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糸と魚と川vol.13・開催レポート/子どもたちの未来に何を残せるか?作れるか?

糸魚川市とMOVEDが共催しているコミュニティイベント「糸と魚と川」も13回を数えます。今回は、糸と魚と川 Vol.13 /家族と共に紡ぐ、糸魚川のストーリー 〜大人たちの思いが育む、子供たちへの贈り物〜について、どのようなイベントだったかの解説と、開催レポートをお届けします!


糸と魚と川 Vol.13 はどんなイベントだったの?

このイベントは、「家族と共に紡ぐ、糸魚川のストーリー」をテーマとして企画されました。副題に「大人たちの思いが育む、子供たちへの贈り物」として、糸魚川市の地域活性化と子育て環境の充実に向けた取り組みが、多彩な観点から紹介されました。

糸魚川市役所・宮路さんからは親子ワーケーション体験入学、㈱カネタ建設・村田さんからはカネタ建設で毎夏開催しているイベント・オレンジフェアについて、そして最後は埼玉県横瀬市からのゲスト、一般社団法人タテノイト代表理事・舘野さんから自然を活用した教育プログラムについて、それぞれ講演いただきました。
共通するのは、地域の魅力を最大限に活かし、子どもたちに豊かな経験を提供する姿勢です。各取り組みが、地域の特性を活かして外部からの視点を取り入れ、次世代への思いを育む機会として機能しています。

今回の会場はおなじみの駅北広場キターレです。

また、講演後の座談会では、糸魚川の自然環境の価値を再認識し、地域の子どもたちにその魅力を伝えるための具体的なアイデアが交わされました。移住のハードルを下げ、地域の価値を高めるための新たなアプローチが検討されていることは、糸魚川市の未来をより明るいものにするための大きな一歩です。今後のイベントや取り組みを通じて、関係人口の増加と地域のさらなる活性化を期待させるイベントになりました。

今回の登壇ゲスト

宮路 省平/糸魚川市商工観光課企業支援係
新潟県糸魚川市生まれ。2002年能生町役場入庁、現在は糸魚川市総務部企画定住課にて人口減少対策の業務に携わる。「関係人口の創出からゆるやかな移住定住の促進」をコンセプトに、ワーケーションの推進や移住体験ツアーの運営に携わる。休日はダイエットのため里山をジョギングし、趣味のバイクでショートツーリングを楽しんでいる。
村田 千咲/株式会社カネタ建設 総務部
2001年生まれ。糸魚川市出身。市外の開志国際高等学校に入学、糸魚川を離れる。卒業後、株式会社カネタ建設に入社、糸魚川へ戻る。海まで徒歩1分のところで育った。糸魚川の自然と人が好き。オレンジフェア2023プロジェクトリーダーを務める。
舘野 繁彦/一般社団法人タテノイト代表理事
神奈川県川崎市出身。地球惑星科学者・保育士。東京工業大学、岡山大学、海洋研究開発機構にて教員/研究員を経て保育士資格を取得。世界で初めて地球中心の圧力温度条件を達成(2010年Science誌掲載)。2020年より埼玉県横瀬町で教育事業「タテノイト」をスタートする。認可外保育施設「森のようちえんタテノイト」およびフリースクール「NAZELAB」を運営している。地球が魅せる真の美しさを伝えるべく、小学生向けに地球を探究し俯瞰する「ちっぽけツアー」をナビゲート。一般社団法人タテノイト代表理事・株式会社みんなのそだちLab代表取締役・博士(理学)・保育士。 

それでは、次からはそれぞれの講演内容について触れていきます。

地域活性化と子育て環境の充実に向けて

本イベントでは、糸魚川市の地域活性化や子育て環境の充実に向けた様々な取り組みについて、3名の登壇者による発表が行われました。

宮路さんから「親子ワーケーションと体験入学プログラム」

宮路さんは、糸魚川市が実施する親子ワーケーションと体験入学プログラムの概要を紹介しました。

  • 親子ワーケーション体験入学の概要:県外の子どもを年3回(夏・秋・冬)の各1週間、公立小学校で受け入れ、保護者はコワーキングスペースで仕事をしながら、子どもたちは地元の学校で学ぶという取り組みです。これは、関係人口の創出と将来的な移住促進を目指したものです。

  • プログラムの特徴と実施状況:フォッサマグナパーク見学やヒスイ体験など、糸魚川ならではの体験を提供しており、定員を上回る応募がありました。参加者の約3割は県外からの参加です。また、企業合宿型の親子ワーケーションとの組み合わせも実施しています。

  • 受け入れ側のメリットと課題:地元の子どもたちにとって良い刺激になるほか、宿泊施設の長期滞在向けサービス拡充にもつながっています。一方で、受け入れを担当する先生の負担増加が課題であり、受け入れマニュアルの整備が必要とされています。

村田さんから「オレンジフェアと地域貢献」

村田さんは、糸魚川市で開催される「オレンジフェア」と、その地域貢献についての発表を行いました。

  • オレンジフェアの概要と目的:このフェアは19年目を迎える手作りの感謝祭で、地域還元と子どもたちへの最高の夏の思い出作りをモットーとしています。毎年異なるテーマで開催されており、今年のコンセプトはトロピカルです。

  • 村田さんの個人的経験とオレンジフェアとの関わり:村田さんは小学3年生の時に初めてオレンジフェアに参加し、高校卒業後、地元の企業である金田建設に入社。オレンジフェアのリーダーを務めるまでになりました。地元に戻ってきた理由として、糸魚川の良さを再認識したことを挙げています。

  • オレンジフェアの意義と今後の展望:地域の子どもたちに糸魚川の楽しさを感じてもらう原体験を提供し、次世代への思いの継承を目指しています。また、糸魚川には楽しい仕事があることを伝える機会としても機能しています。

舘野さんから「自然を活用した教育プログラム」

舘野さんは、糸魚川市での自然を活用した教育プログラムについて発表しました。

  • タテノイトプロジェクトの概要:未就学児向けの認可外保育施設「森の幼稚園」、小学生向けの「なぜラボ」、地学教育を中心とした「ちっぽけツアー」など、多様なプログラムを展開しています。

  • 自然を活用した学びの重要性:地球や自然への興味を喚起し、知識を深めることが重要であると強調しました。「感じる、知る、愛する、守る」というサイクルを形成し、多様性への気づきと自然に対する感度の向上を図る取り組みです。

  • 横瀬町での取り組みと糸魚川との共通点:糸魚川と同様にジオパークとしての共通点があり、官民連携プラットフォーム「よこラボ」を活用することで、関係人口の増加と移住者の増加につながる取り組みを紹介しました。

講演後の座談会

講演後に会場視聴者も交えて行われた座談会では、子どもたちが自然に親しむための工夫について議論されました。その中で出た意見を以下にまとめました。わずか30分程度でしたが、参考になる意見が交わされました。

地元の人、市外の人も混じって様々な意見が交わされました。
  • 地元の子どもたちと自然体験:外部からの視点を取り入れ、当たり前の環境の価値を再認識させることが大切。地元の小学校との連携や無料の授業提供を行い、押し付けがましくならないよう、大人の好奇心を通じて子どもたちに伝える方法が語られました。

  • 糸魚川の魅力と課題:自然環境を活かした独自の教育プログラムの可能性、移住のハードルを下げるための取り組み(保育園留学など)、地域の特性を活かした学びの場の創出が挙げられました。

今回もさまざまな学びがあるイベントになりました。
糸と魚と川のイベントを通して、糸魚川をより魅力的な街にしていくために引き続き活動していきます。

10月21日に開催予定の糸と魚と川vol.14では、今回のイベントを踏まえてリアルイベント形式で開催する予定です。より議論を深め、地域の課題を共有し、解決策を考える場を提供します。さらにおもしろい話がでてくることが期待ですね!


プロジェクトに参加希望の方は、下記のメールアドレスまで。

糸魚川市産業部商工観光課企業支援室(担当:山崎)
kigyo@city.itoigawa.lg.jp

株式会社MOVED(担当:渋谷)
info@moved.co.jp