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#29 いい子ほど板挟みになる・
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俗にいう「いい子」を演じている子は本当に大変な思いをしていると思います。
我が家では、長女が「いい子」の典型にあたります。
とにかく、彼女が小さい頃は、私もいわゆる「毒親」といわれる層にいたのでかなり気を遣ったことと思います。
ことあるごとに先回りして、「ねばならない」「ダメ」「危ない」のオンパレードでした。
長女の場合は、先日も少し触れましたが、10歳まで頭蓋骨欠損の状態で日常生活を送っていたので、頭頂部に何かが落ちてきたら終わりだという思いが強く、親としてより神経質になっていました。
親がダメダメ星人になってしまうと、子は少しずつ親の顔色をうかがうようになってしまいます。
更に、親の顔色にとどまらず、先生やご近所の人のことまで気になってしまうようになります。
彼女の場合は「自分を見る目が違う」と感じていたのかもしれません。
いつも人を見る目がおどおどしているというか、下からこわごわ見上げているような感じでした。
ほどなくして、ストレスが体にあらわれてしまい、原因不明の太腿痛や胸の痛み、頭の手術痕が痛んだりすることが重なってきたので、さぞかし大変だったろうと思います。
なによりも、彼女自身、思うようにいかない自分に対し、自信を失っているようにみえました。
年齢を重ねるごとに板挟み状態が顕著になり、高校生になった彼女は、それまで皆勤だった学校にも行けなくなる日が続くようになりました。
ある日、もうこれ以上隠しきれないと思ったのでしょう。
彼女から
「頭が痛いといったらママが心配するからお小遣いで痛み止めの薬を買って飲んでいただけど」
と聞くまでは、本当になにも気づきませんでした。母親失格ですよね。
今となっては本当に反省しきりです。
そんな彼女も年を重ねて少しずつ周りの人に自分の意見がいえるようになってきて、最近では自信を少しずつ取り戻してきたように感じます。
まだ時折足や胸が痛むことはあるようですし、手術痕は冬場や梅雨時など天候の悪いときにはかなり痛みを伴うようですが、少し気持ちにゆとりがもてるようになったみたいです。
もしかしたら、彼女の場合は一人暮らしが一番の気分転換になったのかもしれません。
適度な距離間で、でも困った時にはすぐに駆け付けることができる今のポジションは、いい親子関係を保っているのではないかと思います。
まずは、ダメダメ星人を卒業して、大人が自分の方を向くことからですね。