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糸と魚と川vol.15・開催レポート③/初の3日連続開催!防災を体験し学び考える

糸と魚と川 vol.15は、初めて3日間の連続開催を実施しました。
24年1月元旦に発災した能登沖地震、震源地から近い糸魚川市も津波被害などがあり住民が避難しました。改めて震災の恐ろしさを感じた、いまこそ考える必要がある「いざ、そのときになったらどうするのか?」を参加者のみなさんと一緒に体験し、考えていきました。

こちらのレポートは、本シリーズの第3回目、最終日(24.3.23)のレポートです。その①、その②も合わせてご覧ください!


ワークショップ・私/家族の防災対策

3日目は、再び会場をクラブハウス美山に移し、この二日間で見聞き体験したことをベースに、私や家族の防災対策を見直すディスカションを、ワークショップ形式で行いました。
避難経路はどうする?家族がバラバラのときに被災したらどうする?など、リアルな体験、そして話を聞いたからこそ出てくる発想で、災害への備えをみんなで考えます。それぞれのグループでディスカッションした内容は、最後に参加者全員でシェアし、全員の学びとしました。 

ワークショップの狙い

本ワークショップは、参加者の防災意識を高め、日常生活において具体的で実践的な防災対策を考案することを目的として開催されました。防災意識を継続的に持ち続けることで、災害発生時に迅速な行動ができるようにすることを狙いとしています。

ワークショップのアウトプット

それぞれのグループで考案した防災対策のプレゼンテーションを実施しました。模造紙や付箋を使用して視覚的に情報を共有し、グループ間でアイデア交換と相互評価を行いました。発表後、まとめとして実現可能性と効果の高さをみんなで評価し合いシェアしました。

子どもたちも参加してさまざまな意見が交わされました。

当日は2グループにわかれて活発なディスカッションとなりました。最後にどんな学びがあったのか、発表内容からポイントをまとめてみました。

防災対策のポイント

防災対策、というと防災バッグを思い浮かぶ人も多いです。では、その防災バッグに必要不可欠なアイテムは何なのか?準備が推奨されるものとして、以下のようなものが意見として出ました。

  • 水、食料、医薬品など生存に直結するものは最優先で準備。

  • 携帯電話の充電器や懐中電灯など、情報収集や安全確保に必要な道具

  • 個人の状況に応じた必需品、特に震災時交通網が遮断された時、持病の薬や乳幼児用品は不足します。これらは日頃から多めにストックしておく。

ただ、一方で防災バッグは、どこかで発災した直後は準備するものの、定期的な見直しなどはなかなかできていません。賞味期限や使用期限のチェック、季節に応じた衣類や備品の入れ替え、家族構成の変化に合わせたアイテムの追加や削除を行うことが強調されました。

ホームセンターなどでは、防災バッグセットが売られていますが、参加者からは、登山バッグなどの機能性に注目した意見も出ました。いざ持ち出すときに体力や機動性を奪わないよう、機能性の高いバッグや道具を準備しておくことも必要という意見でした。

在宅避難のための準備

初日の講演にもあった通り、発災後数日は自力で生きる必要があります。そのため、最低でも3日、できれば5日程度は自宅でも生きれる準備が必要という意見も出ました。

  • 最低5日分の水と食料の常時ストックする。

  • トイレ用品(凝固剤など)、調理器具や燃料の準備。

  • 余震による二次被害を防ぐためにも、家具の固定、非常用電源(発電機やソーラーパネル)の設置、断水時のウォーターサーバーの導入など、住居の安全対策も検討されました。

家族との連絡手段の確立

特に発災が日中である場合、家族がそれぞれ学校や職場など、バラバラの場所で過ごしていることも少なくありません。そういった場合に備えて、緊急時の連絡方法や家族の集合場所を事前に話し合っておくことも必要です。

  • 緊急時の連絡方法(家族全員の携帯電話番号の暗記、SNSやメッセージアプリの活用方法、災害用伝言ダイヤルの使用方法の習得)を確認します。

  • 家族の電話番号は暗記、あるいは電子機器ではないアナログ手段で常に身につけておくこと。あわせて10円を何枚か持っておくこと。

  • 自宅付近の安全な場所を第一集合地点に設定し、広域避難が必要な場合の第二集合地点を選定しておくことが推奨されました。

防災としての地域コミュニティの重要性

また地域コミュニティとの連携や個人スキルの向上も強調されました。

  • 近隣住民との顔合わせや連絡先の交換、地域の防災訓練への積極的な参加、自主防災組織の活動への協力が重要です。

  • 応急手当や心肺蘇生法の習得、防災マップの作成と定期的な更新、災害時のストレス管理技術の学習など、個人スキルの向上も不可欠。

イベントでは、参加者同士が積極的に意見を交換しながら具体的な防災対策を考える場が設けられ、実践的な内容に踏み込んだワークショップとなっていました。

3日間にわたって防災に関する体験、講演、ワークショップなど盛りだくさんな内容でお届けした、今回の糸と魚と川vol.15「そのときになったらどうする 糸魚川防災ワーケーション」。初めての試みばかりでしたが、参加者の満足度が高い有意義なイベントとなりました。

今後もさまざまな視点で糸魚川の街と人々に刺激を与えていけるような企画を実行していきたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。次回の糸と魚と川もお楽しみに!


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糸魚川市産業部商工観光課企業支援室(担当:山崎)
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