盛夏火 団地演劇Vol.4『スター・クルージング/パジャマ・キャンプ・アルファ』台本
『スター・クルージング/パジャマ・キャンプ・アルファ』
今庭盛保(いまにわせほ)----------------------------------------------新山志保
葉月(はづき)--------------------------------------------------------金内健樹オノマ----------------------------------------------------小野カズマ(排気口)
貞名城(ていなしろ)タマ------------------------------------------------倉里晴
獏林(ばくばやし)------------------------------------------まつばやししゅうと
本戸盆子(ほんとぼんこ)----------------------------------------------青柳美希
下部屋麻祗(しもへやまぎ)--------------------------------------------みのりぬ
(マーくん------------------------------------------------------マーライオン)
---第1部:スター・クルージング---
【0.集合/Check In】
参加者は小田急線祖師ヶ谷大蔵駅北口の広場(ウルトラマン像の横あたり)に集まる
タマ、葉月、盛保が待っている
「PAJAMA CAMP ALPHA」と書いた立て札を持っている
来た人からお金を貰い受付をする
受付した順番に番号の付いたサイリウムの腕輪を渡す
タマがおもに参加者リストを扱い、葉月はそのサポート
盛保は少し手伝いつつもなるべく無理矢理つれてこられたみたいにしている
【1.出発/Departure】
予約者が全員揃ったら
タマ 「・・・えっとー、これで全員ですかね。(人数を数える)1、2、3・・・」
葉月 「ちょっと、タマちゃん。こんなに人呼んだの?こんなに来るなんて聞いてないよ・・・うちに入るかな・・・」
タマ 「えー、人集めたのはおもにオノマ先輩ですし、私よく知らないですよ?」
葉月 「えぇ〜〜〜。(小声で)なんか上手いことこいつら半分くらいに減らせないもんかな?ほら、あのアベンジャーズの3つめのやつみたいに。(サノスの手の動きをやる)アベンジャーズ見たことないけど。あれ、こうだっけ?(両手でサノスの手の動きをやる)」
タマ 「それは「がんばるぞい!」ですよ(同じ動きをやる)」
葉月 「あ!・・・あはは、懐かしいね〜。ぞい!ぞいぞい!」
タマ 「ぞい!ぞい!」
葉月とタマ、延々とやる
盛保、預かっていたタマのiPad(?)が着信しているのが見えて葉月を促す
盛保 「あ、ねえ、ちょっと、これ・・・」
葉月 「ん?あ!タマちゃん、なんか着信」
タマ 「あ・・・はいはいー。あ、盆子さんからだ」
ビデオ電話を繋げる
盆子 「あれ、タマちゃーん?見えてるー?」
タマ 「はいー」
盆子 「もうこっちだいたい用意できちゃってるけど。今さっき、獏林くんも来たよ」
盆子の背後にロードサイクルのヘルメットを被ったままの獏林の姿が見える
獏林 「すいません〜今着きました」
画面向こうの獏林と、こちら側のタマと葉月、手を振りあう
獏林 「葉月さん〜、一応僕みんなで遊べそうな64のソフト持って来たんで、あとでもし時間余った時らやりましょうね!」
獏林、画面にN64のソフトを見せる
葉月 「マジか〜!(なんかアドリブでソフトについて言う)」
盆子 「(遮って)タマちゃん〜?あと何人くらい来そうかな?」
葉月 「盆子さーん、あの、今見た感じあとxx人くらいプラスされそうで・・・」
盆子 「えー!?」
タマ 「なんか今駅前に迎えに来てみたらこれだけ来ちゃってて〜。オノマ先輩が際限なく声かけたみたいで」
盆子 「あーそうか。オノマ、あいつバカだな。数数えられないのかな」
タマ 「(盆子と葉月に)どうしますー?やっぱり半分くらい帰ってもらいます?」
葉月 「バカ!聞こえるように言うなよ!聞こえるように言うやつがあるかよ!バカ!」
タマ 「葉月さんがさっき言い出したんじゃないですか」
葉月 「あァ・・・そうだけど・・・。うぅん・・・。あーわかったよ!あーーー!!(客に手を振りかざす)もうこうなったら何人でも来いよ!うん、はい。(目を深くつむりザ・ファブルのように眉間を叩く)切り替わった!今スイッチ切り替えたから。今から向かう俺の家は毎日俺が寝食をしてフランクにおちんぽ出したりしているいつものプライベートスペースではなく、今夜は圧倒的パブリックスペースだから。はい。大丈V!(盛保に)・・・あ、おちんぽとフランクが掛かってるのは偶然だからね。・・・よっし、みんなついて来い!どいつもこいつも全員行くぞー!」
盆子 「うん。じゃあとりあえず待ってるね〜」
盆子との通話が切れる
タマ 「さて、じゃあもうそろそろ出発しましょうか・・・」
タマ、最終チェックをしている
盛保、葉月に
盛保 「・・・ねえ、これ私もう帰っていい感じなの?」
葉月 「え、帰るって電車で?」
盛保 「そう」
葉月 「いや、どうせ一駅なんだし、ワセリンちって方向的には、こう・・・(向きを指し示す)大まかにうちの方で合ってんだから寄ってきなよ」
盛保 「いいよ知らない人ばっかりだし」
葉月 「あ、でももしかしたらマーくん途中から来るかもみたいな事言ってたよ。なんか作業が終わったら」
盛保 「・・・えぇ〜」
葉月 「あ、あとほらこの前俺が鍵無くしてワセリンち泊めてもらった時借りたパジャマ、あれ洗濯したから返したいし」
盛保 「いやそんなのいいよいつでも。というかあん時なんでわざわざ持って帰ったの?」
葉月 「い、いや、それはほら、一応?貸してもらったわけだし。自分で着たものは自分で洗濯すべきかなと」
盛保 「そういうのをありがた迷惑って言うんだよ。うちでまとめて洗濯すれば済む話じゃん。返してもらう手間の方がよっぽど厄介だよ」
タマ、若干被せて
タマ 「はーい、じゃあみなさーん。これから会場に出発しますので、私たちについて来てくださいねー。これから商店街をまっすぐ進んで行きますので、あんまり横に広がりすぎないように、あとはぐれないように注意してくださいね〜」
タマ、手を上げて先導して歩き出す
タマ 「はい、じゃあ行きまーす」
【2.弁当屋地図/Delicatessen Map】
※ルート変更のため欠番
【3.タマ、走る/Run Tama Run】
出発しようとすると駅の方から自転車に乗ったオノマがやって来る
肩に寝袋を携えている
オノマ 「ウィッス〜(いつものカズマの感じ)」
タマ 「あ、オノマ先輩!」
葉月 「あ!おい!あんた、ちょっといくらなんでもこれは人呼びすぎだよ!」
オノマ 「ん?いやいやいや、あんたが際限なく呼んでくれって言ったんでしょうが。この件に関しては僕はもう一っ切知らないです。関知しません」
葉月 「えぇ・・・」
オノマ 「あ、あと、僕今後ろから見てて思ったんですけど、こんな大勢でこの道通って大丈夫すかね?(今は深夜だからまだ人通り少ないけど)この道狭いのにたまにでかい車も来たりするし。(深夜でもゴミ収集車とか、半グレが運転する暴走車とか通ったりするんで)結構危ないですよ」
葉月 「あぁ、そっか・・・。あ、じゃあこっちの住宅地の方から迂回してく?どうせ(手で指し示す)こう行くか、こう行くかの違いだからそんな遠回りになんないはずだし」
盛保 「道わかるの?」
葉月 「あたりめーだろ?地元民だぞ!」
オノマ 「うん。そっちの方がいいよ。そんじゃあ、僕は後ほど(自転車を動かし出そうとする)」
タマ 「え?オノマ先輩一緒に来ないんですか?」
オノマ 「僕、今あっちのスーパーとか寄って紙コップとか買い出してから向かうんで。(葉月に)ほら、ビアポンで使うやつ」
葉月 「あ!ビアポン!あぶねー!俺絶対やりたかったのに完全に忘れてた!」
オノマ 「(ニヤニヤする)そこは任せてくださいよー。(ケツポケットを探る)ん・・・?あれ、まずい、財布忘れたかも。・・・すいませんなんですけど、誰か財布持ってる人、一人こっちの買い出し付いて来てくれません?」
葉月と盛保顔を見合わせる
タマ 「あ!じゃあ私お財布持ってるんでついて行きますね!」
葉月 「え!?タマちゃん、道案内は!?」
タマ 「葉月さん道わかるんですよね?私裏道はよくわからないんで!すいませんけどよろしくお願いします!」
葉月 「えーーー!?」
タマ、オノマを通り越して商店街の奥の方へ走って行く
オノマ 「あれ、後ろ乗んないの?」
タマ 「はいー!!先ついた方が勝ちですからねー!」
オノマは自転車に乗ってタマを追いかける
(以下『バトルロワイアル』の栗山千明のシーン参照)
オノマ 「マジかよ、ちょ待てよ。おーいタマちゃん!どこまで走るんだよ!?」
タマ 「私はずっと先輩の前走り続けますよ〜!」
オノマ 「ははは。じゃあ俺はずっとタマちゃんの背中つけて行って最後で抜いてやるからな〜!」
タマとオノマ走り去る
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