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海月になるころ

ひとつとり溢す度に、
水辺の波紋がへっていく。
年々呼応する音がきこえなくなった。
酷く静かな波だけがよる。
きっとそれだけで生きてしまえる、
単純な細胞でありたかった。

真綿の朝を迎えて、
緩む髪が流れて、
あたらしい今日を聴く。
足裏の地を感じて、
のしかかる時間を思い起こして、
浅瀬のそこで息を吐く。

くりかえし、くりかえし。
粛々と、くりかえし。
空気が薄らになる頃まで。
くりかえし、くりかえし。
僕らがとうめいになるまで。

#全読   #詩   #現代詩

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