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【ASEEDONCLÖUD 玉井さん】デザイナーインタビュー #4 @TEXTILE JAPAN SHOWROOM2022SS

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出典 : ASEEDONCLÖUDのウェブサイトより


ブランド名「ASEEDONCLÖUD」は、デザイナーの玉井健太郎さんが子供のときに初めて創作した絵本の名前『くもにのったたね』から由来しています。毎シーズン、空想の職業をテーマにしたストーリーを軸に特別な生活着やワークウェアをデザインされています。自ら産地をまわり、素材にこだわり抜いたクリエーションを続けているデザイナーの玉井さんにお話を聞いていきます。


宮田:インタビューよろしくお願いします。今回の22春夏向けのショールームで探している生地やキーワードがあれば、可能な範囲で教えていただくことはできますか?

玉井:気分的にリラックスだったりより開放的な方向になりそうで、「軽い、薄い、気持ち良い」という感覚がベースになると考えています。具体的な素材の決定は、重さや肌触りだったりデザインとの兼ね合いでこれから選んでいきます。

宮田:デザインする上で生地を選ぶのはどのような段階ですか?

玉井:コレクションのリサーチを始めて2ヶ月後ぐらいに生地を決めていきます。ただ、僕らのスケジュールではコレクションのリサーチを始めてすぐに大きな生地展があるので、そこで出展されている生地の傾向を見たり、気になる生地のリサーチははじまります。

宮田:服のデザインと生地のリサーチが並行して形になっていくイメージですか?

玉井:はい。自分が100%望む生地に巡り合うということはないので、展示会や生地屋さんで生地を見させていただき、今まで自分が知らなかった新しい発見があるとまたデザインも発展します。

宮田:玉井さんのデザインのインスピレーションはどういったところから得ていますか?

玉井:インスピレーションは自分が日々生きている中で気になることや引っかかった部分を深堀して得ています。そこと自分の好きなものやベースとなるものを混ぜながらデザインしていきます。その過程でイメージを広げる素材のリサーチに力を入れています。

宮田:服を作る上で生地にどのくらい重きを置いていますか?

玉井:アイテムとのバランスです。もちろん素材が大切であることは前提ですが、「なるべくここは生地を見せるべき」というアイテムもあれば、逆もあります。ディテールやシルエットも関係してきますので、生地はすごく大切ですが、全体のバランスでデザインしていきます。


宮田
:すごく勉強になります。ブランドとして今後のビジョンをお聞かせいただけますか?

玉井:いくつかありますが、僕の師匠というか以前働いていたブランドのマーガレット・ハウエルが少し前に50周年を迎えたんです。1人のデザイナーが50年間デザインをするというのは相当なことで、僕もなんとか12年やっていますが、比べるとまだまだです。時代に合わせてちゃんと会社を動かすデザインで周りとwin-winな関係を築くっていうのはすごく大変なことだと思うので、まずそれを一つの目標としてやりたいなって思っています。

それと付随したことなのかもしれませんが、服の役割っていうのは変わっていくと思っています。自分が服が好きで始めた時と今とは服の役割はかなり変わってきていますし、さらには今回のコロナのことも含めて。時代の変化をしっかり見極めて、人と服との関係性を築いていけるようなブランドであり続けられるように、常に自分なりの考えで提案していきたいと考えています。

宮田:自分もデザイナーを目指す身として、学びが多く、とても考えさせられました。玉井さん、お時間いただきありがとうございました。

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「ASEEDONCLÖUD」のコンセプトとリンクする玉井さんのインタビューでした。とことん人に寄り添うようデザインをされているのだというのが印象的なインタビューでした。今後もどんな物語が生み出されるのか楽しみです。


聞き手   TEXTILE JAPAN SHOWROOM運営スタッフ 宮田
書き手   TEXTILE JAPAN SHOWROOM運営スタッフ 中村



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