人里離れたたぬきが復職するのでプロに服を選んでもらった
産休・育休で人里から離れ、私はすっかりたぬきになってしまった。
これは自分を卑下しているのではない。
義理の妹にいわれたのだ。
友人のヴァイオリンの発表会のため
久しぶりに外の世界にでていったときのはなし。
久しぶりに外の世界に行けるので、
ネットで購入したばかりのユニクロをうきうきしながら着て出かけたのだが、友人との記念に撮った写真は衝撃的だった。
ドレス姿の友人の横に映ってるのはいったいだれなのか。。
信じられないと思って、義理の妹に写真をみせてみた。
「たぬきが人里に降りてきたみたい」
そうやって、彼女は、私がなんと表現してよいのかわからなかった戸惑いを、的確に言い当てた。
世界がコロナに怯える今日このごろ、私の復職も目の前に迫ってきた。
「たぬき事件」があったあと、私はたまたま「DROBE(ドローブ)」というサービスをみつけた。
プロのスタイリストが提案してくれた服を自宅で試着できるサービスである。
洋服を買いに外出するのも嫌なので、試しに利用してみた。
これまでの私は
「服では勝負しない。清潔感さえあれば、没個性でいいのだ。」
と自分に言い聞かせていた。
だから別にDROVEにもすごく期待していたわけじゃない。
ところが、実際に家に届いた服を試着したら、すごくわくわくしている自分に気がついた。
素敵だなと思って、純粋に、この服に似合う自分になりたいと思った。
ああ、わたし、
「まだ服でときめくことができるんだ!」
そんなことを発見できて、なんだかとても嬉しくなった。
服は人をポジティブにするとはよくいうが、それは本当なのかもしれない。