盛夏火 団地演劇Vol.3『ウィッチ・キャスティング』台本
『ウィッチ・キャスティング』
新家魔美(にいや まみ)------------------------------------------------新山志保
キキ樹(ききき)------------------------------------------------------金内健樹
グローリィ・水野(みずの)----------------------------------水野谷みき(排気口)ソフィー・マルハセ------------------------------------------------長谷川まる
穂村VCR(ほむら ビデオ)-----------------------------------------------金田陸
マダム・マルク・トライロバイト・マルコス------三葉虫マーチ(劇団「地蔵中毒」)
【0.集合/Gathering(開場〜開演迄15分間程度)】
☆この団地の部屋はキキ樹の家
魔美はその部屋に内見に来ている、数年後に取り壊されるこの団地の最後の入居者として春から別の棟の一室に引っ越してくるのだ
魔美は部屋の中を内見して回っている
キキ樹はその横で箒で掃いて掃除したり箒に跨ったりしている
☆水野は受付をしている
[受付]
お客さんから¥1,666(千円札,五百円玉,百円玉,五十円玉,十円玉,五円玉,一円玉)を手のひらの上に載せて提示してもらい、確認できたら目の前で壺に投げ入れてもらう(丁度無い場合は¥2,000貰い投げ入れてもらう)
水野谷の知り合いには、水野は実際の知り合いのように接する(水野谷の働く下北沢スズナリのバー:バッキンガム宮殿に来る客のように)
【1.前説/Introduction】
開演時間になり、お客さんが揃ったら
水野 「(客席とリストを見比べて、客数を数えて)・・・えっとー、よし。これで一応全員ですかね?・・・キキ樹さーん?もうあとソフィーさんとか遅れて来るって言ってた人以外は揃ったみたいなので、初めちゃってもー(いいですか)?」
キキ樹 「えっ?あー。はい!・・・(客席を見て)うわ、自分ちにこんだけ人来ると変な感じするね(笑)」
魔美 「(察して、キキ樹に)あ、んじゃ、ありがと」
魔美、帰り支度を始める。荷物をまとめたりメモを取ったり
♪:Cocteau Twins - Frou-frou Foxes In Midsummer Fires
[水野、客に向かい諸注意を読む]
(ミステリ小説で密室が作られるときの館の女主人の説明の感じで)
・「お待たせしました。あ、私は・・・お知り合いの方も何人かいらっしゃいますね(笑)へへへ。えーと、グローリィ・水野と申します。えーまず何点か諸注意だけ」
・「団地の部屋なのでお静かにお願いします」
・「申し訳ないんですけど、団地は底冷えするかもなのでご自分で体温調節はしてください」
・「人が集まるとウィルス感染のリスクが高まります。(消毒液が設置されていますので、お帰りの際などにご利用ください。ご希望の方にはマスクもお配りします)」
・「集会の間はなるべく出入りをしないよう言われています。(キキ樹「誰に?」)途中でどうしても具合が悪くなられた方は、私か、こちらの方(キキ樹)に遠慮なく仰ってください。ご自分で動ける場合は、そちらの出入り口からご退出頂いても大丈夫ですよ」
・「あと、まあ本来は全然大丈夫なはずなんですけど・・・ちょっと今回は、携帯電話は電源からオフにしてください」
キキ樹 「えっ、そんなにまでする必要あるの!?」
水野 「うーん、まあ一応。集会なので」
キキ樹 「そうなのね・・・」
水野、客に電源オフを促す
水野 「はい、じゃあ皆さーん、携帯電話やスマートフォンは電源からオフにして下さいねー?(少し待つ)・・・大丈夫・・・ですかね?」
キキ樹 「Hey, Siri!」
キキ樹、Siriの反応を伺う(切っていない人がいれば水野が再度促す)
水野 「大丈夫・・・みたいですね。はい。じゃあ、始めましょうか」
♪:F.O.
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?