青春だ、思い切り楽しめ!
朝起きて
久しぶりに太陽を見た。
ここ数日は、降ったりやんだりの雨に悩まされていた。
梅雨だから。
まぁ仕方ない。
が、今回ばかりは「仕方ない」にならなかった。
来月から始まる高校野球。
今はその予選で、全国どこも盛り上がっていることでしょう。
残念ながら 生まれてこの方 高校球児とは縁遠かったもので、
今年ほどヤキモキしたことはない。
高校三年生の娘は入学以来吹奏楽部で頑張っている。
その先に高校野球の応援があるなんて、私はすっかり忘れていた。
そういえば、学生時代の恩師が
自分の実力では甲子園に行けないことを悟って、
「吹奏楽で甲子園に行った」
と武勇伝を話していた記憶がある。
今年の1日目
娘たち一行は現地に着いたものの
雨がやむ気配がなく、結局中止。
そのまま帰って来た。
2日目
朝一で雨天中止の連絡が来た。
3日目
バスで学校を出発し、球場に向かう途中で中止の連絡が入ったらしい。
ドライブして帰って来た。と娘は言っていたが
いつまでも1試合目が出来ないのは
野球部みんなのモチベーションは大丈夫なのかと気になった。
4日目
バスは迎えに来ていたらしいが、乗ることなく、中止が決定。
貸し切りバスも1台ではない。
大型バスの料金も気にならないわけではない。
そして5日目
ようやくお日様が見え、プレイボール
中継で私のもとに吹奏楽の音も届いた。
帰宅した彼女は、今日1日を振り返って話したいことが山のようで
溢れ出す話を順に聞いた。
当然ながら、同様に延期を余儀なくされた学校がある。
もうこれ以上バスが出せない判断で
野球部しか球場に来られない学校もあったという。
娘の学校の1つ前の試合。
スタンドにはわずかな保護者の姿があるだけに見えた。
せめて、吹奏楽の音で後押しをしたいと
許可を取り、縁もゆかりもない学校のスタンドに彼女たちは姿を現した。
と同時にコールドで試合は終わったらしい。
実際には、お手伝いをすることはなかったが
その心意気に親としては胸が熱くなる想いだった。
二年前の今頃。最初の年。
彼女は野球のルールすら知らないまま応援に向かった。
帰って来て
「ルールが分かっていたら 応援はもっと楽しく出来るはず」
と言った。それからはテレビで観戦しながら順にルールを覚えていた。
今年は十分に応援を楽しめただろう。
月末には、自分たち(吹奏楽)の大会も控えている。
貴重な練習時間を野球部の応援に取られてしまうことに
少なからず、わだかまりもあるだろう。
それは上の学年になるにつれ
責任が増える分
悩ましい時間なのかもしれない。
口にはしないが、
自分の中で割り切ることを上手くやっているのだろうと
親としては「成長」と受け止めている。
野球部は頑張った。
スタンドからの応援は届いただろうか。
数日後の2回戦も頑張ってほしい。
きっと彼女は今日と同じ気持ちで応援するだろう。
必死に声援を送っていた友だち
ヒットを打った友だち
一緒に演奏していた友だち
視界に入る全ての人の頑張りが眩しかったらしい。
「みんな頑張っていることが嬉しくなる日だった。」
彼女のこの感想が
今日1日を表すベストな言葉だと思う。