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質問の意図を伝える ~コミュニケーションの鍵~

みなさん、話題のChatGPTは使ってみましたか?

今回コラムを書くにあたりChatGPTを活用してみようかと思い立って色々試してみました。「どんなテーマが良いか?」「参考になりそうな時事ネタは?」等々。いずれもそれっぽい回答が返ってきますし、追加で質問するとそれに応じて(真偽や根拠はさておき)具体的な回答も得られ、自然な文章で対話できることに驚きます。

ChatGPTのメリット・デメリット等については、あちこちで論じられているのでそちらに譲るとして、改めて感じるのは、質問の仕方の重要性です。ChatGPTではプロンプトと呼ばれる質問文・命令文の内容によって、得られる回答が変わってきますので、如何に欲しい回答を得られるプロンプトを書くかがポイントになります。

現実世界での人と人とのコミュニケーション(特に質問するシーン)においても同様に、欲しい回答を得るためには質問の仕方が大事です。抽象的な質問や要領を得ない質問をして、相手から欲しい回答を得られなかった経験が、みなさんも多かれ少なかれあるのではないでしょうか。私も、普段よく行う企業向けの課題ヒアリングではなく、一般の主婦やシニアの方々にある分野の社会課題に関するヒアリングをする機会が以前あったのですが、「困り事はなんですか?」といった類の回答範囲の広い漠然とした質問をしてしまい、聞きたいこととは異なる方向の話に終始してしまった経験があります。

質問の仕方にも様々なテクニックがありますから、それらを臨機応変に使いこなして、相手の前提を踏まえた的確な質問を、端的にバシッとできれば良いのですが、なかなかそう上手くは行かないこともあると思います。そんなときに有効で簡単な方法は「質問の意図を伝える」ことです。

何かの質問をする際に「質問の意図は○○です」と、こちらの目的や質問の背景を率直に伝えると、質問の仕方が下手であっても、相手がこちらの欲していることを汲み取って、欲しい情報を提供してもらえる確率が高まります。こちらの意図が伝わると、質問したこと以上の深い回答や補足情報を提供してくれる場合もあります。文脈を共有している相手であれば不要だと思いますが、初対面の相手や、分野や立場の異なる相手の場合は有効です。

ただし、質問の意図を的確に伝えるためには、予めその意図自体を自らしっかり考えておくことは必要です。その場に臨んでいる目的、現状や課題を深く考えて整理できていれば、質問の意図は自ずと伝えられるでしょう。

上手く対話できていないなと感じたときは、自身の意図や思いを素直に伝えることを試してみてください。コミュニケーションが円滑に進むキーになるかもしれません。

(ちなみに、ChatGPTで同様のテーマでコラムを書かせてみたら、なかなか納得感のある文章が返ってきまして、「コミュニケーションの鍵」というサブタイトルだけ借用させてもらいました。本文については、安心してください、オリジナルです。)

シニアマネージャー 寺村 良寛