若気の至りから抜け出せてないバッグ #あなたのバッグ何入ってますか
昔、若気の至りでバックパッカーをしていた事がある。
世界一周券というものを手に、アジアから入って左回りに1年かけて世界一周するというものだった。
1年もあったらギターくらい弾けるようになるのかな…と思いつき、若気の至りで弾けもしないギターを担いで日本を出た。
結局、アジアを突破するまでもなく、今の夫と出会い若気の至りでスピード結婚した。
一周券のキャンセルには、高いキャンセル料が発生した。
全ては若気の至りだ。
∇∇∇
安宿のシャワールームで、今日着たTシャツや下着を手洗いし、以前ここで同じく手洗いしてただろう、バックパッカーが張っていったロープにかけて干したりした。
この人は今どの辺りを旅しているんだろう、もう旅を終えて家族の元に居るんだろうか、などと想像した。
見知らぬ国を転々とし、持ち物はチケットとパスポートと着替えくらいという生活は、一見、不安要素だらけのようで、なぜだかとっても満たされた。
とっても安心した。
自分の生活全てに、衣食住全てに、自分の目が行き届き、管理できているのが心地よかった。
言い換えれば、私には、バックパック1つ分しか管理できない。
その証拠に、あの弾けもしない重いだけのギターを何度置き去りにしようとしたことか。
現在私のバッグが軽すぎるのは、そういう経験からかもしれない。
∇∇∇
『大抵、どうにかなる。』
ビビリの癖にそう信じてきて、どうにかなったこともあれば、どうにかならなかったこともある。
しかしなぜだろう、私の脳はどうにかなったことの方が色濃く記憶される仕組みらしい。
成功体験と勘違いしているのかもしれない。
結果、『大抵、どうにかなる』説に基づいたバッグの中身はこうなる。
(財布、手帳、ペン、パスモ、ハンドクリーム、リップグロス、アイシャドウ、これにスマホもはいります)
スッカスカだなーハンカチくらい持ちなさいよ、という声が聞こえてきそうだ。その通り。
『安宿にタオルなんか付いてないよ!シャワーのあとは脱いだTシャツ裏返して拭けば大丈夫!』というアメリカ人バックパッカーの名言に感銘を受けた日々を引きずっていてはダメだ。
若気の至り旅を引きずっていてはダメだ。
もう大人なんだから、ハンカチくらいは持つようにします。
メイク用品もポーチに入れるようにします。
あとティッシュも持ちます。
あと絆創膏も…。エコバッグも…。汗ふきシートも…。
(『あなたのバッグ何入ってますか』企画に投稿された皆さんの記事に明らかに影響受けまくっている…。)