ご依頼いただきましたー月華シラさん
こんにちは。
「バーチャルをハレにする」ファッションブランド、Yarnwinderです。
ブランドオーナーの柑酉衣豆(かんどり いと)と申します。
年の瀬に放置していたnoteで書き残したことを書きたいと思います!
今年一番「盛り上がった」制作依頼のお話です。
VRoidStudioというソフトを使って3D衣装制作をしています。
BOOTHに色々なお洋服を出品していますしココナラで受注も受けております。
ご依頼当初は不安しかなかった…
今回の月華さん。
最初のご依頼メールで書かれていた依頼内容が「ホラーチックでかわいい衣装と髪型制作」ということだったのですが…
内容詳細が「大雑把」!!!!
取れる選択肢が無数にある状態で最初のご依頼文は超警戒していました(笑)
ここで書いた「黒いワンピース」の例のような状態だったんです。
とはいえ、ご本人も「大雑把」である認識があるのと、こういう依頼をすること自体が初めての経験ということだったので、丁寧にコミュニケーションを取ってみることにしました。
クライアントが自分で「希望」にたどり着く方法
実は漠然と「希望を言ってください」と言っても、なかなか自分の求めてるものを言葉など人に伝わるかたちにするのって難しいことです。
そこで最初の「大雑把」なご依頼文から、まずは「ホラーチックでかわいい衣装」とはなんぞや?を聞いてみました。
こちらがホラー感のある衣装の例から選んでも良いし、もしくは何かしらの指針になる例があれば教えてもらうことにしたんです。
この質問にかなりテンポよく回答が返ってきました。
結果、近かったのは「サリー」の衣装。しかもその中でも「色が少しちぐはぐしていて、質素でホラーカワいいワンピ」という回答がありました。
月華さんの中にボンヤリとでもイメージが固まってる印象を持ちました。
スピード感と回答の内容から「かかっている靄を一緒に晴れにしていこう」と思ってご依頼をしっかり受けることにしたんです。
靄を晴らしながらふたりで作る
今回は具体的なものが見えてないので「衣装制作に必要な要素を分解して、選択式問題として選んでもらう」という形をとりました。
選択式は「制作者がある程度候補を挙げる」手間がかかるのですが、ここまで見えない状況で修正を繰り返すより圧倒的に楽です。
(手間賃は加味して見積り出しますけども、月華さんは金額的に問題がないとおっしゃってもらいました)
衣装の要素として「衣装の形」「色の組み合わせ」「模様・柄」にわけて希望を聞いていきました。たとえばこんな資料です。
結構多くの選択問題をお願いしたのにもかかわらず、当日中に回答が明確に返ってきました。
模様についてはかなり悩まれているようで最終決着しなかったのですが、ほかの要素が完璧に決定していました。
私、ここで「絶対にうまくいく」と確信。
というのも、選ばれた回答すべて見た時に今まで話していたイメージがひとつにまとまったんです。
「ホラーチック」「かわいい」「色が少しちぐはぐ」「質素」ぜんぶ満たしているものが見えた気がしました。
自分で選択肢を作ったにもかかわらず、その回答の「組み合わせ」を見て初めて「こういうことか!」と思ったのはちょっと不思議でした。
トライアンドエラーを繰り返す
その後は作ってみてイメージを微調整するというのを繰り返しました。
これを追加したい、このパターンを見たい…というのを丁寧に聞いて可能な限り叶えて調整をかけていきました。
私の依頼制作では「vroidで360度見てもらい動きも含めて一気にまとめて確認してもらう」のが基本です。
今回はvroidデータを送らず、何度もスクショで細かく聞いてイメージに近づけるという形で進行しました。
なぜなら確認するための作業(vroidデータだとPCじゃないとダメ&ダウンロードしないと見れない)が少なくて済むから。
どうしても何度も細かい確認が多くなるので「手間の要らない確認方法を取る」コミュニケーションも大事だなと思いました。
そのくらい何度も作っては確認し、やってみたいことを見える形にすることで、どんどん具体的な形になっていった…という制作でした。
一番うれしかったこと
制作者と一緒になってクライアントが「作ってくれる」というのは当たり前ではなく、結構投げ出してしまう人も多いと思います。
だから余計にふたりでココナラのトークルームで盛り上がりながら作るのが本当に楽しかったです。(予定より3日も早くデータ出すくらい)
中でもこれは冥利に尽きる…と思ったことがあります。
それはこの一言。
「柑酉様と一緒にデザインのことを考えてるうちにVキャラの設定がバッチリ浮かんできまして」
おっしゃってもらった時に何よりもうれしかったです。
衣装や姿というのはひとつの自分が「見せたい理想」です。
当店「Yarnwinder」のコンセプトもその考え方がベースに眠っています。
理想の姿が衣装や髪型といった形で具体的に見えることで、内面の姿(=設定)が決まるというのは不思議ではありません。
単なる衣装を作るだけではない、衣装を通じて「在り方」が少しでも良くなっていくことを望んで「Yarnwinder」という活動をしています。
だからこそ「衣装制作」を通じて、内面に気づくような制作ができたことをとてもうれしく思っています。
具体的なものではなくても、無数の選択肢から選びとれるくらいには自分の理想がわかっている。
それが月華さんのすごかったところだとも思います。
素敵な活動を楽しみにしています~!