですが、あえなく時間切れ、ということになりました。現代人は文明の力がないとこれほどまでに無力…という感想を参加者全員が感じた体験になりました。

もうここだけで学びの多い体験でしたが、三日間のうちのまだ初日。
このあともイベントは続きます。

その続きは次回のレポートで。


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