AI安全衛生管理 現在の取り組み

Chat GPTなどの生成AIの活用は、今後幅広く進展していくことは間違いありません。これは、私が専門としている安全衛生の分野にも大きく影響を及ぼすでしょう。
個人的な意見ではありますが、安全衛生管理で必要な取り組みについては、法令や通達などの遵守基準があるため、ある程度AIでカバーできると考えています。実際、注目すべき点はすでに決まっています。

労働基準監督署もChatbotを導入するようになりました。安全衛生におけるAIの活用の幅は今後ますます広がり、そこに備えることが必須と感じます。
今回は、現在使用または検討されている事例から、安全衛生に関するAIの可能性を探ります。

目次

  1. 現在のAI活用の例

  2. 労働者のバイタルチェック

  3. AI搭載カメラによる監視と注意喚起

  4. 個人特性から事故警告

1. 現在のAI活用の例

安全衛生におけるAIの活用方法として、次のような方法があります。

  1. 労働者のバイタルチェック

  2. AI搭載カメラによる監視と注意喚起

  3. 個人特性から事故警告

2. 労働者のバイタルチェック

労働者にスマートウォッチなどの端末を装着させ、常時体調を管理する方法です。健康的に働ける環境を作ることは事業者の義務であり、労働者が体調不良になると事故を引き起こす可能性があります。例えば、一人作業中に心筋梗塞などを発症した場合、発見が遅れると手遅れになるケースもあります。

特に夏場は熱中症の危険が高まります。自覚症状がないまま症状が進行し、気付いた時には重症に陥ることもあります。作業中に労働者の身体状態をモニタリングすることで、早期に発見し、適切な対応が可能になります。

熱中症対策として、労働者にスマートウォッチなどのウェアラブル端末を装着し、体温や心拍数を常時モニタリングする例が増えてきました。異常があれば本人や監督者に知らせることができ、早期対応が可能です。
バイタル情報の収集はプライバシーの問題もありますが、高齢労働者の割合が増えている現在、労働者のバイタルチェックは今後広がるでしょう。

3. AI搭載カメラによる監視と注意喚起

作業場を見渡せる定点カメラや機械にカメラを搭載し、労働者の危険行動を発見するためにAIを活用する方法です。危険を発見した場合、通知や機械の停止などの措置が取られます。

例えば、建設機械にAI搭載のカメラを取り付けることで、運転者の死角から人が接近した場合、自動的に機械の動きをストップさせることができます。これにより、接触事故を防ぐことができます。

小規模工事現場では定点カメラで監視し、不安全な状態や行動を検知し、作業者や監督者に通知する方法がとられるでしょう。

4. 個人特性からのコンサルティング

個人の性格や考え方などについて事前にアンケートを取り、AIで分析することで、その人が起こしやすい事故を予測し、注意を促す試みも進められています。

性格と事故のマッチングが必要ですが、ユーザー数が増えることで精度が上がると期待されます。この分野でのAIの応用は非常に期待できると思います。

現在は以上のような試みがされています。特に建設業では、時々刻々と変化する現場を管理するためにAIの活用が有効です。監督者だけでは対応しきれない部分をAIが補うことが期待されます。


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