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#13 死んじゃったらなにもできない。生きていることに感謝。
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今日は少しうちの家族のことについてお話をします。
我が家の長女は生まれたときから体調面で不安を抱えています。
頭蓋骨が一部欠損状態でこの世に生まれてきて、それに気づいたのが、彼女が3歳くらいの時。
10歳のときに夏休みを利用して人口骨を埋める手術をしました。
このときの決断は親としてとても重いものでした。
場所が頭頂部でなければ、欠損の範囲がさほど広くなければ、手術を回避していたかもしれません。
たしかに、手術前の彼女は大事をとって毎日ヘルメットをかぶった学生生活を送っていたけれど、頭が痛いわけでもなければ、一部の体育の授業を抜かしてほぼ普通に学生生活を送っていたので、このまま手術を回避する、という選択も考えられました。
でも、頭上から何か落ちてきたときに骨のない箇所に当たったら、それこそ大変なことになります。
側頭ではなく頭頂だったということもあり、手術後のリスクと天秤にかけた結果、より頭のリスクを減らすのは人口骨を埋めることなのかな、と結論づけ、本人はまだ理解しきれていない状況ではあったけれど、手術に踏み切りました。
結果が良かったのか、悪かったのか。実は私にもまだわかりません。
かなり大きな手術でしたし、「あの子、頭の手術したのね」と遠めに見てもわかるような感じなんです。
まあ、今ではとても素敵な美容師さんに出会ったので、うまいこと隠してくれるようになり助かっていますが。
なによりも、手術の痕が10年たった今も痛むようで、夏になると手術痕が蒸れてかさぶたになり、時には大根の皮をピーラーで剥いたような状態になってずるっと皮が剥がれたこともあり、その時は本当に慌てました。
冬場や梅雨時など天候の悪い時期には、寒さや気圧の関係で起き上がることができないという日が時を重ねるごとに増えてきているような気がします。
もっとも、本人は、「天気予報より天気が当たる」と言っていますが。
更に頭の手術が影響しているのか、いないのか、原因不明の左足痛、左胸痛にも悩まされ、痛み止めを処方されても効かない状態になっています。
彼女が手術した九州・小倉の病院で、看護師さんに連れて行ってもらったリハビリ室。
お年寄りの方が一生懸命歩行練習をしている姿を見て、「やってみたい」と思って入った理学療法の大学も、体調不良が続き、実習にも出れない状況が続いたので留年することが決まり、現在休学中。
退学して、体調と相談して行けそうな通信制の大学に入りなおすことを検討しているところです。
そんな彼女をみて、「本当にこの決断でよかったんだろうか」と思ってしまうことがあります。
でも、その話を夫にしていた時に彼がいいました。
「死んじゃったら、なにもできないんだよね。生きているから痛いってわかるんだよ。」と。
実は夫もまた私と出会う前、異国の地、メキシコで交通事故に遭い、瀕死の重傷を負った過去があります。
首の骨を折ったものの、奇跡的に今でも普通の生活を送ることができています。
よくドラマで人がなくなるとき、過去の思い出が走馬灯のようによみがえるシーンってありますよね。
あれって本当にそうなんだそうです。
夫の場合は、30秒くらいだったそうですが、生まれてからそれまでの出来事が順番によみがえってきた、と話してくれたことがありました。
だから、テレビのドラマって、本当に再現率高いですよね(変なところに感心!)
一度、死の淵をさまよった夫だからこそ重みのある言葉でした。
そして、私自身も、一日一日を丁寧に、丁寧に、過ごそうと改めて感じました。
長女は先月10日、20歳の誕生日を無事迎えることができました。
春からは「自立したい」と一人暮らしを始めています。
これからも、近くから、遠くから、彼女を見守っていきたいと思います。