#18 自ら考え 自ら行動する
子育てをするうえで、最近、意識していることがあります。
「子どもたちも立派な一人の人間なので、自ら考え、行動できるような環境を作る」ということです。
今回、漢字としては「自ら」と書いたので「みずから」と読んでいただければと思います。
同じ字で「自ずから」と書いて「おのずから」という読み方もあるのですが、こちらは「誰の力も借りず、ほかの何かにもたよらず、自然に」という意味です。
条件さえ整えば「下に下に」と勝手に伸びていく自然薯をイメージするとわかりやすいのではないかと思います。
それに対し、「自ら」には手本となる何かが横にあると私は考えています。
赤ちゃんの時には、意識せずとも自ら考え、行動していると思います。
食べることも、話すことも、歩くことも、周りの人を観察して同じことを試してみようと、とりあえずやっています。
最初はママ、パパだけがお手本だったのに、じいじ、ばあば、お兄ちゃん、お姉ちゃん、と、どんどん手本の範囲が広がってきます。
更に「お外」の世界を知ることにより、ますます刺激を受けるようになります。
何時間でも車を見続けたり、探検したくなったりするわけです。
これがいわゆる好奇心というものですよね。
でも、このころあたりから少しずつ周りの大人が先回りしはじめて、
たいして危なくないのに、
「あぶないからこっちはだめよ」
と抱きかかえて安全な場所に連れて行ったりしてしまいます。
確かに、危険を察知するという学びも必要ですが、大人の目があれば、たいていは命にかかわるところまではいきません。
そして本当に命にかかわるからだめだ!となった時に、初めて助けたらいいのではないかと思います。
今の時代、私も含め、お子様が少し手厚く保護されすぎているのではないかと感じることが多々あります。
大人が手を出しすぎてしまうと、うちの長女がその典型ですが、他人の顔色ばかりを見る子に育ってしまいます。
何か新しいことを始めようとするとき、いちいち親にお伺いをたてたり、友達に合わせてしまったり、自分がやりたいことがあっても我慢してしまったり。
そうすると生きづらさを感じてしまう時が来るかもしれません。
ちょっとくらい足がもつれて転んだっていいんです。
次は少しだけ転び方を工夫して、より痛くならない転び方を子どもは編み出すはずです。
いろいろと試行錯誤していって「その人の一番いいやりかた」を自分自身で編み出していけば、次の人たちにその編み出した技を伝授することができるという特典付きです(^_-)-☆
先回りはいいように見えて、将来つまずいたときになかなか立ち直れない可能性も秘めています。
年を重ねれば重ねるほどより無難さを求めるので、せめて若いうちにいろいろと試行できる環境を整えてあげられるといいな、と思います。
そして、年を重ねている私たち大人が、試行錯誤を重ねて失敗から学ぶ姿勢を子どもたちに見せてあげることも必要だと思います。
かっこ悪い背中かもしれないけど、学びにつながれば全てOKです。