りそな銀行とチームラボのパートナーシップがスゴい。

「持ち歩ける銀行」で顧客基盤ひろげる - 日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/021500564/

りそな銀行がチームラボとタッグを組み、次世代の銀行利用体験を創出するべく、新たなアプリをリリースしたという話。記事中ではその制作過程についても語られているが、色々スゴい。今後こういう仕事が増えていくと良いなあと思ったので、何がスゴいと感じたかを書こうと思う。

クライアント×プロダクションのパートナーシップが築けていてスゴい。

ビジネスを一緒に創っている
まず、チームラボが、りそな銀行の「銀行ビジネス」に入り込めている。通常のアプリ制作では、クライアント側ですでに決まっているビジネス要件に対して、綺麗なアプリを作ります、というのが常。だけど、この場合はチームラボが、アプリを用いた「体験デザイン」の領域に踏み込めている。
(そもそも店舗設計等も含めたもっと大きな契約を結んでいて、その中の「アプリ」という感じみたい。)

だからこそ、ディティールにこだわれている
「細かいところまでこだわる」と一口に言っても、労力がかかる=お金も時間もかかるので、制作サイドがこだわりたくても、往々にしてこだわれないもの。

しかしこの事例では、クライアントを説得し、制作サイドが必要としているスケジュールを確保できている。
故に、ローンチの段階で、iPhone / Androidで画面構成を作り分けたり、マイクロインタラクション的なところまでしっかりと作り込めている。

そしてなにより、りそな銀行さんの強い意志がスゴい。

「次世代の◯◯を考えていきたい」というお題は割とよくあるのだけど、りそな銀行は本気でこれを考えている。そしてチームラボをパートナーとして信頼して、チームラボもバリューを出せている。結果、形になっている。これがすごい。

原点の思想がよくても、リリースまでの間に形が変わっていってしまったり、そもそもリリースが頓挫するなんていうことはよくある。というか、「理想形」のプロトタイプを作るだけ作って、プレゼンして終わり。ということもよくある話。そんな中で、しっかりエグゼキューションできているのは本当にすごい。

まとめ

①クライアントが強い意志を持ち、
②プロダクションに任せるべきところは全てを任せる。
③そしてプロダクションがその期待に応える

この3点が実現できるって、言うは易しだけど、本当に難しいと思う。でもこのケースはそれが実現できている。

記事は記事なので、綺麗にプロジェクトが進んだかのように見える。
けど、裏側には膨大な調整やらドキュメントやらトラブルがあるわけで、これを二人三脚でやり切った、りそな銀行とチームラボは本当にすごい。

今後このアプリがどうなっていくかは要チェックだし、りそな銀行の先進事例によって、他の銀行がどう動いていくのか?も、注目である。

ちなみに
記事中には「デジタルアート制作のチームラボ」と書いてあるが、チームラボは別にアートの会社ではないんだなと思った。
確かに、世の中的には華やかなインタラクティブアートで有名になり、そういったブランドを確立している。
しかし、チームラボはあくまで体験を創るための手段として(ときには)華やかなアートを選んでいたりするわけで、別に「アート」の会社なんかではないんだ。「体験」の会社なんだと、このケースを見て強く思った。

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