冬が好きになった
今日の天気予報では最高気温35℃。湿度も北海道とは思えないほど。
ここ数日の残暑が厳しいなんてもんじゃなくて、仕事が手につかないくらいの暑さになってしまったので、ちょっとでも涼しい気持ちになれたらと冬の日々を想ってみる。
春夏秋冬
どの季節がお好きですか?
これって結構あるあるな質問だけれど、みなさんが各々好きが違っていて、正解もないし理由もまたそれぞれで、私の好きな質問のひとつです。
好きな季節って、年齢や環境によって変化していますか?
私はコロコロ変化しつつも、基本的には日が長い夏が好きです。
朝型人間の私にとっては、夜明けが早く日が長い夏至あたりがピークに嬉しくて、特段スペシャルな日でなくてもご機嫌に過ごせます。
私の超個人的な調べによると、お誕生日付近の季節が好きとか、いちばん元気という方は多いように思います。私も初夏生まれなので例に漏れず。
危ない危ない。
このままだと夏の良さをこの暑い中語る羽目になりそうなので、そろそろ冬のお話へいきましょう。
北海道へ行くならどの季節がおすすめですか?
移住してからよく聞かれる質問で、基本的には何がしたいかによりますねとお答えしていますが、個人的なおすすめを聞かれた場合は、迷わず「冬」をおすすめします。
返ってくる返答は「えぇ?!冬かぁ。。」
大体皆さん冬以外がお好きというか、冬は寒すぎて楽しめなさそうとイメージされるようですね。実際冬は雪まつりなどのイベント以外はウィンタースポーツを楽しまれる旅行者が多いように思います。私自身はウィンタースポーツは全くやりませんが、移住する前からやっぱり冬は特別でした。
一面の真っ白の雪の世界、雪の少ない地域で育った私にとっては未知の景色。
誰の足跡もついていない雪の上をただひたすらにスノーシューで歩く。
雪がふわふわすぎてスノーシューを履いていてもそれなりにズボッと。
雪が音を吸収してくれるので、車の音も夏と違ってほとんど聞こえない。
陽が当たると暖かく、陰ると途端に寒く。
朝焼け夕焼けで染まった雪、晴れた日曇った日1秒毎に変化する景色。
7年目となった今でも特別な感覚があって、ついつい写真を撮りたくなります。
撮りたい気持ちと裏腹に、スマホのバッテリーが寒さで落ちることもしばしば。
生まれ育った京都では必要のなかった毛糸の帽子や、忘れても何とかなった手袋たちもここでは必須に。
マイナス20℃を超えてくると、深呼吸するとむせることも。
それ自体不思議な体験で、むせてるのに笑いが出てしまいます。
私が暮らす道北地域では、早ければ11月から3月上旬頃まで雪の世界に入ります。
2〜3ヶ月の間は最高気温でもプラスになることはほぼなく、ずっと氷点下の中で生活します。(広いので地域により寒さや雪の多さはかなり違ってきますが)
実際に暮らしてみると、除雪や雪下ろし、ホワイトアウト、タイヤが滑る、荷物が届かない、凍結対策など、ただ生きていくだけでも大変なことがたくさんあります。
雪が降りすぎて仕事場へ辿り着けない日、一日中除雪しかしてないかも、、と思う日や、仕事場が寒すぎでずっと薪を炊いていただけ、、なんていう日もあります。
困難なことを並べる方がよりたくさん出てきそうだけれど、それでも私が「冬」という季節を好きになれたのは、北海道に暮らしているからだと思います。
日常と暮らしがとても密接で、自然の中では自分自身がとっても小さな存在だということを、日々肌で感じることができるのが北海道の冬だと思います。
だからこそ晴れた落ち着いた日があると、それだけで幸せで、寒くてもついつい外へ出たくなってしまうのかもと、最近感じるようになりました。
それと、自分で判断する力が求められ、少しずつ養われれていく気がしています。
冬のお天気はコロコロ変わるので、私のできることと照らし合わせながらベストを選択していく、そもそも冬に無茶な予定は立てないなど。
暮らしていく上で身についてきている技術かなと思います。
暮らす前も暮らしてみてからもここでの「冬」は特別です。
春から秋は他とそう大差がないけれど、雪に覆われた世界は別世界。
北海道に移住するまで冬が苦手だった私が、まさか人に冬をおすすめする日が来るなんで思ってもみませんでした。
同じ「冬」なのに環境によって好きな季節が変わるのは面白い。
冬が来るまではもうしばらく。
この暑さを乗り切って、かごを編みたくなる冬を迎えたいと思います。